自動車機器直納(OE)- Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)
プレスリリース

衝突予知セーフティシステム「PSS」

2005年4月

どうすれば重大な車両事故を防ぐことができるのでしょうか? テクノロジーはどのようにドライバーを支援できるのでしょうか? 車両事故の研究調査を通じてボッシュが発見した答えのひとつが、衝突予知(プリクラッシュ)セーフティシステム「PSS(Predictive Safety Systems)」です。

このシステムは、ABS、エレクトロニック・スタビリティ・プログラム(ESP®)、油圧ブレーキアシスト(HBA)などのすでに定評のあるブレーキ制御機能を、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)のレーダーセンサーと組み合わせることで機能します。また将来は、これにビデオセンサーによる補助が加わります。

PSSでは、高度に進化したレーダーシステムが、車両の前方を常に監視しています。この「電子の目」が検知した情報をソフトウェアが分析し、危険な状況を早い段階で認識し、どんなドライバーに可能な反応時間よりも早く効果的な安全措置が直ちに施されます。ボッシュはPSSを次の三つの段階に分けて市場に投入していきます。

●第1段階: 衝突予知ブレーキアシスト
「PBA(Predictive Brake Assist)」
… 走行中の状況変化を感知し、制動距離を最短に抑えるために、緊急停止への準備を整えます。

●第2段階: 衝突予知警告
「PCW(Predictive Collision Warning)」
… ドライバーが危険に気づかず反応しない場合に、警告サインが単独または複数の組み合わせで発信されます。

●第3段階: 衝突予知緊急ブレーキ
「PEB(Predictive Emergency Brake)」
… ドライバーの反応が間に合わない場合、衝突が不可避になる前に、システムが独自の判断で緊急停止操作を行います。

第1段階であるPBAは、2005年初めに市販車に搭載される予定です。第2段階のPCWも、2006 年から量産を開始する計画です。

危険を感知: 高性能なセンサー

「アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)」で、前走車との適切な距離を自動的に保つために既に使われているレーダーセンサーは、PSS においては 200 m 先までの前方を監視します。このセンサーは同じ走行レーンの車を検知し、それらの距離と車速を計算します。PSS システムは、ACCのオン/オフにかかわらず、常に作動します。

理想的なブレーキング操作の準備: 衝突予知ブレーキアシスト「PBA」

レーダーセンサーが緊急停止を行う必要がありそうな危険な状況を感知すると、衝突予知ブレーキアシスト「PBA」が、ブレーキシステムへ緊急停止に備えた準備を指示します。ドライバーが気がつかないうちに、より素早く最適なブレーキ液圧に達することができるよう、あらかじめブレーキ回路へオイルを送りブレーキ油圧を高め、またブレーキパッドをブレーキディスクに近接させることで、油圧ブレーキアシスト(HBA)に「警戒」体制をとらせます。

多くの研究結果から、こうした措置がいかに効果的であるかが示されています。危険な運転状況でとっさに急ブレーキをかけられるドライバーは全体の30%程度です。たいていのドライバーはブレーキを踏むことを躊躇し、HBAが作動するまでに至らないのです。

PBA があれば、ドライバーがブレーキ操作を始めると直ちに約30 ミリ秒早く最大の制動力が発揮され、制動距離を大幅に短縮することができます。

より素早い反応: 衝突予知警告システム「PCW」

衝突予知警告システム「PCW」は、危険な状況をドライバーに「警告」します。たとえばブレーキを瞬間的に効かせたり、シートベルトを一時的に少し巻き取る、視覚と聴覚に訴える表示や合図を送るなどの手段によって、ドライバーに迫り来る危険を知らせるのです。

ドイツ保険会社協会の調査によれば、事故に巻き込まれたドライバーのほぼ半数は、まったくブレーキをかけていません。初期段階で警告を受ければ、ドライバーは回避機動を行なったり、速度を落とすべくブレーキをかけ、より素早く衝突の危険に対応することができます。

能動的介入: 衝突予知緊急ブレーキ「PEB」

警告にもかかわらずドライバーが反応しない場合や、前方の障害物・他の車両の位置や速度から事故が不可避であるとシステムが判断した場合には、衝突予知緊急ブレーキ「PEB」が作動します。ここからは PEB がドライバーに代わる意思決定者となり、目前の衝突に備えて、最大限の強さで衝突予知緊急ブレーキ操作を自動的に行い、衝突による衝撃を抑え、乗員のケガや損傷の程度を最小限にとどめます。

PEB は能動的に運転操作へ介入するため、障害物の認識や事故リスク評価が、最高レベルの安全基準に基づいて作動するよう設定されます。そのため、レーダーシステムに加え、ビデオセンサーなど別の感知システムがこの機能をサポートします。

PSSは「先進統合安全システム」コンセプトの最初のステップ

交通事故の回避や衝突の被害の軽減に大きく貢献するPSSは、ボッシュ 先進統合安全システムコンセプトのひとつです。「先進統合安全システム(=Combined Active and Passive Safety Systems)」は、既に車両に搭載されている、たとえば、ESP®、ACC、エアバッグ制御ユニットなどのセンサーと電子制御ユニット(ECU)等のシステムを包括的にネットワークで結び、安全性向上機能をさらに拡張します。

将来、先進統合安全システム機能は、正面衝突を回避したり衝撃を軽減するだけでなく、全周囲の安全性を確保できるようになるでしょう。ドライバーは危険な状況で能動的な支援を受け、側面衝突、追突、多重衝突、さらには横転といった様々な事故に対応できるようになるでしょう。


参考資料

Innovation prize for driver assistance systems - ADAC awards prize for the Predictive Safety Systems from Bosch

Predictive Safety Systems from Bosch - Driver support in situations with high risk of accident