自動車機器直納(OE)- Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)
プレスリリース

ボッシュ – 自動車産業界のグローバル・パートナー: IAA 2005

2005年9月

フランクフルト国際モーターショー(IAA 2005) プレス・コンファレンス、2005 年 9 月 13 日
ロバート・ボッシュ GmbH 取締役会会長 フランツ・フェーレンバッハ(Franz Fehrenbach)のステートメント

どのような課題に直面しても、自動車産業の展望は世界的に良好といえます。成長の最大のチャンスは、新興成長市場であるアジアと東ヨーロッパにあることは疑いありません。しかし同時に、高級車を中心とする市場ボリュームが最も大きいのは依然として、西ヨーロッパ、北米および日本であります。ボッシュはあらゆる点で準備万端といえます。一方で世界中に広く拠点を展開し、また他方でハイレベルの革新力を維持しているからです。

今年度、ボッシュの自動車機器テクノロジー分野における売上高は約 260 億ユーロと見込んでいます。自動車生産の成長が世界的に低調であることを考慮にいれても、今年度はおよそ 4 %の成長を達成すると予測しています。2005 年度、ボッシュ・グループ全体の成長率も同じく約 4 %、410 億から 420 億ユーロの売上げと見込んでいます。

私たちは、今後数年間、自動車産業の成長は再び高い伸びを示すだろうと予測しています。しかしそのためには、自動車メーカーもサプライヤーも厳しい競争に打ち勝っていかなければなりません。ボッシュは世界最大の自動車機器サプライヤーとして、モータリーゼーションの魅力をさらに向上させるのと同時に、環境への負荷をさらに低減してゆく義務があると考えています。

将来への投資、研究開発費を増額

このような課題を達成するために、ボッシュは自動車機器サプライヤーの平均をはるかに上回る多額の研究開発費を投じています。2005 年度、ボッシュは自動車機器テクノロジーセクターにおける研究開発費を同事業セクターの売上高の10%にまで引き上げています。研究開発に従事する従業員は約 18,000 名、全世界に約 50 ヶ所の研究開発および応用技術開発センターを有しています。全世界で約 250,000 名近くのボッシュの全従業員のうち約 150,000 名が自動車関連事業に従事しています。ドイツ国内におけるボッシュの従業員数は安定しており、約65,000 名が自動車機器事業セクターに従事しています。世界的にはボッシュのグローバル戦略に基づいた拠点展開を強化するため、従業員を増員しています。

世界的にディーゼルが有望:
ドイツ自動車産業のためになされるべきことは?

私たちは、ディーゼル・システムについても、やはり世界的に見て有望であると見ています。ボッシュのディーゼル・システム事業部では、今年度も 前年比 9 %とハイレベルな成長を見込んでおります。依然として、当社のディーゼル事業の 3 分の 2 はヨーロッパにおける売上です。しかし、ディーゼルはアジアやアメリカ合衆国でも前途有望です。最近になってやっとアメリカ合衆国議会が低燃費車の使用促進を決議しました。うれしいことに、ハイブリッドとともにディーゼル車についても、はっきり言及されています。

西ヨーロッパでは今年度、新車登録乗用車の 2 台に 1 台がディーゼル車となるでしょう。とはいうものの、ディーゼル車のシェアは現在ドイツを含む数ヶ国で若干減少の傾向が見受けられます。ここで問題になっているのは間違いなく 微粒子(PM)の排出 です。微粒子に関する議論は従来から、そして現在も、過度に単純化されて語られていると思います。微粒子に関する 議論における疑問点について、私たちの考えを 3つのポイントにまとめました。

・まず第 1 に、微粒子に関する議論では、車両による環境への負荷低減は、あたかもパティキュレート(微粒子)フィルタなしでは達成できないかのように言われていることです。このような考えは、長年にわたり、あらゆる種類の有害排出物、窒素酸化物(NOx)や微粒子(PM)を低減してきた、エンジンテクノロジーの進化という点を見逃しています。

・第 2 に、市街地における微粒子のうち、その地域を走る車両を発生源とするものはわずか 3 %にすぎない、という事実がまったく無視されています。

・第 3 に、この議論は政策的な矛盾を露呈するものです。すべての新車は微粒子も含め現行の排ガス規制値をクリアしているということを無視しています。

この中で検討されている走行禁止措置については、新車には適用すべきではありません。今日、ドイツにおける車両保有年数は今までになく長くなっています。平均で 8 年弱です。言い換えれば、現行の排ガス規制を満たしていない車が現在、多数走っているのです。ドイツ国内のディーゼル車両のうち 3 台に 1 台は、Euro 2 またはそれ以前の排ガス規制値の時点で登録された車です。2010 年に Euro 5 規制に切り替わります。Euro 5 規制値では新車の 微粒子(PM) 排出量の基準は “ゼロ・エミッション” です。ユーザーが古い車をただちに新車に乗り換えれば、PM 排出量は 5 年後には 20 %も削減できます。ただしこれは、古い車すべてが乗り換えられた場合の話です。エコロジー政策においてなされるべき議論は、まさにここのところなのです。そしてその施策は、ドイツ経済にとっても意義あることです。ドイツでやっと最近、上向き始めた新車需要を高めることになるのですから。

環境保護や事故防止への取り組みの成果

新興成長市場でも、排ガス規制は厳しくなっています。車は「クリーン」でなければなりません。しかし、それ以外にも世界的に多数の問題があります。

・燃料価格の高騰

・交通の過密化

・特に先進工業国におけるドライバー平均年齢の上昇

です。

ボッシュはこれらの問題および快適性・利便性への要求についてもソリューションを提供しています。ここでは、車をより安全に、よりクリーンに、そしてより経済的に、という当社の 3S プログラムに沿った戦略が、今までになく際立っています。世界中で個人の自家用車の保有が受容されるような環境を生み出し、同時に環境保護や事故防止をさらに推進するのが私たちの進む道です。ボッシュにとっては、これは単なる美辞麗句ではありません。はっきりとした成果を数値化して示しましょう。

・まず第 1 に、Euro 4 規準をクリアしている最新のディーゼル車両が排出する有害物質は、15 年前のディーゼル車の排出量と比べると 90%も減少しています。この清浄化には、当社の高性能な燃料噴射システムが貢献しています。

・第 2 に、ドイツの自動車産業は、「1990 年から2005 年までの15 年間で二酸化炭素排出量および燃費を、共に 25%削減する」という野心的ともいえる約束を、大幅に上回る数字で実現しました。ここでも、ディーゼル車が果たした役割りは大きかったといえます。

・第 3 に、日本、アメリカ合衆国、そしてヨーロッパにおける独立機関の調査によると、ESP® (エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)は車両の横滑りが原因で発生する、人命にかかわる事故を防止することができます。もしもすべての車両に ESP® が標準装備されたとすると、ドイツでは年間で約 1,400 人、アメリカでは 7,000 人の交通事故死者数が減る計算になります。この数字は両国の交通事故死者数の 4 分の 1 に相当します。EU が掲げる「2010 年までに交通事故死者数を半減させる」という目標は、ESP® のようなシステムなしには実現できないでしょう。

3S プログラムでさらなる高みへ: イノベーションのロードマップ

私たちはこの革新の道を妥協することなく歩んでいきます。その際立った例を、ここにいくつかご紹介します。

・今年のフランクフルト国際モーターショー、すなわちこの会場で、ボッシュはドライバー・アシスタンス・システムのまったく新しい製品カテゴリーである「ナイトビジョン」システムを発表します。これはボッシュが供給し、メルセデスベンツの新しい S クラスに装備されます。

・この春には、衝突予知ブレーキシステムの第一歩がアウディ A6 に装着されました。この衝突予知ブレーキシステム、略称 PSS (Predictive Safety System)の次の段階として、オートマチック衝突予知緊急ブレーキシステムが 2009 年に市場導入されます。

・ドライバー・アシスタンス・システムは、さらに他の製品でも実現されます。現行のアダプティブ・クルーズ・コントロールに「ストップアンドゴー」機能を加えた「ACC plus」を 2006 年から、セミオートマチック・パーキング・アシスタントを 2007 年から量産開始します。

・今年度、ボッシュは追加機能により制動距離短縮を可能にした「ESP®plus」を市場に導入します。また、来年にはブレーキ圧生成がよりダイナミックになった「ESP®premium」を導入します。

・ボッシュの子会社であるブラウプンクト社は、4 つの新しいナビゲーションシステムをこのフランクフルト国際モーターショーで発表します。そのひとつ TravelPilot Lucca は、すべての車両仕様への適合を念頭に開発された初のポータブル・デバイスです。

・私たちは燃料噴射テクノロジーにさらに磨きをかけていきます。本年度の終わりには、第 2 世代のガソリン直接噴射システムがデビューします。ディーゼル用には現在第 3 世代のユニットインジェクタシステムと第 4 世代のコモンレールシステムを開発中です。これらは一層の燃費向上と排出ガスの低減を実現するものです。

・ボッシュはディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)も開発しています。開発プロセスにおいて私たちは、製品寿命が長くなっても非常に経済的なソリューションを見出しました。さらに、フィルタ機能のマネジメントをセンサーやソフトウェア、燃料噴射システムが支援します。

・ボッシュがアメリカおよびヨーロッパの自動車メーカーと進めているディーゼル車用の開発プロジェクトは、排ガス規準 US07 に照準を合わせています。プロジェクトは、2008 年からの量産開始に向けて進行しています。*

・そして忘れてはならないのが、ボッシュの多様なハイブリッド・プロジェクトです。

イノベーションとコストの両方を志向することは矛盾していない

ボッシュにとってイノベーションとは、新しい製品や技術を意味するだけではなく、新しいプロセスをも意味します。BPS (Bosch Production System)は日本における生産システムを手本に作り上げたもので、世界中のボッシュの工場におけるコスト削減を高めるものです。ボッシュにおいてはイノベーション志向とコスト志向は相矛盾しないのです。また、「低価格車両」に特化したシステムも開発しています。新興成長市場においては低価格車両の提供が重要なポイントだからです。今後 10 年間で、定価が 7,000 ユーロ以下の車両生産が世界的に増加するでしょう。車両スペックが高くない場合でも、ボッシュは低価格車両の要求に見合ったコンセプトに沿って、「3S」プログラムにもとづいて開発を進めていきます。

システム・インテグレーション: ネットワーキングが新たな考えをもたらす

ボッシュと自動車メーカーとの革新力のためのパートナーシップには、私たちの広範な事業領域とノウハウが寄与しているといえるでしょう。既存のシステムを結びつけることで常に新しいものが生まれます。ハイブリッド・システムを例にとると、システム・イングレーションが可能か否かが、成功の鍵を握っています。ハイブリッドは単なる燃焼機関と電気モーターのコンビネーションをはるかに超えるシステムであり、ブレーキ・マネジメントおよびエネルギー・マネジメントのノウハウが要求されます。ボッシュはその両方を持っています。私たちは「ESP®premium」で非常に速いブレーキ圧生成を実現しましたが、この機能があればこそ、オートマチック衝突予知緊急ブレーキシステムのような「衝突予知ブレーキシステム」が実現できるわけです。ここでもまた、未来へ向けて私たちはシステム・ネットワークに注目しています。それは車両におけるアクティブ・セーフティとパッシブセーフティの統合です。私たちはそれを、「先進統合安全システム(=Combined Active and Passive Safety Systems)」と呼んでいます。

製品サイクルが長いにもかかわらず、売上に占める新製品の割合が高い

これらすべてを実現するために、私たちは多大な先行投資を行っています。そして特にこのことが、ボッシュのような独立系自動車機器サプライヤーが自動車メーカーの力強いパートナーとなれる理由なのです。2000 年以降だけを見ても、ブレーキ制御システム分野の開発および資本財に、ボッシュは 23 億ユーロを投じています。さらに、ディーゼル高圧燃料噴射システムには 60 億ユーロを投資しているのです。コモンレールシステムについては、現在ボッシュはピエゾ式テクノロジーを含め、第 3 世代まで開発しています。そして売上高グラフの伸長を見てもわかるように、このような継続的な開発こそが、ディーゼル・ブームをさらに推し進めているといえるのです。ディーゼル・システム事業部では売上の 40 %を発売 5 年以内の製品が占めています。ブレーキシステムに至っては、70 %を超えています。どちらのケースも製品サイクルが長い分野でこのような割合である点が注目に値します。これらの数字は、ボッシュが将来に向けた投資を直ちに魅力的な製品に結実させている、なによりの証拠です。

品質と立地戦略: 共通の事業目標

同様に私たちは、当社の革新力をより広範に用いるうえで最も費用効率の高い方法をつねに模索しています。しかし、ボッシュと自動車メーカー、特にドイツの自動車メーカーとが共有できる利点はそこだけではありません。3 つの点をここに示します。

・まず第 1 に、自動車メーカーとボッシュは、品質をさらに高めるために全力を尽くしています。供給元と供給先の共通領域である分野を改善することが特に大事だと考えます。

・第 2 に、自動車メーカーとボッシュはドイツにある生産拠点にも競争力をつけるよう尽力しています。そのためにはプロセス改善に加え、人件費に関する合意も必要です。

・第 3 に、ドイツの自動車業界全体は、平均を上回る研究開発費を投じることで立地戦略を有効に展開しています。これは、ドイツにおいて自動車産業ほどの高い輸出超過を他のいかなる産業界ももたらしていないことの理由でしょう。そしてこの状況は維持されなければなりません。

「Invented for life」をスローガンに世界的な成長を

私が最後に申し上げたいことは、ボッシュには自動車技術の分野において、今後もさらに平均を上回る成長を続けるチャンスを有している企業であるということです。それには次の 2 つの根拠が挙げられます。

・ボッシュほどグローバルに事業展開している自動車機器サプライヤーはほかにありません。私たちは目標通り、さらに国際的な拠点展開を進めていきます。

・ボッシュはこの革新路線を継続していきます。クリーンで安全なドライビングを目指して。ボッシュはこれまでと同様、今後も多数の革新的で有益な製品群を開発し、すべてのプロセスにおけるコスト効率の追求に向けて努力します。

このフランクフルト国際モーターショーの会場、第 8 ホールでボッシュの新製品をご覧いただくことができます。スローガン「Invented for life」のもと、モータリーゼーションの魅力を高めるボッシュの革新のソリューションをぜひ発見してください。


このプレスリリースは2005年9月13日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
原文をご覧下さい。