Diesel Engine Trends 世界で注目されている新世代のディーゼルエンジン

日本においてディーゼル車、とくに乗用車の普及はその途上にあると言えますが、世界に目を向けると1990年代後半からディーゼル車の比率が高まってきています。
右下のグラフは、特にディーゼル車の人気が高い欧州のマーケットにおける、乗用車に搭載するディーゼルエンジンのシェアの推移を表しています(1990-2008年)。
日本では現在、ディーゼルエンジンを搭載した乗用車は限られておりますが、欧州においては、'90年代終盤からディーゼルに対する需要が急激に伸び、乗用車のディーゼル化率は右肩上がりです。
実はディーゼルエンジンは、その技術ポテンシャルの高さから、次世代の動力源として注目されているのです。
世界で高まる環境意識とともに急速に進化する
ディーゼル技術
都市での大気汚染を中心にディーゼル技術を進化させてきた日本と、地球規模での環境対策(CO2 の削減)からディーゼル化にアプローチしてきた欧州。その結果、ディーゼルの技術は2つの方向から急速に進むことになりました。
排出ガスの含有物の一部を'90年代初頭と比較すると、ディーゼル車からの PM (粒子状物質)、 NOx (窒素酸化物)の排出量は9割以上も削減されました。街を走行する自動車の約30%がディーゼル車となったとしても、大気汚染への影響はガソリン車と比較してもほとんど変わらないという計算データもあります。さらにバイオディーゼル(植物油から作られた環境に優しい新ディーゼル燃料)の普及も検討されており、さらなる CO2 (二酸化炭素)の削減が期待できます。
またディーゼルは熱効率がとてもよく、排出ガスのクリーン化技術の進歩で、現在ではディーゼルエンジンのポテンシャルが見直されています。電子制御化の進歩でディーゼル特有のエンジン音を小さくし、加速性などのドライバビリティ(Fun to Drive)を向上させたことも、世界的にディーゼル車の普及に拍車をかけたのです。
興味深いのは、これまでディーゼルエンジンにほとんど興味を示していなかった、米国マーケットの動きです。もともとガソリンと軽油の価格差がそれほど大きくなく、燃料の価格が安価であるため、米国ではディーゼル化が進まずにトラックの分野でもガソリンエンジンが主流でした。しかし、'90年代の終わりからは、ディーゼルエンジンがそのシェアを伸ばしてきています。2003年からは、欧州メーカーがディーゼル乗用車をアメリカ市場に積極的に投入するなど、ディーゼルを軸とする戦略を導入しつつあるのです。
規制のクリアと社会的な責任を負って技術開発を行っているディーゼルエンジンは、確実に技術の進歩をとげ、止まることを知りません。これからも次世代の動力源として注目され続けることでしょう。


