経営情報 Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)

スマートセンサで
ボッシュ・チームが『ドイツ未来賞』を受賞
ホルスト・ケーラー、ドイツ連邦共和国大統領が最先端技術を称賛

  • スマートセンサでより高い安全性と環境保護、健康管理と快適性を実現
  • ボッシュ・チームがマイクロ・マシニング(シリコン表面微細加工技術)の新市場を開拓

ベルリン/シュトゥットガルト発: 2008年12月3日、ベルリンにおいて、ホルスト・ケーラー ドイツ連邦共和国大統領より『ドイツ未来賞2008(German innovation and advanced technology prize)』が授与されました。この栄えある賞を獲得したのは、ジリ・マレク(Dr. Jiri Marek, Bosch)、ミヒャエル・オッフェンベルグ(Dr. Michael Offenberg, Bosch)、フランク・メルツァー(Dr. Frank Melzer, Bosch Sensortec GmbH)から構成された Bosch グループの研究&エンジニアリングチームです。
彼らは、小型でコスト効率が高く、パワフルでエネルギー効率の高いセンサを製造するための条件となるマイクロ・マシニングに不可欠なキープロセスを開発しました。さらに、この技術を量産ラインで使用できる段階にまで高めることによって、マイクロメカニカルセンサの世界市場を開拓し、ボッシュをこの市場におけるリーディング・サプライヤーへと押し上げました。
『ドイツ未来賞』は、優れた研究に基づいて卓越したプロジェクトや先進の製品・技術を市場に送り出し、雇用を創出・確保してドイツの生活水準を高めた研究者やエンジニアに対し、大統領より授与されるものです。

「大統領からこのようなすばらしい賞をいただき、非常に誇りに思います。この受賞はまた、この事業分野への進出を成功させるために一緒に働いてきた私たちのすべての従業員の功績が認められたことでもあり、彼らのモチベーションはさらに高まることでしょう。」
ロバート・ボッシュ GmbH 取締役会副会長のジークフリード・ダイス(Dr. Siegfried Dais)はこのように述べました。
「研究者やエンジニアに対して、このようなすばらしい受賞の基盤として必要なクリエイティブでチャレンジングな環境を提供できることを、私たちは大変うれしく思います。」

コスト効率の高いセンサがさらなる安全性を実現

車両が横滑りを検知すると、車両の進行方向を保つように制御する。ノートパソコンが床に落ちたときに、衝撃による破損が生じないようハードディスクを保護する。携帯電話から緊急電話がかかってきた時に、救急隊員を電話の持ち主の居場所まで確実にガイドする。
これらはすべて、テクノロジーによって周囲を感知できる、センサという「電子の感覚器官」の働きによるものです。センサは、さらなるインテリジェンス(知能)の進化が要求される電子システムにとって不可欠な要素であり、まさに Bosch のコーポレート・スローガンである“Invented for life(独創を、みんなのものに)”を体現しています。

このような進化のために重要な条件とは、センサが極めて小型化され、よりパワフルになり、それと同時に、製造コストも消費エネルギーも低減されることです。
マレク、オッフェンベルグ、メルツァーの3人は、テクノロジーの進化のための道を開きました。彼らは、センサをシリコンチップ上に作る、つまり表面を微細加工する新しい生産プロセスを開発し、自動車および消費財の分野において新たな市場を開拓しました。これは MEMS センサ(MEMS=micro-electro-mechanical systems、メムス)の量産を実現するための飛躍的な進歩でした。

基本的に、シリコン微細加工は最新の半導体技術から派生したものです。マイクロエレクトロニクスと他のキープロセスを組み合わせて、機械機能を持った極小の可動コンポーネントを製造します。たとえば、これらのセンサは圧力や加速度を正確に測定したり、インクジェットプリンターの印刷ヘッドが紙面に鮮明に印字するようにしたり、心拍状態と併せ患者の体の動きをモニターしたりします。
これまでは、主に「バルク・マイクロマシニング」プロセスで製造されていました。したがって、経済的にも技術的にも、自動車や生産設備のような比較的、大型の装置にしか使うことができませんでした。センサを民生機器に大量生産するには、複雑すぎる上にサイズも大きすぎ、消費電力も高すぎたのです。

費用効率の高いセンサの鍵となるマイクロ・マシニング技術

研究、開発、製造の各部門から集められた Bosch チームは、シリコン表面のマイクロ・マシニング・プロセスを使って複雑なセンサコンポーネントを作り出しました。構造やコンポーネントは、シリコンウエハの表面に堆積加工されています。他のプロセスと比較して、ポリシリコンレイヤーは格段に厚く形成されます。チームが開発した新しいプロセスによって、ポリシリコン層内に垂直壁構造を作成し、可動マスや振動スプリング、精密な真空構造を作ることができます。加えて、センサと電子回路を組み合わせ、必要なスペースが最小限で済む極薄シールで覆い、これらのエレメントを周辺微粒子から保護します。
これらすべてはミクロンのレベル、人間の毛髪よりもはるかに細い構造の上で行われ、必要なコストは複雑なセンサシステムでも数ユーロにすぎません。

このような微細化における進歩は、これらのセンサを民生品向けに応用するという新しい分野を開拓しました。Bosch の BMA150 加速度センサは、携帯電話機の動作や傾きを感知し、自動的にディスプレイ表示を縦横切り替えをします。また、ノートパソコンに内蔵されたセンサが、本体の落下を検知して、地面に落ちる前にハードディスクをデータ消失の危険から保護します。ナビゲーションシステムに使用される MEMS 圧力センサは高さ25 cm まで測定精度を有するため、正確なオリエンテーションが可能となり、携帯型ナビゲーションは建物の中でも、また自動緊急通話システムにも使用できます。MEMS センサの民生品への応用には他にも、時計に組み込まれた気象計や高度計、シューズやスポーツウェアに内蔵されたトレーニングモニターセンサ、携帯電話用の“直感的”ユーザーインターフェース、そっと触れたり位置を変えたりしただけで反応するリモコン装置やゲーム機などがあります。

センサの年産は2億個

Bosch は現在、年産2億個を超える MEMS センサを製造しており、生産開始以来、累計10億個に達しています。これによって Bosch は、他の追随を許さない世界 No.1 の MEMS センサメーカーとなっています。Bosch ではこの分野に約2,000人の従業員が従事しています。生産台数が伸びるにつれ、センサ内の電子式信号処理用半導体スイッチの需要も伸びています。
そのため Bosch は、ドイツのロイトリンゲンに新しい半導体製造設備を建設中です。この新設備では8インチウエハ半導体を製造し、800人の雇用が新たに創出される予定です。この増築計画に Bosch は、単独投資としては最大の6億ユーロを投じます。

民生品向け MEMS センサはさらなる開拓の余地のある新しい市場であることから、2005年には子会社 Bosch Sensortec GmbH が設立され、現在50人を超える従業員が働いています。
MEMS センサ市場は、特に民生品の分野で力強い成長を続けています。 MEMS センサを使用して電子機器の機能をさらにユーザーフレンドリーにするため、世界中で電子工学エンジニアが努力を続けています。

さらに詳しい情報は以下で入手できます: http://www.deutscher-zukunftspreis.de/


このプレスリリースは2008年12月3日に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。>