自動車機器テクノロジー Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)

SB リモーティブのリチウムイオン技術
次世代の自動車用電池
コスト、エネルギー密度、安全性に重点

  • 2011年に電池の大規模な量産開始
  • 世界3大経済圏において650名の従業員が業務に従事
  • 開発・製造能力をさらに拡大
  • ドイツのシュトゥットガルトで電池システムを開発

将来、リチウムイオン電池がハイブリッド車と電気自動車のエネルギー蓄電媒体になっていくという考え方には、大半のカーメーカーとサプライヤーが合意しています。リチウムイオン技術を搭載した電池には、大いなる発展の可能性が秘められているのです。
「自動車業界はリチウムイオン技術に大きな期待を寄せています。SB リモーティブのエンジニアたちは開発のスピードを速めて、刻々と目標に近づきつつあります」と、ボッシュとサムスン SDI の合弁会社、SB リモーティブ取締役副社長ヨアヒム・フェッツァー(Dr. Joachim Fetzer)はのべました。

SB リモーティブの電池を最初に採用したカーメーカーは、ビー・エム・ダブリュー(BMW)で、電気自動車である BMW メガシティビークルに搭載されることになっています。また SB リモーティブは、電気自動車コンセプト・アクティブE向けの電池も供給します。2011年には BMW が、電気自動車用試験車両の製造を開始する予定です。
「他にも多くのカーメーカーと、ハイブリッド車と電気自動車向け電池の供給について、期待の持てる商談が進行中です」と、フェッツァーは続けて話しました。

課題はバッテリーのコスト

リチウムイオン電池の開発には、5つの重要なポイントがあります。コスト、エネルギー密度、出力密度、安全性、そして耐用年数です。消費者市場で電気自動車が成功するかどうかは、車両価格に大きく左右されるのですが、電池はそのコンポーネントの中でも最も高価なものです。SB リモーティブでは2015年までに1 kW/hあたりの価格を350ユーロにすることを目指しています。容量が35キロワットのバッテリーでは約1万2,000ユーロになります。2015年以降は生産数量が増加する予定であるため、スケールメリットによってさらに価格が低下します。
「リチウムイオン電池パックの年間生産能力が5万個から10万個のメーカーであれば、生産能力が50万個のメーカーよりも1個当たりの開発コスト負担分が500ユーロ高くなります」と、フェッツァーはこのようにものべました。

航続距離は成功の要

電気自動車成功のもう1つのカギを握っているのは、電池のエネルギー密度に大きく左右される航続距離です。顧客の要求は、航続距離200 kmです。この要求を満たすため、エンジニアはエネルギー密度を倍増させることを目指しています。
「エネルギーと出力密度の増大に関しては、セル内で使用する化学物質の改善が重要です」とフェッツァーは話します。エネルギー密度を改善すれば、リチウムイオン電池の重量もサイズも軽減できます。航続距離100 km~150 kmの最先端の自動車用リチウムイオン電池は、現段階ではフォルクスワーゲンのゴルフのトランクルームとほぼ同じサイズです。つまり、35 kW/hの容量を持つ電池は、容積が約350リッター、重量が約350 kgにもなります。

決定的な要因は耐用年数と安全性

電池の耐用年数は、車の耐用年数と同等でなければなりません。ハイブリッド車では、電池への充電サイクルは100万回を超えます。これはブレーキエネルギー回生のために、モータモードとジェネレーターモードの間で頻繁に切り替えが行われるためです。電気自動車用の電池に関しては、SB リモーティブは走行距離150 km~200 kmで1回充電し、合計走行距離は約30万kmで、1,500回から2,000回の完全充電サイクルを目指しています。耐用年数が10年超なので、バッテリーは元の容量の80%を下回らない限り、メンテナンスフリーのコンポーネントになります。
電池の安全性についても、自動車業界の高い期待に応える必要があります。この場合、本質的に安全性の高い材料が重要な役割を果たします。例えばシャットダウンセパレータなどがそうです。シャットダウンセパレータは温度が高くなりすぎると、セル内部の電流を遮断します。
電池パックにとっては、セルのモニタリングが重要となります。電池マネジメントシステムは常に電流、電圧、温度、充電レベルを記録、制御し、電池の過充電や過熱を防止します。また高度なサーマルマネージメントシステムは、電池が常に理想的で安全な温度範囲にあるよう管理します。作動温度を約35℃~40℃という一定の温度に保つことは、電池が常に機能できるということを意味します。低温状態では出力が低下し、高温状態では耐用年数が短くなります。

全世界650名の従業員が国際ネットワークでつながる

SB リモーティブは2008年9月、ボッシュとサムスン SDI の合弁で設立されました。2013年までに2社は、この折半出資会社に対して約5億ユーロを投資する予定です。2008年設立時の SB リモーティブの従業員数は140名でした。現在では、約650名の従業員が世界3大経済圏で業務に携わっています。韓国の器興(本社およびセル開発・バリデーション部門)と蔚山(製造工場)には、360名の専門家が勤務しています。生産拠点である蔚山には、たった12か月で電池の製造設備を建設しました。2010年からプレ量産プロジェクトとして、リチウムイオン電池の製造が開始されます。大規模な量産開始は2011年からになります。ドイツにある SB リモーティブの子会社では約100名の従業員が本社のあるシュトゥットガルト-フォイヤバッハで働いています。ここでは電池パックとシステムの開発、プロトタイプの作成が行われています。このドイツの拠点から、SB リモーティブは営業、マーケティング、キーアカウント管理のグローバルチームを構成しています。

SB リモーティブは2009年米国企業のコバシスを、オリオン(ミシガン州)とスプリングボロ(オハイオ州)の2拠点と共に買収しました。現在コバシスは、買収される前から行っていたニッケル水素電池の製造と並行し、顧客のリチウムイオン電池システムの開発も支援しています。
蔚山の製造工場での目標は、今後数年間でリチウムイオン電池製造部門において1,000名の雇用を創出することです。SB リモーティブは2012年までに電池の年間生産能力を60万kW/h以上(電気自動車約2万台分)に拡大することを目指しています。
「次に大口受注が成立したら、欧州あるいは米国で電池のセルとパックの生産能力を拡大します。どちらを拡大するになるかについては新規顧客の拠点がどこにあるかによります」と、フェッツァーは述べました。

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広報担当窓口:

Robert Bosch GmbH
Michael P. Mack
Phone: +49 (0)711 811-6282
Email: michael.mack3@bosch.com

SB LiMotive Co. Ltd.
Kyuwon Jung
Phone: +82 (0)31 210-8064
Email: Kyuwon.jung@sblimotive.com

SB リモーティブについて

SB リモーティブはサムスン SDI とボッシュによる合弁会社で、2008年9月に設立されました。拠点は器興および蔚山(韓国)、シュトゥットガルト(ドイツ)、オリオンおよびスプリングボロ(米国)にあり、従業員数は約650人です。SBリモーティブはハイブリッド車および電気自動車用のリチウムイオンバッテリー開発と製造を目指しています。

詳細は www.sblimotive.com をご覧ください。


このプレスリリースは2010年7月に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。>