経営情報/自動車機器テクノロジー Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)

技術解説:
ボッシュの横滑り防止装置 ESC (エレクトロニック・
スタビリティ・コントロール)

  • ESC は車両の危険な横滑りを防止し、事故を未然に防ぎます
  • ESC は車両事故を大幅に低減します
  • ESC は ABS と TCS の機能を単に統合しただけでなく、車両が不安定な動きになる兆候を感知し、あらゆる運転状況で瞬時にブレーキを制御します

ESC は、事故につながる危険な兆候を未然に察知し、あらゆる運転状況でドライバーを効果的にサポートします。ESC は、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)とトランクション・コントロール・システム(TCS)の両機能を統合し、さらに発展させたシステムです。このシステムは、車両が横滑りを起こすとそれを検知しアクティブにブレーキを制御します。これにより走行安全性が大幅に向上します。世界各地で実施された調査結果では、死傷を伴う重大な車両単独事故の発生確率が ESC によって大きく引き下げられることが示されています。(車両単独事故とは、他の道路利用者が関与しない事故のことをいいます。)

ABS と TCS は車両の走行速度変更を効果的にサポートします。ABS は減速を、TCS は加速をアシストします。それに加えて ESC は、車両の横方向の動きを制御する際にもドライバーをサポートします。システムは、ハンドル操作の角度からドライバーが意図する進行方向を認識します。各ホイールに取り付けたスピードセンサではホイール速度を測定し、同時に、ヨーレートセンサで垂直軸まわりの車両の回転と横方向加速度を測定します。得られたデータから、コントロールユニットが車両の現在の動きを計算し、1 秒間に 25 回の割合でドライバーが希望する方向と比較します。比較結果が一致しない場合、ドライバーの操作を待つことなく直ちにシステムが作動します。車両の安定性回復のため個々のホイールに制動力を働かせます。それだけでは十分でない場合はエンジンパワーを引き下げます。その結果生じる回転運動により(物理法則の限界内で)横滑り動作が打ち消され、車両は何事もなかったかのようにドライバーが意図する走行コースを維持します。

ESC の効果は日本、ドイツ、スウェーデン、フランスおよび米国で実施された科学的調査により実証されました。これらの調査結果で、ESC の装備により、乗用車の単独死亡事故を 30~50 %減らせることが認められています。SUV になると事故防止効果はさらに高く、50~70 %に達します。

メルセデス・ベンツ社の協力を得て、ボッシュは ESC を他社に先駆けて量産化し、1995 年には ESC がメルセデス S クラスに世界で初めて採用されました。以来、システムの洗練度が磨かれるとともに、追加機能が取り入れられました。たとえば、坂道発進アシスト、トレーラー牽引時の蛇行防止、ワゴン車の横転防止などです。こうしたさまざまな機能の登場を背景に、ESC 製品のファミリー化が行われています。この製品ファミリーの中で最も進んだバージョンは ESP®premium です。この製品は、ほとんど音を立てることなく、非常に快適に、しかも極めて高速にブレーキ圧を形成します。ボッシュは、ESC にビークル・ダイナミクス・マネジメント(VDM)のソフトウェア機能を取り入れることにより、ステアリングとシャシーシステムをネットワーク化したシステム の開発に成功しました。これによって、車両の安全性と俊敏性を向上する新しい機能実現への道が開かれるでしょう。


このプレスリリースは2007年12月に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。>