自動車機器テクノロジー Robert Bosch GmbH のプレスリリース(日本語訳)

ボッシュの新製品iBooster
インテリジェントな制御で制動力を増強
eモビリティとドライバーアシスタンスのための基本システム

  • ハイブリッド車と電気自動車において制動エネルギーのほとんどを回生し、走行可能距離を最大限延長
  • ブレーキ昇圧を3倍に速め、自動の緊急ブレーキ時の制動距離を短縮
  • ブレーキペダルの特性曲線はソフトウェアで調整可能で、ペダルフィールカスタムチューニングに対応

近年、乗用車のブレーキシステムは一段とパワフルになりました。安全性も、とりわけABSとESP®*の装備によって大幅に向上しました。他方、制動力を高める技術はこの間ほとんど手つかずで、従来からの負圧方式のアプローチがそのまま用いられてきました。さらに、制動エネルギーの回生は限られた範囲でしか実現されず、ドライバーがブレーキペダルに加えた踏力の倍力特性は、ワンパターンに限られていました。そうした状況の中、ボッシュはiBoosterを開発しました。この電動油圧式ブレーキブースターは、ドライバーがペダルを踏み込むと、状況に応じてそれを支援します。「iBoosterはハイブリッド車と電気自動車の効率を一段と高めるほか、制動距離の短縮により安全性を向上させます」ボッシュ・シャシーシステム・コントロール事業部長のGerhard Steigerはこのように述べています。正確に言うなら、iBoosterはブレーキシステム・コンポーネントを補完するモジュールの1つです。これらを組み合わせて、車両の構成に合った最適なブレーキシステムを実現することができます。iBoosterは2013年中に量産が始まり、3つのモデルへ搭載が予定されています。中期的に、数多くの車両に、従来のブレーキブースターに代わるものとして、iBoosterが搭載されると予想されます。

エネルギー回生を強化し、走行距離を延長

ハイブリッド車と電気自動車において、期待される走行距離と燃費効率を達成するには、できるだけ多くの制動エネルギーを回生し、電気エネルギーに変換することが必要です。モーターで電気に変換された分だけ車両の運動エネルギーが失われ、減速するようなシステムを実現できれば最高ですが、これはあくまでも理想論です。ともあれ、回生によって、貴重なエネルギーが失われるのを回避できます。ボッシュのiBoosterは、電気モーターだけで最大0.3Gの減速度を確保し、これにより従来のブレーキシステムでは制動時に失われてしまうエネルギーのほとんどを回収することができます。これは、日常的な条件下で一般的に行われるさまざまなブレーキ操作に対応して行われます。一方、ペダルを強く踏み込めば、iBoosterは回生のない従来の方法で、すなわちブレーキマスターシリンダーを使ってブレーキ圧を昇圧します。モーターとブレーキの協調的なこの相互作用にドライバーが気付くことはありません。ブレーキペダルから伝わる感触は従来とまったく変わらないからです。

iBoosterには、ブースターの働きを制御するためにモーターが組み込まれています。そして2段ギアユニットで、必要に応じて状況にふさわしい踏力の増幅を実現します。内燃機関で、または直接バキュームポンプで生成した負圧を恒常的に供給するという、コストのかかる従来からのソリューションは不要となります。これは燃費節減に直接貢献するだけでなく、渋滞時やコースティング時の一時的なエンジン停止を含むさまざまな燃費節減機能の包括的な活用に道を開きます。

より安全に、より快適に

この電動油圧式コンセプトには、他にも利点があります。衝突予知緊急ブレーキシステムが危険な状況を察知したとします。その場合、iBoosterは120ミリ秒の短時間で最大ブレーキ圧を自動形成します。従来のシステムの3倍の速度です。したがって、iBooster装備車では緊急時に従来型のシステムよりも早いタイミングでブレーキが作動します。iBoosterはまた、車両をゆるやかに停止させるという、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)の働きを肩代わりすることができます。それも快適かつ静粛に。静かな電気自動車では、車内において周囲の音がとても気になるので、このことは特に大きな魅力となってきます。

また、ブレーキ特性曲線を自由に定義できますので、自動車メーカーの開発担当者はペダルフィールを調整し、ブランド固有の希望に合わせてチューニングすることができます。スポーツ、コンフォート、エコノミーなど複数の走行モードを備えた車両の場合は、各モードに合わせて、ブレーキの効き方をソフトに、あるいはアグレッシブに設定できます。また状況依存サポートにも対応しており、たとえば、急ブレーキ時にこれを利用できます。

モジュラー式アプローチで最適なブレーキシステムの実現を可能に

iBoosterは、ブレーキシステム用モジュラーコンポーネントのひとつであり、ボッシュはこれらを組み合わせることで、あらゆる顧客、あらゆるモデルのニーズに沿った最適なブレーキシステムを、車両のサイズやパワートレイン、ドライバーアシスタンス機能の多寡などに関係なく、簡単に構築することができます。ブレーキブースターに関して、モジュラー・システムは、iBoosterと従来の負圧ベースソリューションの両方をサポートします。ブレーキコントロールシステムについては、標準的なESP®またはESP® hevを選択できます。ESP® hevとは、ハイブリッド車または電気自動車への使用を前提に設計された特殊仕様のESP®のことです。特にパワートレインに複数のタイプが用意される車両モデルの場合は、ボッシュのこのモジュラー式アプローチに対抗できる他社製品はこれまでのところ見当たりません。

自動車メーカーにとってフレキシビリティが向上

モデル数とパワートレインタイプの数が増えると、それに対応する基本技術は当然複雑化します。しかし、ボッシュのiBoosterはブレーキ特性曲線を自由にプログラミングできますので、さまざまな車両モデルに対応でき、なおかつそれぞれのモデルに独自の特性を持たせることができます。プログラミングは生産ラインの最後で迅速簡単に行うことができます。また、右ハンドル車か左ハンドル車かに応じて簡単に取り付けを変更することができます。ブースターユニット自体は純粋に電動式で、ブレーキフルードは含まれておらず、縦軸まわりに柔軟に回転させることができます。未来の乗用車の運転に対する配慮も織り込みずみです。ボッシュのESP®と組み合わせると、このシステムは自動運転において安全上の理由から要求される冗長レベルに対応したブレーキシステムを実現します。

* ESC(横滑り防止装置)のボッシュの製品名はESP®です。

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Stephan Kraus
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自動車機器テクノロジーセクターはボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2012年の売上高は 31.1 億ユーロで総売上高の約59%を占めています。自動車機器テクノロジーの売上により、ボッシュ・グループはリーディング・サプライヤーのポジションを確立しています。
全世界において約177,000人の自動車機器テクノロジーセクターの従業員が、内燃機関用噴射技術、代替駆動コンセプト、効率的そしてネットワーク化されたパワーワトレイン周辺機器、アクティブ/パッシブセーフティシステム、運転支援/コンフォート機能、ユーザーに優しいインフォテインメント技術やCar-to- CarおよびCar2Xコミュニケーションとコンセプト、オートモーティブアフターマーケット向けのサービスや技術という7つの事業分野で働いています。
ボッシュ・グループは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール)、ディーゼルシステム用コモンレールなどの重要な革新的自動車技術にも対応しています。

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。2012年度の従業員数は約30万6,000人、売上高は525億ユーロを計上しています。また2013年初めからは、自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財、エネルギー・建築関連テクノロジーの4事業セクター体制に移行しました。
ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社約360社、世界約50カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売、サービス代理店のネットワークを加えると、世界の約150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、ボッシュのさらなる成長の基盤です。
ボッシュでは2012年に約48億ユーロもの金額を研究開発に投じ、さらに全世界では4,800件以上の国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。私たちは革新的で有益なソリューションを提供し、そのすべての製品とサービスを通して、人々を魅了し、人々の生活の質を向上させることを目的にしています。この方針に基づき、ボッシュは全世界において人と社会に役立つ革新のテクノロジーを提供し続けていきます。それこそが「Invented for life」です。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)
を参照してください。