第42回 東京モーターショー 2011

バッテリーセルから電気モーターまで
ボッシュはe-モビリティへの道を準備
2013年までにカーメーカー13社と21のプロジェクト

  • ボッシュのシステム開発能力は成功要因の1つ
  • 電気モーターを開発・製造する合弁事業を設立
  • SB LiMotiveはリチウムイオンバッテリーの開発を推進
  • ボッシュはe-モビリティ・セグメントで新しい事業分野を開拓

125年の歴史と高い革新力を誇るサプライヤー・ボッシュは、e-モビリティの未来へ続く道を切り拓く重要な役割を果たしています。アンカーマークの商標の下、今日ボッシュは駆動系電動化のためのテクノロジーとコンポーネント、そしてシステムを開発、すでに製造を開始しています。ヒルデスハイム拠点ではハイブリッドカーと電気自動車のための効率性に優れた電気モーターが作られています。ロイトリンゲンではパワーエレクトロニクスの量産が開始されており、サムスンSDIとの合弁会社SB LiMotiveでは2010年から韓国の蔚山で高圧バッテリー用リチウムイオンバッテリーセルの生産を行っています。ボッシュでは毎年4億ユーロを車両の電動化のために投じており、800人のボッシュ従業員が全世界でこのテーマに取り組んでいます。ボッシュの予測では、2020年には全世界で製造される1億300万台の車両のうちプラグインハイブリッド車と電気自動車が約300万台、そしてハイブリッド車が約600万台を占めるようになるでしょう。2025年以降には、電動化された車両がいよいよ一般的に見られるようになって来るでしょう。

成功要因としてのボッシュのシステム開発能力

電気だけで駆動される自動車へと続く道筋では、さまざまな性質を備えたハイブリッド技術が移行期技術として重要な意味を持っています。ボッシュは現在、短距離なら電気だけで走ることのできる2つのフルハイブリッドコンセプトに重点を置いています。1つがパラレルフルハイブリッド、もう1つがアクスルスプリットハイブリッドです。両システムともブースト機能を使用して、特定の走行条件でエンジンをサポートします。

これにより、将来的にガソリンエンジンやディーゼルエンジンを小型化することが可能になります。現在の標準的なガソリンエンジンを例にすると、エンジンを大幅に改造することなく、燃費向上と25~30%のCO2排出量削減を実現します。パラレルフルハイブリッドの場合、電気モーターはエンジンとトランスミッションの間にあるパワートレインに組み込まれます。アクスルスプリットハイブリッドでは、フロントアクスルがエンジンによって、リアアクスルが電動システムにより駆動されます。この配置によって車両は全輪駆動システムにもなるため、ドライバーにとってさらなる利点をもたらすものになります。

エンジン、電気モーター、クラッチの複雑な相互作用をコントロールし、ハイブリッド車を快適で効率よく走行させ、なおかつ「慣性走行」や「ブースト走行」などの追加のメリットを享受するには、ボッシュの持つシステム開発能力は欠かせません。「慣性走行」時にはエンジンが停止し、燃料を消費することなく車は自由に走行します。その間、安全性と快適性にかかわるシステムはすべて完全に機能します。ブースト機能では、追越し時などにエンジンに高い出力が求められると、電気モーターが短時間サポートします。2010年からボッシュのパラレルフルハイブリッド技術はポルシェのCayenneとフォルクスワーゲンのTouaregに搭載されており、今回さらにポルシェPanameraにも供給を始めています。今年、PSAは世界初のディーゼルハイブリッド車Peugeot 3008 HYbrid4の販売を開始する予定で、ここにはボッシュの革新的なアクスルスプリットハイブリッド技術が搭載されます。2013年までにボッシュは13のカーメーカーと21のプロジェクトを進め、コアコンポーネントである電気モーター、パワーエレクトロニクス、バッテリー技術などを量産します。これに加えて、ダイムラーAGとロバート・ボッシュGmbHは、電気モーターを開発・製造する合弁事業を設立します。合弁会社の名称はEM motive GmbHで、2012年から電気自動車用トラクションモーターをブランド「メルセデス・ベンツ」と「スマート」向けに供給します。親会社以外の顧客にはボッシュが販売を担当します。

前途有望なソリューション、プラグインハイブリッド

特に興味深いのが、プラグインハイブリッドというコンセプトです。このシステムはすでに述べたシステムと基本的に同じ構造を備えていますが、充電器によって家庭用コンセントから充電でき、バッテリー容量も大きくなっています。これによってハイブリッド車が電気だけで走行できる距離が1回のバッテリー充電で40 kmになります。大都市圏の中心部では、何週間でも続けて環境にやさしく純粋に電気だけで、局所的にゼロエミッションで走行することができます。同時にプラグインハイブリッドカーなら休暇に出かけるときなど、長距離はエンジンでドライブできます。

成功要因としてのコスト低減

技術的な観点では、ハイブリッドカーから電気自動車までの距離はそれほど大きくはありません。しかしコストの面ではまだ大きな課題が残っています。このような点から、ボッシュは2020年時点での電気自動車の価格は、同等のエンジン搭載車と比べて約45%高くなると予測しています。電動化用コンポーネントの開発と製造にとって重要な問題はシステムコストの低減です。製造個数が増えると価格は下がり、価格が下がるとそれに対する容認度は上昇します。このことは、e-モビリティ分野のすべてのプロジェクトに当てはまります。e-bikeからハイブリッドカー、プラグインハイブリッドカーを経て電気自動車に至るまで、コスト低減はボッシュのto-doリストの最上段に記されています。

SB LiMotive:リチウムイオンバッテリーの開発をさらに前進させる

とりわけバッテリーのコストは駆動系電動化の成功の鍵を握っている要素でしょう。ボッシュとサムスンSDIの合弁企業であるSB LiMotiveは、1 kW当たりの価格を2015年までに350ユーロ、2020年までに250ユーロにすることを目指しています。また、技術の面でもリチウムイオンバッテリーセルはますます進化を遂げるでしょう。エネルギー密度や出力密度、耐用年数やサイクル耐久性などの重要なパラメーターは着実に進歩しています。2015年までにはSB LiMotiveの35 kWhバッテリーで航続距離200 kmを達成することができ、また自動車産業界が要求する耐用年数である少なくとも12年を満たすことも可能でしょう。設立から3年経過したSB LiMotiveは現在、約850人の従業員によって複数の重要な顧客を獲得しております。例えば、リチウムイオンバッテリーセルをBMW i3、1シリーズActiveEに供給しています。電気自動車Fiat 500 EVには、エネルギー管理を一手に引き受けるSB LiMotiveのバッテリーシステム一式を供給しています。さらに、SB LiMotiveは米国にあるクライスラー、GM、フォードのコンソーシアムから、総額840万ドルのリチウムイオンバッテリーセルとそのシステムの開発を受注しています。2015年までに韓国の蔚山にあるSB LiMotiveの工場ではセルの年間生産能力が4ギガワットを超えるでしょう。これは電気自動車約18万台分に相当します。SB LiMotiveと協力関係を結ぶヨーロッパのカーメーカーは増加の一途をたどっており、2013年以降ヨーロッパにも工場を建設する計画です。

e-モビリティ時代の新事業分野

従来のシステム/コンポーネント事業と並んで、e-モビリティはボッシュが新しい事業分野を開拓できる領域です。その一例が充電インフラの構築です。Bosch Software Innovations GmbHは、電気自動車の充電スタンド用ソフトウェア、充電スタンドの予約、充電料金の清算のためのソフトウェアプラットフォームを開発しました。Bosch Software Innovationsの充電スタンドは、電力供給網とエンドユーザーとの間のインターフェースを形成します。

このソフトウェアと充電スタンドは、2011年6月からパイロットプロジェクトとしてシンガポールに導入されています。またボッシュ・カー・サービス整備工場とオートモーティブ・アフターマーケット事業部も、未来の市場に向けて準備を進めています。ボッシュは自動車整備工場をハイブリッド車用診断システムと現場志向のトレーニングでサポートします。e-モビリティ分野では、コンポーネントからシステムノウハウ、そしてサービスに至るまで、ボッシュほど幅広い製品レンジを提供しているサプライヤーは他にありません。e-モビリティは、エネルギーが再生可能なエネルギー源からもたらされてこそ意味をなします。ボッシュはこのようなエネルギー転換にも力を注いでいます。Bosch Solar Energyは太陽光発電設備用のセルとモジュールを製造する最大メーカーの1つです。この他にもボッシュは、この未来市場/分野で風力発電設備用ギアユニットの製造や潮力発電所向けプロジェクトを行っています。

広報担当窓口:
Michael P. Mack
Tel: +49 711 811-6282

ボッシュ・グループ概要 The Bosch Group at a Glance

自動車機器テクノロジーセクターはボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2010年の売上高は 281 億ユーロで総売上高の約59%を占めています。自動車機器テクノロジーにより、ボッシュ・グループはリーディング・サプライヤーのひとつになっています。全世界の約167,000人の自動車機器テクノロジーセクターの従業員が、内燃機関用噴射技術、パワーワトレイン周辺機器、 代替駆動コンセプト、アクティブ/パッシブセーフティシステム、ドライバーアシスタンス/コンフォート機能、車載情報通信システム、オートモーティブアフターマーケット向けのサービスや技術という7つの事業分野で働いています。ボッシュ・グループは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC、ディーゼルシステム用コモンレールなどの重要な自動車技術の革新にも対応しています。

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財・建築関連テクノロジーの3つのセクターから成るボッシュの2010年度の売上高は約473億ユーロ、従業員数は28万人以上です。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHおよびその 子会社 300社超と、世界の60カ国以上にあるドイツ国外の現地法人で構成されています。販売、サービス代理店のネットワークを加えると、ボッシュは世界の約 150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、私たちのさらなる成長の基盤です。ボッシュは2010年、研究 開発費として約40億ユーロを投資し、全世界で3,800件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。
ボッシュはすべての製品とサービスにおいて革新的で有益なソリューションを提供することによって、人々の生活の質(Quality of Life)を向上させ、循環型の持続的環境社会(Sustainable society)の創出に寄与していきます。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)および
www.125.bosch.com ボッシュ創業125周年記念サイト
を参照してください。