経営情報/自動車機器テクノロジー Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)

International Automotive Press Briefing/Boxberg:
ボッシュのテクノロジーで、世界中の車がより安全、
クリーン、経済的に
ボッシュが描く未来像 - 低排出ガスで事故のない
ドライビング

  • 研究開発における主要な先行投資が奏功
  • 厳しさを増す環境規制から、より高効率な車両走行技術と排ガス処理技術への需要が世界的に増加
  • セーフティ・システムのネットワーク化により、事故や負傷を低減
  • ボッシュは2010年までに低価格車用装備の売上高が約10億ユーロにのぼると予測

シュトゥットガルト発 - ボッシュ・グループは、より安全でクリーン、そして経済的な車両に対する世界的な需要が高まっていくことが、自社の自動車機器テクノロジーのビジネスに利益をもたらすと予測しています。
「排ガスを格段に低減する一方で、安全性を確実に高める幅広い製品群を、私たちは提供しています。このことは今後、当社の国際的な事業展開をさらに後押しする強力な力となるでしょう。」ボッシュ取締役 自動車機器テクノロジー統括部門長のベルント・ボア(Dr. Bernd Bohr)はドイツのボクスベルクで開かれた『第58回International Automotive Press Briefing』でこのように述べました。
研究開発への継続的で大規模な先行投資が、大きな成果を上げつつあります。
「私たちは、顧客ニーズにまさに合致した技術分野で、活発な活動を展開しています。私たちの革新的な先進技術は、未来の自動車を形作るうえでの多くの重要な分野において、中心的な役割を果たすポジションへと私たちを押し上げています」とボアは説明しました。

世界35カ国から350名を超えるジャーナリストが出席した『International Automotive Press Briefing』では、駆動システムと排ガス処理システム、セーフティ&コンフォートシステム、急成長中の低価格車市場向け製品コンセプトなどに焦点が当てられました。
「革新的なシステムを提供する独立系グローバル・サプライヤーである私たちは、すべての顧客との強固なパートナーシップのもと、環境負荷を低減し安全性を高める統合技術を開発することができる理想的な態勢にあり、またそれらの革新技術を実際に車両に搭載し(onboard)、走行させて(onto the road)います。私たちのコーポレート・スローガン「Invented for life - 独創をみんなのものに」は、このようなボッシュの企業ミッションを表すものです。」とボアは話しました。

自動車の未来へ、大規模な先行投資

イノベーション、技術革新の追及を、ボッシュは伝統的に経営の優先順位のトップにあげてきました。実際に、2006 年度における研究開発のための支出額は、自動車機器テクノロジーセクターだけでも27億ユーロを超えています。これは、2006年度の同セクターの売上高272億ユーロの約10%に相当する金額です。この割合は、自動車産業界の平均をはるかに超えています。2007年度における研究開発費も同セクターの売上高の約10%を予定しています。先行投資のほぼ半分は、地球の資源と環境を保護するための技術開発に投じられています。
「私たちの長期的な目標は、道路交通によって排出されるCO2を着実に低減していくことです。だからこそ私たちは、たとえばバイオ燃料に適合した燃料噴射システムの開発や、燃料電池技術やバッテリーマネジメントを支援する車両駆動コンセプトの研究を続けているのです。これらは取り組みのごく一部にすぎません。」

これに関連してボアは、自動車機器サプライヤーが担っている、これらの技術開発に伴う先行投資が増加の一途をたどっていることを強調しました。
「サプライヤーと自動車メーカー、この双方が、互いを技術革新のパートナーであると認識しなければならないと思います。このようなパートナーシップには、長期的な視点はもちろん重要ですが、開発コストの見返りが遠い未来まで戻ってこないという事態は回避しなければならないことを理解していただく必要があります。」
自動車機器テクノロジー事業における2007年度の売上高の成長率は、為替調整後の数字で4%とボッシュは予測しています。自動車機器テクノロジーセクターの売上高はボッシュ・グループ全体の売上高の約62%を占めており、25カ国120拠点に約16万人の従業員を擁し、全世界の50の研究開発センターで約19,000人のエンジニアが働いています。

低価格で高成長 – 低価格車向けの新製品

成長を牽引している地域のトップは、アジアの新興市場です。この地域における自動車生産台数は、今後8年間に毎年平均6%成長すると予測されています。対照的に、従来からの自動車製造地域である北米や西ヨーロッパを見てみると、成長予測はわずか1%に過ぎません。 「私たちはこのような自動車産業の構造転換に適応していかなければなりません。先進国においては革新技術によってあらゆる成長のチャンスをつかんでいき、同時に、新興成長市場においてはすでに早い段階から実施している投資-特に製造と開発の分野における投資をさらに強化していきます」とボアは述べました。ボッシュはこの経営戦略のための強固な基盤をすでに築いています。
「私たちはすでに中国で、年間で700万個を超えるガソリンインジェクタと100万個以上のガソリンポンプを生産しています。」 Bosch China Investment Ltd.(ボッシュ・中国)社長のペーター・パン(Peter Pang)はこのように説明します。低価格車セグメントの急速な成長にも、ボッシュは焦点を当てています。2014 年まで、市場価格が7,000ユーロ以下の乗用車の販売台数は年率にして5%ずつ増加する見込みです。これは他のクラスの車両の成長率の2倍以上に相当します。

「低価格車にボッシュの製品と技術が装備されることで、2010年の売上高は10億ユーロに達すると予測しています」 とボアは強調しました。この金額は、このセグメントにおけるマーケットシェアの約25%に相当します。「こういった競争の激しい成長市場に参入しようと考えるサプライヤーは、新技術の導入と価格の適合という問題を同時にクリアしなければなりません。」ガソリン・システム事業部長のヴォルフ・ヘニング・シャイダー(Wolf-Henning Scheider)はこのように述べました。シャイダーはバリュー・モトロニック(Value Motoronic)を例にとって、この点を説明しました。きわめて最初の段階から、この新しいガソリンエンジン用コントロールユニットのプラットフォームの開発および製造コストは最小限に抑えられました。その結果、この低価格車両向けという新しい市場セグメントへボッシュが進出するメリットは2つになったのです。「私たちは競争力のある製品を手にすることができ、さらにこのプロセスによって得たノウハウを他の車両用の製品開発に応用することができます。」

効率的な駆動システムによって、費用を節約し環境を保護する

ボッシュは、国際的に環境規制が強化されることはさらなる成長の推進力となり、よりクリーンで経済的な技術への需要はさらに高まると予測しています。「ボッシュのエンジニアは、地球上の三大地域すべてに適したソリューションを現地で開発しています」とボアは述べます。ディーゼルエンジンを例にとってみましょう。アジアの新興成長市場における排ガス規制はさらに強化されつつあります。そして、これらの国々で排ガス規制をクリアするためには、電子制御式燃料噴射システムの採用が不可欠なのです。その結果として、インドと中国におけるボッシュのコモンレールシステムの生産は、2007年には両国でそれぞれ10万個が計画され、さらに2010年までに各130万個が販売される見込みです。
ボッシュは米国においてもディーゼル乗用車が躍進を遂げるための技術的な条件をクリアしました。ボッシュの尿素水溶液(AdBlue)噴射システム「DENOXTRONIC」によって、ディーゼルエンジンは早ければ2008年には米国の厳しい排ガス規制 US07 BIN5 をクリアすることができます。「その環境適合性と費用効率の高さから、クリーン・ディーゼルは今や米国で最も注目されています」 と Robert Bosch Corporation(ボッシュ・米国)のディーゼルシステム事業部営業部長クリストファー・クアルタース(Christopher Qualters) は述べています。
ボッシュは現在、ヨーロッパ、アメリカ、アジアの自動車メーカーと米国市場向けディーゼル・プロジェクトを進行中です。また、CO2排出規制の強化に後押しされて、ヨーロッパでもディーゼルのマーケットシェア拡大が予測されます。直接燃料噴射式の最新のディーゼルエンジンは、筒内噴射式のガソリンエンジンと比べると、燃料消費は少なくとも30%、CO2排出は約25%低減されます。「ボッシュはディーゼルエンジンマネジメントの開発を継続します。それによってすでに非常に経済性の高いディーゼルエンジンのCO2排出量を、さらに最大で10%削減することができます。」ボッシュのディーゼル・システム事業部のエンジニアリング担当エグゼクティブヴァイスプレジデントのロルフ・レオンハルト(Dr. Rolf Leonhard)はこのように説明しました。

これと同時にボッシュは、ガソリンエンジンの最適化にも注力しています。ボッシュの第2世代のガソリン直接燃料噴射システムとターボチャージャーを組み合わせることによって、エンジンのダウンサイジングが可能になります。この「ダウンサイジング」によって、同じ性能の筒内噴射式に比べ、エンジン排気量とCO2排出量が15%低減されます。2007年、ボッシュは約90万個のガソリン直接燃料噴射システムを供給する予定です。2010年までにこの数字は200万個を超えると予測しています。
ボッシュはまた、ハイブリッドにも将来性があると考えています。ハイブリッドとは、内燃機関と電気モータの組み合わせです。「私たちはガソリン・ハイブリッドとディーゼル・ハイブリッドの両方を受注しています」「私たちの開発がいかに多彩であるかは、南北アメリカ市場で重視されている天然ガス駆動用コンポーネントおよびエタノール用フレックスフューエルエンジンマネジメントシステムにおける先進技術をみれば明らかです。」(ボア)

センシティブ・カー – 安全性をさらに高めるためのテクノロジー

クリーンで経済的な駆動システムを開発するとともに、ボッシュはドライビングをより安全で快適な洗練されたものにするための技術にも焦点を当てています。「ボッシュの最先端セーフティ・システムは、交通密度が上昇していく中で事故率を抑制するための重要なツールです」 とボアは述べました。たとえば、NHTSA (米国高速道路交通安全局)は2011年以降、米国のすべての新規登録乗用車に エレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC) の装備を義務づける計画です。「その結果、ボッシュの米国における ESC の年間売上台数は2010年までに現在の3倍の300万個に上るでしょう。」同様の法律を2012年までに制定することが、現在、European Union (欧州連合)でも議論されています。

アンチロック・ブレーキシステム (ABS)、トラクション・コントロール・システム(TCS)、エレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)といったアクティブ・セーフティ システムは、すでに市場に深く浸透しており、車両の事故回避に力を発揮しています。ドライバーアシスタンスシステムは、このようなアクティブ・セーフティシステムのひとつです。「私たちは、センシティブ・カー(感知する車)の開発を全速力で進めています。センサときわめて高性能な電子制御システムによって、自動車は周辺状況をすべて瞬時に把握することができるようになります。」オートモーティブ・エレクトロニクス事業部営業担当エグゼクティブヴァイスプレジデントのライナー・カレンバッハ(Dr. Rainer Kallenbach)はこのように述べました。
「車両は周辺状況を感知し、そこから判断することを学習します。車の『目』はカメラであり、『感じるもの』は超音波センサとレーダーセンサです。さらに車は、人工衛星またはナビゲーションシステムからの地図情報と位置情報を使って自分の位置を確認します。こうしてドライバーアシスタンスシステムは自身の運転状況を理解するのです」 とカレンバッハは続けました。

今後数年間で、ボッシュは段階的に新しいドライバーアシスタンスシステムを量産していきます。「これらのセーフティ・システムとコンフォート・システムをネットワーク化することによってシステム相互の情報交換が可能になり、これによって新しい機能が実現できます。たとえば、衝突予知緊急ブレーキや、パーキングスペース誘導にシステムが巧みにハンドルを操作するパーキングアシストなどがそうです。『事故のないドライビング』という目標を達成するためにボッシュが開発している主力製品のひとつに、レーザーセンサとビデオセンサの組み合わせがあります。「この方法を利用した、衝突予知緊急ブレーキ(Predictive Emergency Braking)機能が事故を低減します。」(カレンバッハ) このシステムの市場導入は2009年を予定しています。さらに、画像感知・処理能力の高いカメラシステムが2010年までに導入されるでしょう。

また、乗員保護セーフティ機能についても開発が進んでいます。 2008年末から量産開始予定の「ポール衝突早期検出システム(Early Pole Crash Detection)」は、車両が横滑りして側面衝突した場合、エアバッグとシートベルトプリテンショナーが迅速かつ正確に作動するよう働きます。「二次衝突緩和システム(Secondary Collision Mitigation)」は、エアバッグコントロールユニットとそのセンサからの信号によって ESC を制御します。「その目的は、多くの事故で最初の衝突の後に起こる二次衝突を回避することです。」オートモーティブ・エレクトロニクス事業部乗員保護製品部開発部長のミヒャエル・ストルガーワ(Michael Strugala)はこのように述べました。このシステムの市場導入は2009年以降を予定しています。


このプレスリリースは2007年06月12日に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。>