経営情報 Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)

ドイツ政府と産業界が次世代技術を推進
薄膜太陽電池による低コストのソーラー発電

  • ドイツ政府と民間産業は有機光起電力の研究開発に、合計最大3億6,000万ユーロを投資
  • BASF とボッシュは、有機太陽電池の製造会社 Heliatek 社に出資
  • 幅広い用途が期待される薄幕太陽電池

ドイツ連邦共和国教育研究省(Bundesministeriums für Bildung und Forschung=BMBF)のテクノロジー・イニシアティブ発足会員である BASF とボッシュは、革新技術である有機光起電力(organic photovoltaics=OPV)の分野で協力していくことになりました。フランクフルトアムマインの新証券取引所で開催されたイベントにおいて、ドイツ政府と産業界のパートナーは、太陽電池の製造コストの大幅な低減とその応用エリアの拡大を目的とした新技術の研究開発への投資に関する誓約を交わしました。
光起電力システムモジュールの世界市場規模は昨2006年で約80億ユーロですが、このセグメントは2020年までに毎年20%以上の成長が見込まれています。非常に将来有望なこの市場を開拓するための研究開発に、ドイツ教育研究省は6,000万ユーロを、テクノロジー・イニシアティブの民間会員である BASF、ボッシュ、Merck (ダルムシュタット)、Schott (マインツ)等で最大3億ユーロの支出を計画しています。
「有機光起電力技術の発展を推進するこのイニシアティブ(発議)は、私たちがもつ個々の強みをいかに結集して新技術の研究開発に投下するかという見本といえます。このハイテク戦略は、産業立地としてのドイツの競争力を強化することにあります。」
新しいイニシアティブの発足に際し、ドイツ連邦共和国研究大臣の Dr. アネッテ・シャヴァン(Dr. Annette Schavan)はこのように述べました。

有機光起電力とは、有機半導体を用いた有機薄膜太陽電池によって、太陽光から光電力(ソーラー・エネルギー)をつくる次世代技術のことです。研究開発の目的は、新素材、新しい生産プロセスや技術の採用によって、有機太陽電池による光エネルギーの利用効率を高め、長期的にコストを低減することです。将来的に、低コストで幅広い用途が期待される有機薄膜太陽電池が実用化すれば、現在普及しているシリコンを原材料とした単純積層型太陽電池の代替となると有望視されています。新しい技術は、持続可能なエネルギー生成のソリューションのひとつである太陽熱発電のエネルギー効率向上の道を開くものです。

有機太陽電池は、クリアホルダー並みの薄さのシート状で曲げることができ、軽量、色の調整も可能なため、携帯電話充電器や自動車のルーフなどに使用することができます。有機太陽電池の応用範囲は2015年以降には建設業界にも拡大し、シート状の薄膜の形状のため、屋根、窓、建物正面などへの設置が容易になることが期待されます。

Heliatek 社への資本参加

新技術をさらに発展させるため、BASF とボッシュは Heliatek GmbH (本社ドイツ/ドレスデン)の特別研究活動への協力も行います。BASF Venture Capital GmbH とロバート・ボッシュ GmbH はそれぞれ160万ユーロを2006年に設立されたこの新興企業に出資します。その他に、Wellington Partners と High-Tech Gründerfonds (官民設立投資基金: http://www.high-tech-gruenderfonds.de/en/index.html)も投資を行います。Heliatek 社は新世代の有機太陽電池の製造分野におけるスペシャリストです。この会社は、ロールツーロール製法によって、低価格で可曲性のある基盤の上に大面積のモジュール(光電変換層)を搭載するための、非常に効率的なテクノロジーの開発に取り組んでいます。

BASF は、熱安定性および光熱安定性の高い有機半導体の研究を進めています。その目的は、太陽光線を吸収して電気エネルギーに変換するという、今日シリコンが果たしている機能をそれらの素材で代替することです。革新システムの開発の初期段階における、この素材選択は、最終製品の基本的性質を決定する鍵となります。BASF は、有機エレクトロニクス分野と有機化合物の設計、合成、製造分野における幅広いノウハウによってこのプロジェクトに貢献しています。
「BASF とボッシュは、早い段階から幅広い分野におよび緊密な協力関係を築いています。相互協力により、製品開発に必要な条件をより迅速に整えることができる上、世界的な競争優位性を獲得することが可能となります。」BASF 取締役会メンバーで研究担当役員の Dr. Stefan Marcinowski はこのように述べています。「有機光起電力の技術開発には、当社の重点成長分野であるエネルギー管理とナノテクノロジーにおける戦略の一貫として、焦点が当てられています。」

エネルギーを自給自足する「家」

新たに発足したイニシアティブの一員として、ボッシュ・グループは工業生産に関する問題に取り組んでいきます。
「私たちは有機光起電力によって太陽発電を一般消費者の手に届く価格にしたいと考えています。」
ボッシュ取締役会副会長で研究開発・先進エンジニアリング担当のジークフリード・ダイス(Siegfried Dais)はこのように述べました。そのためには効率的に量産することが不可欠であり、ボッシュはこれに適したプロセスを開発します。
「それと同時に、今回の研究開発を『エネルギーを自給自足する家』という私たちのビジョンに近づくための良い機会と捉えています。」
ボッシュはこの分野ですでに先端を歩んでいます。再生可能エネルギーを生成するさまざまなテクノロジーを多数導入しており、その中にはソーラー温水システム、風力発電基地用ギアユニット、ヒートポンプ、植物油や木材を燃料とするガスレンジなどがあります。

研究者たちは、10%以上少ない入射光線でも発電可能で、耐用年数が20年以上の有機太陽電池を開発したいと考えています。昨2006年、ルートヴィヒスハーフェンに開所した BASF の「ジョイントベンチャーラボ – 有機エレクトロニクス(JIL)」は、産業界と学術界のパートナーの協力の場として機能しています。JIL に集まった各専門分野のエキスパートたちは、有機光起電力と同じく有機半導体をベースにした有機発光ダイオード(OLED) の研究を行っています。

BASF

BASF (ビーエーエスエフ)は「ザ・ケミカル・カンパニー(The Chemical Company)」を標語に掲げる世界の化学業界のリーディングカンパニーです。BASF の製品群は、化学品、プラスチック、高機能製品、農業・栄養関連製品、精製化学製品から、原油や天然ガスに至るまで多岐にわたります。あらゆる業界のパートナーとして信頼されている BASF は、高度なソリューションと高品質な製品によって、顧客のさらなる成功をサポートしています。BASF は、新技術の開発を通して未来の課題に取り組むとともに、新たな市場を切り開いています。また、経済的な成功、環境保護、および社会的責任を果たすことで、より良い未来に貢献しています。従業員数は約9 万5,000 人、2006 年度には526 億ユーロの売上高を計上しました。BASF の株式はフランクフルト(BAS)、ロンドン(BFA)、ニューヨーク(BF)、チューリッヒ(AN)の各株式市場において取引されています。

BASF ウェブサイト: www.basf.com


このプレスリリースは2007年06月27日に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。>