第41回 東京モーターショー 2009

第41回 東京モーターショー 2009

ボッシュ自動車機器テクノロジー
グローバル市場の変化に対応準備は万全

  • 経済不況がボッシュの業績にも影響
  • 景気低迷にも柔軟に対応
  • 日本のボッシュ従業員は7,500人
  • 日本はボッシュにとってドイツ国外最大の開発拠点

東京発:「今年の東京モーターショーは過渡期に開催されています」。自動車機器テクノロジー統括部門長であるベルント・ボア(Dr. Bernd Bohr)は、ボッシュプレス・ブリーフィングの冒頭でこのように述べました。長期的な成功を確実に手にするために、カーメーカーとサプライヤーは今後、成熟市場と新興市場の両方に重きを置いてバランスを取らなければなりません。2035年には、世界の乗用車生産台数は現在の倍になると見込んでいますが、新車の大多数はインドや中国に出回っていくのではないかと考えています。

新興市場にシフトしていくことで、カーメーカーとサプライヤーは構造の転換を迫られ、戦略の再構築が必要になってきます。車の小型、低価格化ニーズがそのひとつです。より一層の燃費低減と CO2 排出量の削減という点も重要性を増しています。さらには、石油埋蔵量の限界と燃料価格の高騰、各国政府機関の政策により、カーメーカーは自動車の電動化に向けての開発活動に力を入れていこうとしています。世界各国で車の走行台数が増加してきているため、今まで以上に乗員の安全性も重要になってきます。

構造転換に対応する準備は万全

グローバルに展開する自動車のリーディングサプライヤーとしてのボッシュは、今後の課題に対応するために十分に準備を整えています。現在世界市場は低迷期にあるものの、ボッシュはそのスローガンである「Invented for life」のとおりに、有用で革新的な技術を開発して市場に導入し続けます。

経済不況はボッシュの業績にも明確に表れています。2009年、ボッシュ・グループの売上高は15%減少し、約380億ユーロになると予測しています。自動車機器テクノロジーセクターでは、全世界の売上高減少は年度末でほぼ20%に達する見込みです。この状況は日本でも同様で、自動車機器テクノロジーセクターでの売上高は、前年比で約28%減となっています。ボッシュ・グループの従業員数は、日本で働く7,500人を含め、2009年末には全世界で27万人になると予測されています。また、自動車機器テクノロジーセクターの従業員数は全世界で16万人、そのうちの約6,300人は日本で働いています。

厳しい景気後退の後、安定化の兆し

ボアは、厳しい景気後退の後、自動車機器事業にとって状況は安定化しつつあると見ています。ここ数ヶ月、受注は上向きに転じ、新規の大型プロジェクトも複数獲得できています。しかしボアは、今回の経済不況以前の2007年の水準に戻るには2012年までかかると考えています。

このような困難な時期においてもボッシュは、企業としての独立性と財務的な安定性を保ち、長期的戦略を堅持し続けています。これはボッシュの経営理念であり、このおかげで、不況にもかかわらず、ボッシュは競争力を保ち続けることができるのです。「この経営理念によって、ボッシュは運転をより安全で、気軽なものに、そして環境に優しくて経済的なものにする革新的な技術を開発していくことができるのです」と、ボアは述べています。2009年、この経済不況下でも、自動車機器テクノロジーにおける研究開発への投資額は30億ユーロと高いレベルを維持しており、先進的プロジェクトの推進に投じています。

ボッシュのエンジニアは、引き続き内燃機関の改善に取り組んでおり、中期的に見て、ガソリンエンジンもディーゼルエンジンも燃費は30%低減することが可能となると考えています。特に、ディーゼルエンジンは手に入れやすく手ごろな価格のため、アジアの新興市場に大幅に普及し、特にインドで大きな成果を上げると見込んでいます。

「ボッシュは、ハイブリッド技術の分野にも注力しています」とボアは述べています。ハイブリッド技術は、特に日本の都市部のような、短距離でストップアンドゴーの多い走行に適しています。ボッシュのハイブリッドシステムは2010年に量産を開始し、ポルシェ・カイエンとフォルクスワーゲン・トゥアレグのハイブリッド車に搭載される予定です。また最近ボッシュは、プジョーシトロエン(PSA)と戦略的パートナーシップ契約を結び、ディーゼル・ハイブリッド車向けに電気モーターとパワーエレクトロニクスを開発、製造、供給することにもなりました。

2009年末までには、最大500人のボッシュ・エンジニアがハイブリッドと電気駆動技術の開発に従事する予定です。さらに、ボッシュとサムソン SDI の合弁会社である SB リモーティブでは、リチウムイオン電池技術を自動車に応用するための開発を行っています。SB リモーティブでは、約400人の従業員がハイブリッド車と電気自動車用リチウムイオン電池の開発に従事しています。

自動車用リチウムイオン電池の量産開始は2011年から

SB リモーティブは2011年にリチウムイオン電池の量産を開始し、この電池は BMW の「Megacity Vehicle」に搭載される予定です。BMW は SB リモーティブの最初の顧客です。「ボッシュは、現在、複数のカーメーカーとも非常に有望な商談を行っています」とボアは述べています。リチウムイオン電池を大規模に製造していくことで、SB リモーティブは今後増大するニーズに応えることができるだけでなく、スケールメリットの恩恵を受けることもできます。「2012年末には、リチウムイオン電池の生産能力は60万キロワット時以上になると見込んでいます」(ボア)。

個人のモビリティへのニーズが世界中で高まっている中、交通安全性もかなり重要性を増しています。依然として先進的なセーフティシステムがほとんど搭載されていない小型車の需要の増加を考えると、特に深刻な問題です。ボッシュは、小型車セグメントにおいて、限られたパッシブセーフティ機能を補うために、アクティブセーフティ機能を向上させることを目指しています。

横滑り防止装置(エレクトロニック・スタビリティ・コントロール:ESC)の装備率が、北米で68%、欧州で57%であるのに対し、日本ではわずか34%の車にしか装備されていません。最近発表された日本とドイツの共同調査によると、ESC は日本の交通状況でも有益であることがわかっています。この調査では、日本ですべての車に ESC が装備された場合、年間に発生する死亡事故100件中6件が防止でき、毎年約1万3,000人が負傷を免れることができると結論づけています。

また、日本の「高度道路交通システム(ITS)」と「先進安全自動車(ASV)」の活動の結果から導入されることになると考えられる対策や施策により、日本での ESC 装備率は2014年までに67%に上昇すると見込まれています。現在ボッシュは日本の ESC とアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)市場ですでに確固たる地位を築いており、マーケットシェアは24%に達しています。

「さらにボッシュは、日本の複数のカーメーカーとも手を組んでいます。より一層前進していくために、私たちは安全性強化技術の幅を広げていきます」(ボア)。2010年、ボッシュはドイツのカーメーカーであるアウディと協力して衝突予知緊急ブレーキシステム(PEBS)の量産を開始します。このシステムは、レーダーセンサとビデオセンサからの複合信号をキャッチします。ドライバーが不測の事態に反応しない場合、システムが自動的に緊急ブレーキ機能を作動させ、フルブレーキをかけます。この新システムは追突事故を4分の3の割合で防止することができます。

日本のカーメーカーは
ボッシュの研究開発活動に欠かせない重要なパートナー

走行安全性の分野では、ボッシュは日本のカーメーカーを重要な研究開発パートナーと考えています。すでにボッシュは現在、モーターサイクル用 ABS のコンピテンスセンターを日本に設置しています。また、日本や世界の市場における ABS の大幅な需要増を見込み、総額78億円を投じて横浜と女満別(北海道)にある適用開発拠点を拡張しています。この拡張プロジェクトにより、ボッシュにとって日本がドイツ国外で最大のブレーキシステムの開発拠点となるだけでなく、ボッシュの「それぞれの地域で、それぞれの地域のために」という戦略に沿って、アジアの他の市場にも今まで以上にきめ細やかに対応できるようになります。

それぞれの地域にコンピテンスセンターを設置することに力を入れてきた結果、ボッシュの自動車機器テクノロジーセクターではエンジニアの約30%がアジアに配置され、日本では約1,300人が働いています。新興市場と成熟市場の両方で得た地域固有の専門的な知識を強みに、ボッシュは日本国内においても海外においても日本のカーメーカーにとって強力なパートナーになっていきます。

広報担当窓口:
ボッシュ(株) コーポレートコミュニケーション室
セクション・マネージャー 長崎 雅男
TEL:03-5485-3393

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。
自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財・建築関連テクノロジーの3つのセクターから成るボッシュの2008年度の従業員数は28万名以上、売上高は約451億ユーロ(約6兆8,740億円)*に達しています。
ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュ GmbH およびその子会社 300社超と、世界の約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されています。販売、サービス代理店のネットワークを加えると、ボッシュは世界の約150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、私たちのさらなる成長の基盤です。ボッシュは毎年、研究開発費として35億ユーロ以上を投資しており、全世界で3,000件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。ボッシュはすべての製品とサービスにおいて革新的で有益なソリューションを提供することによって人々の生活の質(Quality of Life)を向上させ、循環型の持続的環境社会(Sustainable society)の創出に寄与していきます。

ボッシュの起源は、1886 年に創業者ロバート・ボッシュ (1861~1942)が設立した「精密機械と電気技術作業場」に遡ります。ロバート・ボッシュ GmbH の株式の大半は非営利組織である公益法人「ロバート・ボッシュ財団」(持株比率92%、議決権なし)が保有しています。議決権の大半は、株主の事業機能実行機関である共同経営者会「ロバート・ボッシュ工業信託合資会社」(議決権 93%)が保有しています。残りの株式と議決権はボッシュ家(持株比率 7%、議決権 7%)とロバート・ボッシュ GmbH (持株比率1%、議決権なし)が保有しています。
ロバート・ボッシュ GmbH の独自の株主構造は、ボッシュ・グループの財務上の独立性と企業としての自立性を保証するものです。「株主(利益配当)」と「経営(議決権)」が完全に分離した、この企業形態によって、ボッシュは長期的な視野に立った経営を行い、将来の成長を確保する重要な先行投資を積極的に行うことができるのです。

* 2008年度ボッシュ年間平均レート:152.32578円=1ユーロ

さらに詳しい情報は www.bosch.com ボッシュ・ワールドワイドのウェブサイトを参照してください。