第42回 東京モーターショー 2011

ガソリン車とディーゼル車の可能性
ボッシュ・テクノロジーがCO2排出量の削減に貢献
CO2削減目標は高効率の内燃機関だけで達成可能

  • チャレンジなCO2目標値に挑むカーメーカーとサプライヤー
  • 2020年までCO2削減に関するe-モビリティの貢献度は限定的
  • 効率的な未来のモビリティを支える最新のボッシュ・テクノロジー

「内燃機関はこれからも個人のモビリティを支える重要なコンポーネントであり、地球全体の環境保全と化石燃料の保護に貢献するものです」と、ボッシュ・ディーゼルシステム事業部乗用車担当のDr.Marcus Heyn事業部長はこのように述べました。世界市場における新車の販売台数が現在の7,100万台から2020年の1億300万台に増加した場合、そのうち少なくとも1億台は内燃機関搭載車が占めるとサプライヤーの市場調査担当者や外部の専門家は予想しています。そのため、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの燃費向上と二酸化炭素(CO2)排出量の削減に寄与する自動車機器テクノロジーの重要性が高まっています。ただ、非常に効率的なe-モビリティがこの面で貢献できるのは、2020年までは極めて限定的だと考えられます。

今日では、世界中の多くの国々で法規制値や目標値として野心的なCO2排出量が設定されるようになっています。たとえば、2009年にはヨーロッパの平均的な新車が排出するCO2は1 km当たり146gでした。欧州委員会は、加盟国に対して排出量の削減目標を2015までに130g、2020年までに95gとするよう定めており、専門家は2025年までに平均的な新車の1km当たりのCO2排出量を70gにすることを検討しています。これは約3リッター/100km(ガソリンエンジン)または2.6リッター/100km(ディーゼルエンジン)の標準燃費に相当します。

「一見では厳しい目標だと思われるでしょうが、必ず達成できます」とHeynは力強く明言します。これに多大な貢献をしているのが、ボッシュが現在すでに製品ラインナップに組み込んでいる、パワートレイン分野での燃費節減を実現する技術パッケージです。それには、内燃機関と電気モーターを組み合わせたハイブリッドコンセプト、経済的なガソリン車/ディーゼル車を実現するダウンサイジングコンセプト、パワートレインのエネルギー削減補助ユニットがあります。これらのボッシュ・パッケージにより、ガソリン車とディーゼル車の両方で燃費とCO2排出量が合計で約30%低減されます。カーメーカーがさらに追加の措置を講じれば、現在の一般的な自動車技術と比べて燃費とCO2排出量は合わせて半減することになります。特に経済的な車両の一部には、2020年の目標値として検討中の値をすでに現在の段階でほぼクリアしているものもあります。

ダウンサイジング - 燃費改善のカギ

エンジンの効率を最も高めることのできる対策はダウンサイジングです。総排気量を小さくし、気筒数を減らすと、摩擦損失と移動質量が低減され、こうしたエンジンでは熱損失も小さくなります。もちろん、サイズが小さくなっても同等またはそれ以上のエンジン性能を達成することは可能です。

エンジンは、自然吸気する量よりも燃焼サイクル当たりでより多くの空気を送り込むことによってその性能を維持することができます。このことは、十分な空気を送り込み、よりクリーンな燃焼をもたらすターボチャージャーを使用することで実現できます。そこで、ボッシュの合弁会社Bosch Mahle Turbo Systemsは2011年末からこのようなエンジンコンセプトに基づき、ガソリン/ディーゼルエンジンを搭載した乗用車および商用車に適合させた最新のターボチャージャーシステムの製造を開始することにしました。なお、ボッシュは2015年にはこの合弁会社で製造するターボチャージャーが200万ユニットを超えると見込んでいます。

ガソリンエンジンのダウンサイジングの前提となるのは、直噴システムです。噴射された燃料によって燃焼室の適切な冷却と、充填サイクル時に燃料を損失することのない気筒掃気が達成されます。その結果、これまでディーゼルエンジンの専売特許であった非常に高いトルク値を低回転数域から得ることができます。

ディーゼルエンジンでも、ダウンサイジングはまだまだ実現可能です。ターボチャージャーによって過給圧が高められるため、ボッシュの開発担当者はコモンレールシステムの噴射圧を高めていかなくてはなりません。この措置はあらゆる面で非常に有益です。

同じ噴射期間でより多くのディーゼル燃料を噴射して出力を増大させることができるからです。同時に、エンジン性能を維持しながらインジェクターのノズル孔直径の縮小化も図っています。マルチプルプレ噴射とマルチプルポスト噴射を組み合わせることで、燃焼室内での混合気形成を改善し、燃料を節約して排気ガスをよりクリーンにし、特に窒素酸化物の排出を低減することが可能となっています。

補助ユニットの効率改善または需要対応型の制御

ボッシュの開発者は、ガソリン/ディーゼルエンジンに直接実施するあらゆる技術的対策を補うものとして、ジェネレーターやクーリングファンなどの補助ユニットの効率性を高めています。CO2排出量をさらに減らすためには、需要対応型のシステム制御も高い効果を発揮します。この制御により、補助ユニットが実際に必要な場合にのみ駆動します。電動ウォーターポンプ、電動パワーステアリング、あるいは特に惰性走行時にバッテリーに充電を行うジェネレーターは、車両全体の効率性を高めます。特に高い効率性を実現するのは、ボッシュのスタート/ストップ・システムです。赤信号で停車する場合にシステムがエンジンを停止させ、信号が緑に変わるとすぐに発進できるようにするのがこのシステムです。ヨーロッパで有効な新ヨーロッパドライビングサイクルでは、このシステムにより最大5%、市街地サイクルでは最大8%まで燃費を低減できます。

燃費節減に貢献する新技術

燃費とCO2排出量を低減する現在すでに供給中の技術パッケージに加えて、ボッシュのエンジニアはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの両方で同じように節約能力をさらに高めるべく尽力しています。そうした措置には、燃焼室圧力センサーを使用した燃焼制御といった個別の対策が数多く含まれています。またディーゼルエンジン用可変バルブ制御のように、今日すでにガソリンエンジンに導入されている技術もあります。さらに、車両システムの変換効率、排気熱からのエネルギー回収、冷却効率を改善するトランスミッションなども実現化されています。

代替燃料がカーボンフットプリントを改善

各市場では、地域の状況に応じてCO2出量を削減するために中心となる技術を個別に設定しています。たとえば、ブラジルではボッシュのガソリンエンジン用FlexFuel技術が重要な役割を果たしています。ブラジルではサトウキビの栽培が盛んで、これをエタノールに加工し、鉱物油ベース燃料の代替燃料として使用されています。この燃料は再生可能な原料から精製されるため、カーボンフットプリントを大きく改善することができます。米国では、ガソリンに各種の割合でエタノールを混合できるFlexFuel車両の新車登録が増加しつつあります。こうした環境保護効果は他の国々や地域でもバイオ燃料と化石燃料との混合によって実現されており、5~20%の混合率でガソリンにもディーゼル燃料にも混合されています。未来への貢献としては、その他に有機廃棄物を原料とする合成燃料があります。

燃費改善技術のメリット

ヨーロッパの典型的な年間走行距離と現在の燃料価格に基づいて燃料代を計算した場合、2010年の平均的な車両と2020年のそれを比較すると、3年間の走行で1,000~1,500ユーロの燃料代を節約できる可能性があります。

2020年の車両にはより多くの燃費低減技術が搭載されていると考えられるため、実際の走行ではさらなる節約が可能になるだろうと予測されています。これを一般的な車両寿命である約12年に換算すると、4,000~6,000ユーロの燃料代を節約できるだけでなく、環境へのCO2排出量を6~11トン削減できます。

広報担当窓口:
Thomas Knoll
Tel: +49 711 811-7088

ボッシュ・グループ概要 The Bosch Group at a Glance

自動車機器テクノロジーセクターはボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2010年の売上高は 281 億ユーロで総売上高の約59%を占めています。自動車機器テクノロジーにより、ボッシュ・グループはリーディング・サプライヤーのひとつになっています。全世界の約167,000人の自動車機器テクノロジーセクターの従業員が、内燃機関用噴射技術、パワーワトレイン周辺機器、 代替駆動コンセプト、アクティブ/パッシブセーフティシステム、ドライバーアシスタンス/コンフォート機能、車載情報通信システム、オートモーティブアフターマーケット向けのサービスや技術という7つの事業分野で働いています。ボッシュ・グループは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC、ディーゼルシステム用コモンレールなどの重要な自動車技術の革新にも対応しています。

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財・建築関連テクノロジーの3つのセクターから成るボッシュの2010年度の売上高は約473億ユーロ、従業員数は28万人以上です。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHおよびその 子会社 300社超と、世界の60カ国以上にあるドイツ国外の現地法人で構成されています。販売、サービス代理店のネットワークを加えると、ボッシュは世界の約 150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、私たちのさらなる成長の基盤です。ボッシュは2010年、研究 開発費として約40億ユーロを投資し、全世界で3,800件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。
ボッシュはすべての製品とサービスにおいて革新的で有益なソリューションを提供することによって、人々の生活の質(Quality of Life)を向上させ、循環型の持続的環境社会(Sustainable society)の創出に寄与していきます。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)および
www.125.bosch.com ボッシュ創業125周年記念サイト
を参照してください。


このプレスリリースは2011年8月4日に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。>