経営情報 Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)

2012事業年度の決算速報値
世界経済の冷え込みでボッシュ・グループの成長ペースが鈍化
2013年は収益力、成長力、機動力を重視

  • 売上高は1.6 %増の523億ユーロ
  • 支払い金利前税前利益(EBIT)は減損により売上高の約2 %
  • 収益力アップを目指す対策を導入
  • 戦略的アプローチを再確認

シュトゥットガルト - 世界経済の冷え込みにより、ボッシュ・グループの成長ペースはやや鈍化しました。テクノロジーとサービスの世界的サプライヤーであるボッシュの2012年の売上高の速報値は、1.6 %増の523億ユーロとなっています。伸び悩む売上高と、難航する太陽光発電事業を含む約10億ユーロの損失により、収支状況は大きな影響を受けました。支払い金利前税前利益(EBIT)も、速報値では売上高の約2 %に留まっています。
「売上高は若干増加し、フリー・キャッシュフローもプラスとなってはいますが、2012事業年度の業績は満足できるものではありません」(フォルクマル・デナー取締役会会長)。そのため、2013年には収益力のアップが優先課題となります。もちろん、未来の事業分野への投資もおろそかにすることはできません。

ほぼ全事業部において事業活動に陰り

世界経済の失速によって、ボッシュ・グループの全事業セクターが影響を受けました。自動車機器テクノロジー・セクターでは、多くの事業部がプラスの成長を遂げました。特にガソリン直接噴射システムの事業は好調で、50 %の伸びを記録しました。それに対してディーゼル・システム事業部は、売上高が大きく落ち込みました。これは、ヨーロッパ市場での低迷と、中国における商用車事業の伸び悩みに起因したものです。
産業機器テクノロジー・セクターは、機械製造の低迷に加え、太陽光発電技術でさらに価格が40 %下落したことから、大きな影響を受けました。この分野ほど危機的状況を示していない製薬・食品産業向けの包装機器事業では、やや回復の兆しを見せています。消費財・建築関連テクノロジー・セクターでは、南ヨーロッパの困難な経済情勢が特にサーモ・テクノロジー事業と住宅機器事業に重くのしかかりました。

世界の各地域で異なる動向

速報値を地域別に見たところ、ヨーロッパの厳しい状況が浮き彫りとなっています。ヨーロッパでは、売上高は前年比で2 %低下しました。北米の事業は17 %増の成長を示したものの、南米の売上高は前年比で16 %低下しました。さらに、アジア太平洋では成長率が5 %という控えめな数字となりました。

従業員数は売上高の伸びに比例して増加

2012年は従業員数の増加に若干歯止めがかかり、売上高の伸びに見合ったものとなりました。2013年1月現在、ボッシュ・グループの世界の従業員数はわずかに1 %強の増加にとどまり、30万6,000人となりました。ドイツ国内の従業員数はほぼ変わらず、約11万9,000人となっています。

控え目な成長が見込まれる2013年

ボッシュは現時点で2013年の世界のGDPの伸びを2.8 %と予測しています。ただ、2013年は大きなリスクを内包しているとも考えています。特に、ヨーロッパの公的債務危機はこの予測には織り込まれていないからです。ボッシュ・グループでは、こうした予測に基づき、2013年には前年比で売上高が若干増加すると見込んでいますが、大きな伸びは期待できないと見込んでいます。

収益力アップを目指す広範な対策

収益力をアップさせるための短期的な対策として、固定費を低減させ、経済環境の変動にいっそうきめ細かく対応していくために、ボッシュは広範な対策を講じており、資本支出、企業買収、設備投資などについては厳格な上限を導入しました。ただ、今後数年間は、ボッシュにとってコア市場となるヨーロッパでは緩やかな経済成長しか見込まれないため、ボッシュのヨーロッパの組織は見直していく必要があります。さらに、需要の一時的な落ち込みに対しても、可能な限りフレキシブルに対応できるようにしていかなくてはなりません。そこで、2012年12月に連合職場評議会との間で、不況克服を目指すための合意がなされました。これは、労働時間短縮の法的な計画に頼らず、最大20 %の売上高の落ち込みをフレキシブルかつ段階的に吸収していくためのベースとなります。太陽光発電事業の戦略的な再編成については、合理的な解決策を導き出せるよう、考えられるすべての解決策を比較検討しています。

戦略的アプローチを再確認

世界的な潮流という観点から見ると、エネルギー効率、環境・資源保護、安全性や快適性などの問題に取り組んでいるボッシュの地位は基本的に揺るがないと考えています。昨年は、数多くの新しい製品、サービスや事業モデルが導入されました。たとえば、ドライバー向けのドライブログ・ポータル、機械ステイタスのモニタリング、ウェブベースのセキュリティ・ソリューションなどです。また、ボッシュは2012年に多様な製品で成功を収めました。具体的には、ボイスコントロール・ナビゲーションシステムからeBike、初めてビットシリンダーを内蔵したコードレスドライバーやガソリン燃料直接噴射システムなどです。ボッシュはここ数年の研究開発費が売上高の8 %を超えており、世界トップレベルの研究開発会社であり続けてきました。その証しとして、環境・資源保護のためのテクノロジーと製品は研究開発費の45 %以上、売上高の40 %以上に達しています。「モビリティ・建築・工業セグメントにおいて、化石燃料の効果的な保護への積極的な取り組みが正しい路線であることは間違いありません。これは特に、地球温暖化の予測やCO2に関する世界的な問題に当てはまります」(デナー)。同時に、ボッシュはアジアでもその存在感をいっそう強めつつあります。たとえばボッシュは昨年、中国のeスクーター市場に参入し、現地のサプライヤーと合弁会社を立ち上げました。さらに、各市場に見合った製品に特に焦点を絞るために、ボッシュは中国、インド、ベトナムでのエンジニアリング業務を増やしていく予定です。

革新力という強みと魅力的なソリューションを生み出すためにネットワークを強化

よりダイナミックに展開するであろうビジネス環境を踏まえ、ボッシュは市場の動向を注視し、新しい動向をできるだけ早く察知し、迅速に対応していきたいと考えています。「顧客の要望をしっかり把握してこそ、私たちは革新的・魅力的なソリューションを生み出すことができるのです」(デナー)。こうしたニーズに対応できるよう、ボッシュは組織構造の改革も進めています。2013年1月初旬に、ボッシュは4つ目の事業セクターとして、エネルギー・建設関連テクノロジー・セクターを立ち上げました。このセクターには、セキュリティ・システム、サーモ・テクノロジー、ソーラー・エネルギーの各事業部の活動に加え、2011年に設立された子会社であるBosch Energy and Building Solutionsも含まれます。複数の分野にまたがる協力、そしてネットワーク化をいっそう緊密に図ることで、新しい事業の可能性が生まれると考えています。このことは、最近設立された部署であるユーザー・エクスペリエンスが目指す目標でもあります。このユーザー・エクスペリエンスのチームは、エンジニア、コンピューターエキスパート、心理学者、ユーザーインターフェースデザイナー、プロトタイプのスペシャリスト、工業デザイナーで構成され、各事業部がユーザー志向の製品を設計できるよう活動していきます。

さらなる機動力を発揮するためにリーダーシップと協力体制を見直し

機動力と決断力を高めるためには、リーダーシップと協力体制を見直す必要があります。そのためにボッシュは、従業員にいっそうの関与を促した上で意見を募り、変革のイニシアティブに参加してほしいと願っています。魅力的な労働条件とキャリア形成の機会を提供することで、個々の能力と適性を活かし、ボッシュのもつ革新力という強みと競争力を高めるために貢献してもらいたいと考えています。リーダーシップ、スペシャリストとプロジェクト・キャリア・パスは、新しいポジションへの移行や個人の資質を発展させるために多くの可能性を拓きます。将来的には、より多くのバーチャルプロジェクトチームが、ハイレベルなイニシアティブと創造的自由を駆使して職務にあたっていくことになります。この点を考慮し、ボッシュはEnterprise 2.0下で既存のイントラネットを使いながら、社内のソーシャルメディア活動の拡充を進めています。また、すでに約5,000人の従業員がソーシャル・メディア・ツールを使用し、26のパイロット変革イニシアティブプロジェクトに参加しています。

広報担当窓口:
Dr. Christoph Zemelka, Phone +49 711 811-6854
Dr. Ingo Rapold, Phone +49 711 811-48905
René Ziegler, Phone +49 711 811-7639

ボッシュ・グループ概要 The Bosch Group at a Glance

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーで、自動車機器テクノロジー、エネルギー・建築関連テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財テクノロジーの4つの事業エリアで活動をしています。
速報値では2012年度の従業員数は30万6000人以上、売上高は523億ユーロを計上しています。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社 約350社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売、サービス代理店のネットワークを加えると、世界約 150カ国で事業展開していることになります。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、ボッシュのさらなる成長の基盤となっています。
なおボッシュでは2012年に約45億ユーロにもおよぶ金額を研究開発に投じ、さらに全世界で4,700件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。
ボッシュ・グループの製品とサービスは、革新的で有益そして魅力的なソリューションを提供することを通して、人々の生活の質(Quality of Life)を向上することを目的としています。この方針に基づきボッシュは全世界においてテクノロジーを提供しています。それこそが”Invented for life”です。

ボッシュの起源は、1886 年に創業者ロバート・ボッシュ (1861~1942)がシュトゥットガルトに設立した「精密機械と電気技術作業場」に遡ります。ロバート・ボッシュGmbHの独自の株主構造は、ボッ シュ・グループの財務上の独立性と企業としての自立性を保証するものです。「株主(利益配当)」と「経営(議決権)」が完全に分離した、この企業形態に よって、ボッシュは長期的な視野に立った経営を行い、将来の成長を確保する重要な先行投資を積極的に行うことができるのです。
ロバート・ボッシュGmbHの株式の大半は非営利組織である公益法人「ロバート・ボッシュ財団」(持株比率92%、議決権なし)が保有しています。議決権 の大半は、株主の事業機能実行機関である共同経営者会「ロバート・ボッシュ工業信託合資会社」(議決権 93%)が保有しています。残りの株式と議決権は創業家であるボッシュ家(持株比率 7%、議決権 7%)とロバート・ボッシュGmbH(持株比率1%、議決権なし)が保有しています。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)
を参照してください。