経営情報 Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)
新事業年度は好調なスタート
ボッシュは経済危機の2009年を乗り越え、大幅な回復を予想
フェーレンバッハ:2010年は再び収益を黒字に
- アジア・太平洋地域で需要が急増
- 2010年には再生可能エネルギーの著しい成長を予測
- 厳しい条件下でも革新重視の方向性を堅持
シュトゥットガルト発:ボッシュ・グループは新事業年度を好調にスタートし、2009年度に減少した売上高の大部分を今年度中にも取り戻す見込みです。
「2010年は再び黒字収益に戻したいと考えています」と、ボッシュ取締役会長フランツ・フェーレンバッハはシュトゥットガルトで開催した年次報告記者会見でこのように述べました。
すでに全地域で回復が実感され、特に中国とインドの市場が大きくけん引しています。今年度の第1四半期では、ボッシュ・グループの売上高は前年比約25%増を達成しました。ただ2009年の同時期はちょうど危機の年の底に当たっており、2007年水準との比較ではまだ大きく下回っています。
本事業年度全体の売上高は10%以上増加し、420億ユーロになると予測しています。特にヨーロッパ以外の地域における自動車需要の回復によって、自動車機器テクノロジーセクターがこの成長に大きく貢献するとも見込まれていますが、「この回復を当然のことだと考えてはいけません。この経済危機によって、ボッシュの生産性は悪化してしまいました。そのために今、未来に向けての確固たる方針を定め、必要な構造改革を一貫して進めていくことが重要なのです」と、フェーレンバッハは警告しました。
健全な財務基盤を確保
昨年の世界的経済危機は、ボッシュ・グループの事業発展にも影響を与えました。売上高は15%減少し、382億ユーロに留まり、税引前利益(EBT)はマイナス12億ユーロと数十年来で初の赤字でした。前年の2008年は9億4000万ユーロの黒字です。赤字の主要原因としては、売上高の大幅減のほかに、構造改革のための多額の引当金と予定外の減価償却が挙げられます。
徹底したコスト節約対策と流動性の確保により、ボッシュ・グループは経済危機の2009年も引き続き確かな財務基盤を築くことができました。すべての資本支出(設備投資)と企業買収費も現行事業から資金を調達しました。自己資本比率は変わらず49%、財務状態は約5億ユーロのプラスで、引き続き健全な財政状況を示しています。
核となる従業員の雇用を確保
ほぼ全市場で売上は大幅に下落していたにもかかわらず、ボッシュ・グループは核となる従業員の雇用維持を目標にしました。「そうすることで、ボッシュ・グループ従業員の持つノウハウと高い専門能力を今後の成長のために投入することができます」とフェーレンバッハは強調しました。
従業員数は約11,000人(4%)減少し、全体で約270,000人になりました。これには子会社等の売却整理などによるものも含まれます。一方、トレーニーの数は現状を維持しました。
経済危機の2009年でも、ボッシュは全世界で6,500人の若者を受け入れ、若年者の職業教育に貢献しました。この人数は私たちが必要とする人数をはるかに超えるものです。今年は全世界で約3,700人の大卒者を採用しました。主な内訳はドイツ国内で500人、インドと中国で各々1,000人以上です。
世界市場の困難な状況は、とりわけ自動車機器テクノロジーセクターで2009年第 1四半期に影響が顕著となり、売上高は2008年の3分の2まで減少しました。その後の回復速度は緩やかで、この急落を埋め合わせるまでには至りませんでした。特に大きな影響を受けたのはディーゼル・システム事業部で、商用車市場の需要急減と並んで乗用車の小型化傾向が拍車をかける形となりました。小型車セグメントではディーゼル車の割合が非常に少ないためで、全体の売上高は217億ユーロで、前年比18%減となりました。その結果、自動車機器テクノロジーセクターの支払い金利前税前利益(EBIT)はマイナス約5億ユーロとなりました。
景気回復は自動車機器テクノロジーセクターで格段に進んでいます。その原動力はやはりアジアであり、自動車機器テクノロジーセクターの昨年度売上高の25%はこの市場が占めています。ヨーロッパと北米市場の最近の成長も期待はできますが、経済危機前の2007年の水準まで売上高が戻るのは2012年になるであろうと予測しています。
経済危機の影響を最も強く受けたのは産業機器テクノロジーセクターでした。このセクターでは、2009年第3四半期が経済不況による底で、総売上高は24%減少し51億ユーロでした。相応して EBIT も11億ユーロの大幅な赤字という残念な結果となりました。ドライブ&コントロールの事業が大きく落ち込んだことが主な要因としてあげられます。機械製造業全体と同様、新規受注数が減っただけでなく、受注済みの分までキャンセルになりました。秋ごろからはその状態も落ち着きを見せていますが、現段階の予測では、はっきり回復が見られるのは早くても2010年下半期になってからという見込みです。これとは対照的に包装機の損失は軽微でした。太陽光発電の分野では、2009年下半期に取引が大幅に活発化しましたが、上半期の売上減と、太陽電池の価格暴落をカバーすることはできませんでした。
消費財・建築関連テクノロジーセクターでは、全体的に困難な経済状況だったにもかかわらず緩やかな落ち込みで、売上高5%減の113億ユーロでした。サーモ・テクノロジー事業部と住宅機器は安定して売上を伸ばしていましたが、電動工具事業、特にプロ用電動工具は一般的な景気動向に影響を受けました。セキュリティ・システム事業では、特に最終製品事業が重荷となりました。しかし消費財・建築関連テクノロジーセクター全体では EBIT が4億4000万ユーロとなり、困難な2009年を黒字でしめくくることができました。今年度はさらに格段の成長が見込まれています。
安定をもたらした幅広い地域展開
ボッシュ・グループがすべての重要な市場に国際的に展開していることが、特に経済危機の2009年に効果を発揮しました。
アジア・太平洋地域の回復が、早い段階でボッシュに利益をもたらしています。ボッシュ・グループはこの地域で初めて総売上高約20%増を達成しました。インドはもちろんのこと、外国市場としては米国に次いで世界で2番目に重要となった中国が、特に大きなけん引力となっています。総体的にはアジア・太平洋地域の総売上高は前年比2%減(現地通貨換算で6%減)となりました。その主な要因は日本の緩慢な成長にあります。ボッシュはアジアでの展開をさらに進める予定で、今年は上海とシンガポールに新本部ビルがオープンします。
2009年下半期にはヨーロッパと北中南米でも回復が見られたものの、これらの地域では上半期の落ち込みをカバーすることができませんでした。従ってヨーロッパにおける売上高は前年比20%減(現地通貨換算で18%減)となりました。それに比べて他の地域では、本年度は総じてそれほど高いプラス成長は見込まれないものの、中部および東部ヨーロッパで上昇に転じると予測され、ヨーロッパ地域はボッシュ・グループの基幹市場となっています。この地域への投資の一例としては、ロイトリンゲンの新半導体工場やアルンシュタットの太陽電池工場拡張が挙げられます。今年操業を開始する予定のこれら2つの工場だけでも、総投資額は10億ユーロを超えています。
北米では、2008年売上高の大幅な下落後、2009年の売上高は11%減(為替調整後は13%減)となりました。非常に厳しい状況ではありましたが、必要な構造改革は実施することができたので、今後期待される大幅な回復を前に万全の準備が整えられています。
南米における2009事業年度は、売上高16%減(現地通貨換算では13%減)となりました。この地域でも2010年は回復が見込まれており、利益も大きく増加するとみています。
技術革新力を強化
昨年のような厳しい状況下でも、ボッシュ・グループは明らかに技術革新に注力した活動を続けました。そのために投じた研究開発費も36億ユーロと高いレベルを保っています(2008年は39億ユーロ)。約3,800件という特許出願件数を1営業日当たりで換算すると、毎日15件の発明が出願されたことになります。
全世界で研究開発に携わる従業員数も増加しており、特にアジア地域での新規雇用もあって約1,000人増加し、現在は合計33,000人を数えています。
今年市場に導入する予定の革新的な製品としては、世界最小のモーターサイクル用 ABS やパラレル技術を使用した初のストロングハイブリッドなどが挙げられます。
「私たちは電気によるモビリティや再生可能エネルギーの開拓のために多額の先行投資を行っています」とフェーレンバッハは述べ、自動車機器テクノロジーに始まり、サーモ・テクノロジーから産業機器テクノロジーに至るすべての分野で、エネルギー効率をさらに向上するようなシステムの構築に努める、とつけ加えました。
研究開発への投資には、ボッシュ・グループの環境志向をさらに強化するという狙いも含まれています。今日すでに研究開発費の約45%が、環境と資源を保護するための製品開発に投じられ、このような製品はすでに総売上高の3分の1を占めるまでになっています。「私たちには大きなチャンスがあると同時に、大きな責任も負っています。」フェーレンバッハはこのように述べました。
フェーレンバッハはガソリン/ディーゼルエンジンの燃費をさらに30%も低減することができることを挙げ、「私たちはコペンハーゲン気候変動会議の新たな結果を待つ代わりに、自分たちでできることから始めます」と強調しました。
再生可能エネルギー関連製品事業は、その重要性をさらに増しています。この分野における2010年の売上高は、15億ユーロを目標としています。経済危機の2009年でさえ、この分野の事業では10億ユーロ弱の売上高を達成しました。
広報担当窓口:
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ボッシュ・グループ概要 The Bosch Group at a Glance
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財・建築関連テクノロジーの3つのセクターから成るボッシュの2009年度の売上高は約382億ユーロ、従業員数は27万人以上です。
ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHおよびその子会社 300社超と、世界の60カ国以上にあるドイツ国外の現地法人で構成されています。販売、サービス代理店のネットワークを加えると、ボッシュは世界の約150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、私たちのさらなる成長の基盤です。ボッシュは毎年、研究開発費として36億ユーロ以上を投資しており、全世界で3,800件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。
ボッシュはすべての製品とサービスにおいて革新的で有益なソリューションを提供することによって、人々の生活の質(Quality of Life)を向上させ、循環型の持続的環境社会(Sustainable society)の創出に寄与していきます。
ボッシュの起源は、1886 年に創業者ロバート・ボッシュ (1861~1942)が設立した「精密機械と電気技術作業場」に遡ります。ロバート・ボッシュGmbHの独自の株主構造は、ボッシュ・グループの財務上の独立性と企業としての自立性を保証するものです。「株主(利益配当)」と「経営(議決権)」が完全に分離した、この企業形態によって、ボッシュは長期的な視野に立った経営を行い、将来の成長を確保する重要な先行投資を積極的に行うことができるのです。
ロバート・ボッシュGmbHの株式の大半は非営利組織である公益法人「ロバート・ボッシュ財団」(持株比率92%、議決権なし)が保有しています。議決権の大半は、株主の事業機能実行機関である共同経営者会「ロバート・ボッシュ工業信託合資会社」(議決権 93%)が保有しています。残りの株式と議決権は創業家であるボッシュ家(持株比率 7%、議決権 7%)とロバート・ボッシュGmbH(持株比率1%、議決権なし)が保有しています。
ボッシュの主要データ 2009/2008/2007
| 単位:100万ユーロ | 2009 | 2008 | 2007 |
|---|---|---|---|
| 総売上高 | 38 174 (4,975,271 百万円) |
45 127 (6,874,005 百万円) |
46 320 (7,467,006 百万円) |
| 前年比(%) | -15 | -2.6 | 6.0 |
| ドイツ国外の対売上高比(%) | 76 | 74 | 75 |
| セクター別売上高 | |||
| 自動車機器テクノロジー 前年比(%) |
21 716 (2,830,277 百万円) -18 |
26 475 (4,032,825 百万円) -6.9 |
28 449 (4,586,115 百万円) 4.5 |
| 産業機器テクノロジー 前年比(%) |
5 105 (665,341 百万円) -24 |
6 733 (1,025,609 百万円) 13 |
5 967 (961,909 百万円) 9.4 |
| 消費財・建築関連テクノロジー 前年比(%) |
11 331 (1,476,785 百万円) -4.8 |
11 897 (1,812,219 百万円) 1.4 |
11 733 (1,891,254 百万円) 6.5 |
| 主要地域の売上高 | |||
| ヨーロッパ 前年比(%) |
23 831 (3,105,928 百万円) -20 |
29 720 (4,527,122 百万円) -1.9 |
30 289 (4,882,732 百万円) 6.2 |
| 内ドイツ国内 前年比(%) |
9 325 (1,215,340 百万円) -21 |
11 747 (1,789,370 百万円) 1.3 |
11 595 (1,869,169 百万円) 2.3 |
| アメリカ 前年比(%) |
6 661 (868,137 百万円) -12 |
7 557 (1,151,125 百万円) -10 |
8 421 (1,357,505 百万円) 0.8 |
| アジア・太平洋地域 (残りの地域も含む) 前年比(%) |
7 682 (1,001,205 百万円) -2.1 |
7 850 (1,195,757 百万円) 3.2 |
7 610 (1,226,768 百万円) -12 |
| EBIT (支払い金利前税前利益) |
-1 151 (-150,011 百万円) |
1 515 (230,773 百万円) |
3 170 (511,019 百万円) |
| 税引前利益 対売上高比(%) |
-1 197 (-156,006 百万円) -3.1 |
942 (143,490 百万円) 2.1 |
3 801 (612,739 百万円) 8.2 |
| 税引後利益 対売上高比(%) |
-1 214 (-158,222 百万円) -3.2 |
372 (56,665 百万円) 0.8 |
2 850 (459,433 百万円) 6.2 |
| 繰越利益剰余金 | 67 (8,732 百万円) |
75 (11,424 百万円) |
72 (11,606 百万円) |
| 研究開発費 | 3 603 (469,584 百万円) |
3 889 (592,394 百万円) |
3 583 (577,596 百万円) |
| 対売上高比(%) | 9.4 | 8.6 | 7.7 |
| 前年比(%) | -7.4 | 8.5 | 7.0 |
| 資本支出(設備投資) | 1 892 (246,587 百万円) |
3 276 (499,019 百万円) |
2 634 (424,613 百万円) |
| 対売上高比(%) | 5.0 | 7.3 | 5.7 |
| 前年比(%) | -42.2 | 24.4 | -1.3 |
| 減価償却費 | 2 374 (309,406 百万円) |
2 410 (367,105 百万円) |
2 428 (391,405 百万円) |
| 前年比(%) | -1.5 | -0.7 | 5.2 |
| 自己資本 | 23 069 (3,006,615 百万円) |
23 009 (3,504,863 百万円) |
24 825 (4,001,909 百万円) |
| 自己資本比率 | 49 | 49 | 51 |
| 従業員数 (翌年度の1月1日現在) 前年比(%) |
270 687 -3.9 |
281 717 3.9 |
271 265 3.8 |
| ヨーロッパ 前年比(%) |
183 440 -3.2 |
189 433 2.4 |
185 024 2.5 |
| 内ドイツ国内 前年比(%) |
111 710 -2.3 |
114 360 1.8 |
112 300 1.6 |
| アメリカ 前年比(%) |
31 709 -14.4 |
37 032 -4.5 |
38 782 1.0 |
| アジア・太平洋地域 (残りの地域も含む) 前年比(%) |
55 538 0.5 |
55 252 16.4 |
47 459 11.8 |
換算レート:
2009年ボッシュ年間平均レート: 130.33142円=1ユーロ
2008年ボッシュ年間平均レート: 152.32578円=1ユーロ
2007年ボッシュ年間平均レート: 161.2048円=1ユーロ
(百万円未満切り捨て)
このプレスリリースは2010年4月21日に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。

