自動車機器テクノロジー Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)

オープンソースプラットフォームのアプリケーション:
車内にインターネットの世界を広げるボッシュ
GMの新しいインフォテインメントシステム向けの会話音声入力機能

  • オープンソースオペレーティングシステムを搭載した世界初のボッシュ・ドライバーインフォメーションシステム
  • エンターテイメント、ナビゲーション、通信、操作機能を1つの電子ユニットに統合するCUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)
  • Mobile Linux:車内アプリケーション用にカスタマイズ
  • 最新のノートパソコンやスマートフォンと同じくアプリをプレインストール

アプリは、最新のスマートフォンやタブレットPCをより面白くする存在です。「アプリ」とはアプリケーションの略で、人々が外出中にインターネットで情報をやり取りし、コミュニケーションを図るための便利なソフトウェアパッケージで、その数は数えきれないほどあります。スマートフォンが登場して以来、すでに何千ものアプリケーションが世界中で開発されており、無料か低料金で簡単にインターネットからダウンロードできるようになっています。

この小さくて手軽なサポートツールは、これまでアップルやアンドロイド端末にのみ搭載されていましたが、ボッシュは今後、この特別な世界を自動車のドライバーにも提供したいと考えています。ボッシュのカー・マルチメディア事業部長を務めるUwe Thomasはこう述べます。「自動車のドライバーは、ボッシュがゼネラル・モーターズ(GM)向けに開発した新しいヘッドユニットを利用して、車内の特別な環境に最適な方法でインターネットに接続できるようになります」。この新技術のベースにあるのは、自動車業界の世界最大のサプライヤーであるボッシュの自動車機器テクノロジーに関する幅広い経験です。「もう1つの目玉は、会話音声入力を使用して機器を簡単に操作できることです」(Thomas)。

エンターテイメント/情報/通信/操作用のセンターユニット

自動車のドライバーはGM車両内のヘッドユニットを使用して、オーディオ/ビデオシステム、USBまたはBluetooth®経由で接続されたさまざまなプレーヤー、スマートフォン、OnStarなどの特別な車両緊急通報システム、テレマティックスサービス、AM/FM/シリウスXM衛星ラジオ/DAB/Pandora®インターネットラジオによるラジオ受信、ビデオ駐車支援システム、車両ナビゲーションやエアコンディショニング機能を操作できます。つまり、車両内の考えられるすべてのインフォテインメント/操作システムがこれに含まれることになります。さらに、ヘッドユニットによって、異なるシステム間での相互通信が可能となります。その際、ドライバーの操作は一切必要ありません。この相互通信により、情報量が増加するとともに、利便性がアップし、ドライバーは多くの面倒な操作から解放されることになります。これは、ボッシュのエキスパートが「ドライビング・コンビニエンス」と呼んでいるものです。

ボッシュが車両のインターネット接続を可能に

「GMとボッシュは『CUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)』を通じて、車両インフォテインメントシステムの新しいベースを共同で作り上げ、量産体制を確立しました」(Thomas)。このCUEは、オープンソースオペレーティングシステムで動作する世界初のドライバーインフォメーションシステムです。これはMobile Linuxソフトウェアプラットフォームで、基本的に資格要件を満たしたソフトウェア開発者のアイデアをオープンに受け入れるドライバーインフォメーションシステムとなっています。そして目下、最新のタブレットPCやスマートフォンのユーザーに提供されているプログラムのように、無限に広がるプログラムの世界に導きます。

同時にボッシュは、サイクルの短い魅力的なアプリの世界と、安全性を重視するカー メーカーが必要とする長い製品ライフサイクルとの間にある隔たりを縮めたいと考えています。「ボッシュのモバイルオープンソースプラットフォームは、信頼性の高い自動車機器テクノロジーと、かなり速いペースで進化するモバイル/マルチメディア通信ソフトウェアの世界をつなぐ架け橋になるでしょう」(Thomas)。これは、個々に変化するニーズに合わせて、今後はドライバーが車両の操作機能の多くをカスタマイズし、自動車の購入後もインフォテインメントシステムを「永久に最新の状態」に維持できることを意味しています。さらに、こうした状況はいずれ中古車購入者にとっても大きなメリットとなります。

また、カーメーカーもこれらの個別機能を活用することができます。出荷前、あるいはすでにディーラーに配車された場合でも、特定の顧客の要件を満たすために最新の更新ソフトウェアを直接車両システムに簡単にアップロードできるため、異なる市場ニーズに対応したり、重要なアップデートを読み込んだり、最新の改良を反映させたりすることができるのです。
ボッシュは、GMのさまざまな車両モデル向けのヘッドユニット、つまり中央操作装置の開発と供給を担っています。現時点では、北米市場に投入されるキャデラックXTS、SRXおよびATSの2013年モデルにこれが装備されることになっています。なお、このヘッドユニットはGMの全モデルレンジのプラットフォームに展開していく予定です。

CUEが各種のインフォテインメント機能を統合

CUEの操作コンセプトは、人とテクノロジーの繊細な相互作用に関して豊富な知識をもっているGMとボッシュの自動車関連ノウハウがベースとなっています。CUEは、ドライバーのストレスと負担を軽減し、情報や娯楽を提供するだけでなく、利便性を向上し、車両を運転するための実際の操作から注意をそらすことのないように設計されています。そしてドライバーは、タッチスクリーン、中央操作パネル、ステアリングホイールのリモートコントローラ、または会話音声入力を使用して、オーディオ、ビデオ、ナビゲーション、通信、あるいは車両の利便性向上テクノロジーに関係した各種機能を操作することになります。

このテクノロジーは、任意にプログラミングできるインストルメントクラスター、各種のカラーディスプレイやオーディオシステムを利用した音声出力を介してドライバーとのコミュニケーションを図っており、これらはすべてボッシュのヘッドユニットを使用して操作できます。プレミアムバージョンは3コアプロセッサで動作し、32 GBのフラッシュメモリと1 GBのRAMを装備しています。

言葉を発するだけでOK

会話音声入力は、新しいヘッドユニットに搭載された数多くの高度な機能のうちの1つです。これまでは、システムを操作するために、ドライバーが特定のコマンド文字列を記憶しなくてはなりませんでした。これに対してCUEは、ドライバーが助手席に座る誰かに話しかけるように発話したとしても、認識することができます。「David Smithさんのオフィスに電話」という言葉だけで、ヘッドユニットに実行すべきことが伝わります。しかも、David Smithの電話番号の検索、オフィスの番号の選択、番号を携帯電話に転送、ハンズフリー機能を有効にしてその番号にかける、といった一連の動作が数秒以内に行われます。CUE音声制御機能は、ドライバーがアメリカ英語でなく、ドイツ語はもちろん、方言を話す場合でも認識できるようになっています。

また、ドライバーがiPhoneに収録された5,000曲の中から特別な曲を再生したいと考えたとしましょう。これまでは、運転中に特定の曲を探すのは難しく、しかも危険な行為でもありました。しかしCUEがあれば、「ピンク・フロイドの『Dark Side of the Moon(邦題:狂気)』を再生」という言葉だけで、CUEがiPhone内にある曲を検索し、オーディオシステムをオンにして、車内にピンク・フロイドのサウンドを響かせることができるようになるのですから、これほど簡単なことはありません。

会話音声入力で、今までより操作が簡単に

こうした音声制御機能を通じて、ボッシュの開発担当者はドライバーの負担を著しく軽減することに成功しました。また、CUEはそのサービスを要求されない限り、不要な情報は提供しませんので、よりディスプレイに表示される情報が最小限に抑えられ、情報自体はスマートなデザインの後ろに整然と隠されているようになります。そして、誰かが手を操作パネルに近づけると、CUEは直ちに動き出します。その操作は信じられないほどシンプルで、スマートフォンやタブレットPCの操作方法を知っているドライバーなら誰でも、CUEのマルチタッチ操作画面を直観的に使用することができます。この画面は、押す、2本の指の間隔を広げる、軽くタッチする、などの指の動きによって操作できます。なお、こうした動作をエキスパートたちは、長押し、ドラッグ、タップ、フリック、スワイプ、ピンチイン/アウトなどと表現しています。そして、ドライバーのこれらの動作に対して、感知できる程度のフィードバックが操作ユニットからわずかな機械的衝撃によって返されます。

幅広いインターフェース

CUEは、外部装置やメディアとのさまざまな通信オプションに対応しています。Bluetooth 3.0およびUSBインターフェースを介して最大10個の並列接続が可能なだけでなく、iPod/iPhone接続、SDカードスロット、音声制御機能付きの携帯電話用Bluetooth接続、ノイズ抑制機能付きハンズフリー操作、ほぼすべての一般的なデジタルオーディオおよびビデオ形式の読み込み/分析/再生が可能となっています。ボッシュのカー・マルチメディア事業部のUwe Thomas事業部長は、この革新的技術について次のようにまとめます。「ボッシュのヘッドユニットとGMのCUE(キャデラック・ユーザー・エクスペリエンス)は、車内の通信/情報/操作のまったく新しい形態をドライバーに提供するものになるでしょう」

ボッシュ・グループ概要 The Bosch Group at a Glance

自動車機器テクノロジーセクターはボッシュ・グループ最大の事業セクターです。速報値では、2012年の売上高は 309 億ユーロで総売上高の約59%を占めています。自動車機器テクノロジーの売上により、ボッシュ・グループはリーディング・サプライヤーのポジションを確立しています。
全世界で約171,000人の自動車機器テクノロジーセクターの従業員が、内燃機関用噴射技術、パワーワトレイン周辺機器、 代替駆動コンセプト、アクティブ/パッシブセーフティシステム、ドライバーアシスタンス/コンフォート機能、車載情報通信システム、オートモーティブアフターマーケット向けのサービスや技術という7つの事業分野で働いています。
ボッシュ・グループは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)、ディーゼルシステム用コモンレールなどの重要な革新的自動車技術にも対応しています。

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーで、自動車機器テクノロジー、エネルギー・建築関連テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財テクノロジーの4つの事業エリアで活動をしています。
速報値では2012年度の従業員数は30万6000人以上、売上高は523億ユーロを計上しています。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社 約350社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売、サービス代理店のネットワークを加えると、世界約 150カ国で事業展開していることになります。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、ボッシュのさらなる成長の基盤となっています。
なおボッシュでは2012年に約45億ユーロにもおよぶ金額を研究開発に投じ、さらに全世界で4,700件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。
ボッシュ・グループの製品とサービスは、革新的で有益そして魅力的なソリューションを提供することを通して、人々の生活の質(Quality of Life)を向上することを目的としています。この方針に基づきボッシュは全世界においてテクノロジーを提供しています。それこそが“Invented for life”です。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)
を参照してください。


このプレスリリースは2013年2月4日に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。>