第42回 東京モーターショー 2011

自動車の最新技術トレンド
既存市場および新興市場向けのボッシュ製品
環境・安全・快適をテーマに技術開発を推進

  • ボッシュ・グループの2011年売上高は500億ユーロに到達する見込み
  • 自動車機器セクターの売上高は300億ユーロに到達する見込み
  • 自動車機器セクターの研究開発費は約33億ユーロ
  • 2011年日本のボッシュ・グループ売上高予測は前年と同レベルの3,300億円

「2009年以来、世界経済、そして世界の自動車産業も深刻な経済危機からの立ち直りを見せました」と、自動車機器テクノロジー統括部門長であるベルント・ボア(Dr. Bernd Bohr)は、東京モーターショー2011での記者会見の冒頭でこのように述べました。2011年には政治的・経済的な進展が新たな不確実性を生み出しています。「このような情勢の中で、日本は3月の大地震と津波、さらには原発事故からの再建という大きな課題に直面しているわけですが、日本とその国民の苦境への対応の見事さは際立っていると感じさせられます」とボアは続けました。

今春のことでは、ボッシュ・グループが国際的に事業を展開していることが、ボッシュにとって大きな財産であることを改めて感じさせられました。現地や各国の人材を登用し、最大限の対応も行うことができました。今後も複雑な状況に対処しなくてはならない場合には、この世界的な事業展開がボッシュの最大の強みとなっていきます。

2011年第1四半期以降、世界的経済成長には鈍化傾向が見られます。大きな負債を抱える諸国は国家財政の整理統合を行っていますが、これが成長を鈍らせています。また新興自動車市場も最近は減速傾向にあります。こうした状況にもかかわらず、アジアの新興市場が先進諸国に追いつくまでの過程はまだまだ継続すると予想されます。「2011年の自動車生産は世界全体として約4%成長し、そして2012年には3~5%の成長が期待されています」とボアは述べます。

こうした状況を踏まえ、2011年度の売上高は2010年度の473億ユーロを上回り、初めて500億ユーロの大台に乗ると確信しています。自動車機器テクノロジー部門の取引額だけでいうと、2010年の281億ユーロと比較して、300億ユーロ以上に達する見込みです。研究開発費への投資については、自動車機器テクノロジー部門単体で2011年は約33億ユーロの予定です。

2011年の成長はグループ全体の従業員数にも反映されます。今年度末までに、約1万5,000人が新たにボッシュ・グループに入社する見込みであり、従業員数は約30万人に達します。自動車機器テクノロジー部門では、従業員数は約1万人増え、およそ17万7000人となります。

春に大震災を経験したにもかかわらず、2011年の日本での売上高は2010年に匹敵するレベルで、約3,300億円に達する見込みです。日本のボッシュ従業員数も8,000人前後で落ち着いています。

ボッシュの世界規模の開発ネットワークの中での日本の重要な役割

2011年末までに1,200人のボッシュのエンジニアが日本に配属される予定となっています。横浜事務所は、ドイツに次いでボッシュのアクティブ・セーフティ・システムの研究開発拠点としては最大規模です。また、モーターサイクルの安全性を向上させるためのグローバル・コンピテンスセンターとなっており、横浜事務所のエンジニアたちが近年、世界最小・最軽量のモーターサイクル用ABSを開発しました。

日本でのボッシュの開発活動はグループ全体の戦略を反映したものとなっています。ボッシュは地域的な強みを活かし、互いのノウハウと市場戦略情報から恩恵を受けられるグローバルなスペシャリスト・ネットワークを構築しています。世界の主な経済地域に50カ所設けられた開発センターでは、ボッシュのエンジニアたちが多様性のあるグローバルな作業チームを構成し、新興国の市場と既存市場を視野に入れた専用ソリューションの開発に日々取り組んでいます。

世界の自動車部品のリーディング・サプライヤーであるボッシュは、日本国内はもとより、グローバルな市場においても、日本のOEMをサポートするのに最適なところに位置しています。特に日本のカーメーカーがその生産を拡大しているアジアの成長地域で、ボッシュ自動車機器テクノロジーは市場での存在感を増しています。「全世界に合計2万9,000人いるエンジニアのうち、今年末までに1万人がこの地域に配置されます」とボアは話します。ボッシュは2011年から2013年までの間にこの地域に約18億ユーロ以上を投資する予定です。

アジアの新興国が成長を続けるにつれ、小型・低価格車両の需要も増加していくと見こんでいます。この傾向に対応するため、ボッシュは各地のニーズをカバーし、手頃な価格で提供を可能にする技術の開発に焦点を当てています。こうした努力により、3年以内にはドライバーアシスタンスシステム用レーダーセンサーのコストが半分に低減する見込みです。さらにボッシュは、中国市場に、現地のニーズに合わせた低コスト・パークパイロット・コンセプトとナビゲーションシステムを導入しました。

ボッシュは、その約3分の1がアジアで販売されているディーゼル・システムのコスト削減にも力を入れています。ボアは今後5年間で、コストパフォーマンスに優れたソレノイドバルブインジェクター式噴射システムのシェアが、現行の6割弱から8割近くまで成長すると予測しています。

ボッシュは、自動車機器テクノロジーを世界のどこでも手ごろな価格で提供できるようにすることに加え、クリーンで経済的な走行を実現すると同時に、安全で快適な製品を世に送り出すために、ボッシュのテクノロジーの改良を継続的に続けています。ボアによれば、この取り組みは私たちのコーポレート・スローガンである“Invented for life”に基づいています。

ボッシュが持つ広範囲の技術を駆使すれば、ディーゼル/ガソリン・エンジンの燃費をさらに30%削減することができます。小型化されたエンジンのターボチャージャーはその最たる例のひとつで、これはマーレ社との合弁企業であるボッシュ・マーレ・ターボシステムズの中心事業です。そのような技術は、年々厳しさを増す燃費や排気ガス規制に対応するだけでなく、ボッシュが提供する経済性の高い直噴システムやポート噴射システムのマーケット拡大に貢献します。そこでボッシュは2013年に、2010年の3倍に相当する700万ユニットのガソリン噴射システムを販売することを計画しています。また、コモンレール・ディーゼル噴射システムの販売ユニット数も900万台から1,200万台に引き上げることも予定しています。

従来技術を発展させていくことは、ボッシュにとって課題の半分でしかありません。「ドライバーアシスタンスから完全自律走行への移行や、e-モビリティへの移行など、新たな技術の需要にも対応しなければならないからです」とボアは述べました。

e-モビリティへの道のり

ボッシュは年間、4億ユーロをパワートレインの電動化に投資し、モーターやパワーエレクトロニクス、補助システムなどの製品のe-モビリティの完全なポートフォリオを提供しています。e-Bike市場へも参入し、成功を収めています。今年度は7万ユニットを生産しました。さらにボッシュは、リチウムイオンバッテリー開発を行う合弁会社、SBリモーティブを設立し、パワートレインの電動化へ向けて多くの目標を達成しており、さらに重要な要素の適用範囲の拡大とコスト低減を目指しています。

2013年までには13のカーメーカーと21のプロジェクトを進める予定になっています。なお、現時点でボッシュのハイブリッド・テクノロジーはすでにポルシェ、フォルクスワーゲン、プジョーの各車両に採用されています。

ボアは、e-モビリティが今後5年以内に急激に普及することはないけれども、本格的な普及の前に暫定的なソリューションとして受け入れられる可能性は十分にあると予測しています。そして小型電気自動車には、特に大都市での通勤用として、大きな将来性があると考えています。そのためボッシュは、壁面のコンセントから簡単に充電できるバッテリーを利用したプラグインハイブリッドの需要の増加を予想しています。都市での通常の移動には電気を利用し、長距離の移動は補助のディーゼルやガソリン・エンジンで行うようにするのです。

世界各地の道路を走行する車両の数が増えれば増えるほど、安全走行の重要性も大きくなります。新規登録車両に適用される規制によって、ボッシュが初めて市場に投入した安全システムの装備率は上昇しています。世界の新車へのアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)の装備率は2010年には75%でしたが、2015年までには90%に上昇する見込みです。同時期に、横滑り防止装置(ESC)の装備率は40%から60%へ上昇すると見込まれています。日本では2012年より新型車へのESC装備が義務付けられます。現在日本のメーカーが生産している車両の30%以上には、ボッシュのESCシステムが搭載されています。

「事故のない自律走行という構想を実現できる技術は今後10年以内に開発がさらに進みます」とボアは述べています。まず路上での停止・発進をサポートするレーダーとビデオセンサーに基づくアシスト機能にはじまり、徐々により複雑な状況のサポートを提供できるようになります。この分野にボッシュは600人以上の開発要員を投入しています。自律走行実現への道は、現在800人以上の開発者が従事している電気自動車への移行に匹敵するものと言え、ボッシュは自動車業界が直面する構造変化に取り組んでいます。

車両のネットワーク化:インターネット世代の購入の決め手

ボッシュのインターネットによるモビリティ・ソリューションでは、ドライバーが情報を得るためのソーシャルメディア・プラットフォームから、車両相互の、または交通インフラとのネットワーク化にいたるまで、さまざまな分野に対して重点的に取り組んでいます。ボッシュは、e-モビリティ・エコシステムも開発しており、シンガポールにおいてはモノとサービスのインターネット、Web 3.0をベースとした完成されたビジネスモデルのパイロット・システムをすでに導入しています。この取り組みは今年6月に始まりました。

シンガポール内の充電ステーションは今年末までに約40カ所に設置され、その後もさらに増設する計画です。

このプロジェクトの中核となるのは、ドライバーが充電ステーションの場所を検索・予約できるサービス・プラットフォームです。この方法によって、電力サプライヤー、駐車場運営者、OEM各社、貨物車両管理業者などすべてが参画できる環境が生み出されます。ドライバーにとっては電気とサービスに一定の額を支払うだけという、非常にシンプルなシステムとなります。ボアは、このプロジェクトがモビリティの未来の縮図を提供していると述べています。

最後にボアは、経済状況の中で、次第に大きくなる不確実性に適応するために、ボッシュはあらゆる努力を惜しまず進んでいくと話し、自動車産業は、不安定なビジネス環境の中でも大きなイノベーションに焦点を合わせた取り組みを行わなくてはならないと促しました。イノベーションを生み出すためのメーカーとサプライヤー間のパートナーシップは常に信頼関係がベースになります。特に、こうした不確実性のある状況下においては、信頼関係はこれまで以上に重要となってくる、とボアは締めくくりました。

広報担当窓口:
Thomas Knoll
Tel: +49 711 811-7088
E-mail: info@bosch.com

ボッシュ・グループ概要 The Bosch Group at a Glance

自動車機器テクノロジーセクターはボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2010年の売上高は 281 億ユーロで総売上高の約59%を占めています。自動車機器テクノロジーにより、ボッシュ・グループはリーディング・サプライヤーのひとつになっています。全世界の約167,000人の自動車機器テクノロジーセクターの従業員が、内燃機関用噴射技術、パワーワトレイン周辺機器、 代替駆動コンセプト、アクティブ/パッシブセーフティシステム、ドライバーアシスタンス/コンフォート機能、車載情報通信システム、オートモーティブアフターマーケット向けのサービスや技術という7つの事業分野で働いています。ボッシュ・グループは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC、ディーゼルシステム用コモンレールなどの重要な自動車技術の革新にも対応しています。2011年度の自動車機器テクノロジーセクターの売上は約300億ユーロを、従業員数は年度末時点で177,000人になると見込んでいます。

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財・建築関連テクノロジーの3つのセクターから成るボッシュの2010年度の売上高は約473億ユーロ、従業員数は28万人以上です。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHおよびその 子会社 300社超と、世界の60カ国以上にあるドイツ国外の現地法人で構成されています。販売、サービス代理店のネットワークを加えると、ボッシュは世界の約 150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、私たちのさらなる成長の基盤です。ボッシュは2010年、研究 開発費として約40億ユーロを投資し、全世界で3,800件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。
ボッシュはすべての製品とサービスにおいて革新的で有益なソリューションを提供することによって、人々の生活の質(Quality of Life)を向上させ、循環型の持続的環境社会(Sustainable society)の創出に寄与していきます。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)および
www.125.bosch.com ボッシュ創業125周年記念サイト
を参照してください。