自動車機器テクノロジー Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)

歩行者にとっての安全性を向上
ブレーキアシストシステムで制動距離を大幅に短縮

  • 急ブレーキ時にブレーキアシストシステムでブレーキ圧を上げ、制動距離を短縮
  • 欧州委員会が 2009 年以降のブレーキアシストシステムの標準装備化を勧告
  • 既存の ESC 装備車両のほとんどがブレーキアシスト機能を利用可能

危険を伴う状況に遭遇するとドライバーは、車両を停止させるためとっさにブレーキを踏みますが、踏み込みが足りず、貴重な制動距離をロスすることが少なくありません。そのような場合にドライバーを支援するのがブレーキアシストシステムです。急ブレーキ時に、一瞬のうちに最大の制動力を発生し、車両を素早く停止します。欧州委員会によれば、すべての車両にこのシステムが装備されれば、欧州連合(EU)域内では、歩行者を巻き添えにした死亡事故を年間で最高1,100件減らすことができると推定されます。そのため欧州委員会はこのほど、2009年以降に EU で新規登録されるすべての乗用車について、ブレーキアシストシステムの装備を義務化することを勧告しました。ボッシュはこの機能を車両に取り入れるための、費用対効果の高い各種技術ソリューションを自動車メーカーに提供しています。

ドイツの交通事故調査データベース(GIDAS)に保存された事故例の評価から、すべての事故の半数近くでドライバーのブレーキの踏み込み力が不十分だったという結果が出ています。調査によると、時速100kmで走行中に、平均的なドライバーが急ブレーキを踏んだ場合の制動距離は、ブレーキアシストの装備により約7.6m短縮できます。時速50kmの場合の短縮効果は0.7mです。言い換えると、ブレーキアシスト機能を装備していない車両がまだ時速45kmまたは時速10kmで走行し続けているときに、ブレーキアシストを装備した車両はすでに停止しているということです。ブレーキの踏み込みが不十分でも、安全性が確保されます。このことは、公式の事故統計から明らかです。ドイツ連邦統計局の事故統計から無作為抽出した事例をもとに、新車1万台あたりの重大歩行者事故の割合を分析したメルセデス・ベンツ社の調査では、ブレーキアシストが標準装備されれば、重大歩行者事故を13%減らせる可能性があることが示されています。

エレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)装備車であれば、追加コンポーネントを装備することなく、ブレーキアシスト機能を実現できます。ブレーキペダルの踏み込み速度から、急ブレーキかどうかの状況が検知されます。ESC の油圧ポンプにより、素早く最大のブレーキ圧が発生されます。ソフトウェアの調整により、このいわゆる油圧ブレーキアシスト(HBA)の働きを実際の走行状況に適合させ、インテリジェント化することも可能です。たとえば、ACC (アダプティブ・クルーズ・コントロール)システムのレーダーデータから先行車両への追突の危険が検知された場合に、ブレーキアシストの作動開始値を引き下げることができます。
「つまり、ESC 装備車は二つの場面において安全性を提供することになるのです。」
ボッシュのシャシー・システム・コントロール事業部の事業部長Dr. ヴェルナー・ストゥルス(Dr. Werner Struth)はこのように前置きし、
「ひとつは ESC の横滑り防止機能があらゆる危機的状況においてドライバーをサポートします。その上、ESC のブレーキアシスト機能が歩行者にとっての危険を著しく低減します」と述べました。

ESC を装備していない車両用に、ボッシュはブレーキブースターに組み込む機械式ソリューションを提供しています。ブレーキペダルの踏み込み速度が一定の限界値を超えると、いわゆる「エマージェンシー・バルブ・アシスト(EVA)」の慣性力制御のバルブが直ちに開き、ブレーキブースターの作動チャンバーに周囲の空気が流入します。これにより瞬時に、ABS の作動点に達するまで、制動力が増加されます。ドライバーがブレーキペダルから足を離すと、増加分はキャンセルされます。


このプレスリリースは2008年3月に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。>