第42回 東京モーターショー 2011

プジョー3008HYbrid4
ボッシュの電気モーターを備えた世界初の量産型ディーゼルハイブリッドが登場
PSAプジョー/シトロエンとボッシュの戦略的パートナーシップ

  • PSAが高効率ディーゼルハイブリッド車市場を開拓
  • 四輪駆動を電気駆動式リヤアクスルで実現
  • ディーゼル燃料3.8リッターで100 km走行した場合のCO2排出量(1 km当たり)はわずか99g

プジョーは世界初のディーゼルハイブリッド乗用車「3008 HYbrid4」の量産を開始します。これは、ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせ、燃料消費量を最大35%抑えた画期的なモデルです。ボッシュは電動化用コンポーネント(モーター、パワーエレクトロニクス、高電圧ジェネレーター)とハイブリッド車に適合させた専用エレクトロニック・スタビリティ・コントロール(ESC)の技術設計をPSAプジョー/シトロエンとの密接な協力を通じて開発しました。

こうした技術を投入した3008 HYbrid4 Crossoverでは、100 kmを走行するために要するディーゼル燃料がわずか3.8 リッターで(約26km/1リッター)、CO2排出量も1 km当たり99gにすぎません。しかし、そのために何かを妥協したわけではありません。2つの駆動システムが連携して147 KW(200 PS)を発揮し、450Nmという余裕のトルクを発生させます。このゆとりあるパワーでディーゼルハイブリッド車は0-100km/h加速を8.5秒で駆け抜け、最高速度は191 km/hに達します。

四輪駆動/前輪駆動/電動後輪駆動を選択可能

3008 HYbrid4のハイライトはパートタイム式四輪駆動です。ディーゼルエンジンによる従来型の前輪駆動のほかに、PSAとボッシュが共同開発したアクスルスプリットコンセプトによる電動式リヤアクスルが後輪駆動を担います。

出力27 KW(37 PS)のモータージェネレーターとディファレンシャルギヤで構成されているリヤアクスルモジュールは急加速時にブースターとして機能し、危険な状況下では四輪駆動によってトラクションを増やすほか、リヤアクスルのモータージェネレーターのトルクがオートマチックトランスミッションのシフト中断時のすき間を埋めます。また、市街地などでストップ&ゴー走行が続く場合や低速で走行している場合には、プジョー3008 HYbrid4は電気モーターのみで駆動するZEV(ゼロエミッションビークル)となります。ニッケル水素バッテリーの充電レベルにもよりますが、ディーゼルハイブリッド車の電気による航続距離は約4kmに伸びています。なお、充電エネルギーを使い果たすと、自動的にディーゼルエンジンに切り替わります。

プジョー3008 HYbrid4の基本パワーユニットは最新世代の4気筒2.0HDiターボディーゼルで、出力120KW(163PS)を発揮し、排ガス基準EURO5を満たしています。このパワーを6速オートマチックトランスミッションがフロントアクスルに伝達するわけですが、PSAが開発したアクスルスプリットコンセプトは最小限の修正でさまざまな車両プラットフォームに適用できるようになっています。2011年のフランクフルトモーターショー(IAA)では、PSAはこうした技術を搭載した新しい508 RXH HYbrid4を発表しました。

アクスルスプリットコンセプトの柔軟性は、ハイブリット化を比較的容易に実現させるという点で際立っています。ほぼ自立した後輪駆動により、3008 HYbrid4のCrossoverモデルは2つの世界を自由に行き来できます。例えば都市部で短距離を走る場合は騒音や排ガスを周囲に出すことなく電気モードだけで約4 km走行し、悪路や雪道はエレガントに作動する四輪駆動で乗り切ることができるという具合です。長距離を運転する場合でも、その効率的なHDiエンジンと電動モードで稼いで追加された航続距離により、軽快で余裕のある長距離ランナーとしての側面を感じることができます。長距離を走行する場合の一般的な車速である120 km/hでは、プジョー3008 HYbrid4はディーゼルエンジンのみで駆動し、この間のリヤアクスルの電気モーターは連結を解除された状態となります。

PSAの開発者は、エレクトロニクス分野ではボッシュチームの支援を受けながら詳細な演算やシミュレーション、試験を行い、どの走行状態でどのように2つの駆動装置が連携するのか、さらにドライバーの要求を効率的に満たすためにはどのようなことをこなさなくてはならないのかを正確に算出しました。例えば(4つの設定のうちの1つである)「Auto」走行モードでは、最大限の快適性を感じられ、同時に燃費を最小限に抑えることが最も重視されます。ドライバーはアクセルペダルを踏むだけで、舞台裏ではエレクトロニクスが自動的に2つの駆動装置を連携させます。

もちろん手動で四輪駆動に切り替えることもできます。さらに、ドライバーはスーパースポーティから超節約モードまでさまざまな走行モードを選択できるようになっています。

プジョー3008 HYbrid4専用に開発したESC

ESCはすでに長年にわたり道路交通安全に大きく寄与しています。ESCは危険な状況下で、エンジンとブレーキをコントロールすることにより、車両を制御可能な状態に保つシステムで、アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)とトラクション・コントロール・システム(TCS)の機能も備えています。

さらに、PSAのハイブリッド車でもESCが最大限の支援を行えるよう、2社は協力してハイブリッド駆動専用の新しい機能を開発しました。

  • さまざまな状況下での安全確保のため、リヤアクスルの回生システム(RBC®)による回生量を車両安定性に影響しない範囲にコントロール。
  • あらゆる道路状況においてパワーと快適性の最適なバランスを確保するために選択した走行モードに適合したTCS設定。

こうしたことからもわかるように、プジョー3008 HYbrid4におけるハイレベルのアクティブ・セーフティはPSAとボッシュの緊密な協力の成果と言えます。

ボッシュの広範囲にわたる駆動パッケージ

ボッシュが提供したのはシステムノウハウだけではありません。主要コンポーネントの面でも世界初のアクスルスプリットハイブリッドに貢献しています。そのコンポーネントに含まれるのが、リヤアクスルに組み込まれた電気モーターです。水冷式のモータージェネレーター(いわゆるセパレーター・モーター・ジェネレーターSMG180/120)はアクスルモジュール内に収められるほどコンパクトに設計されており、直径180ミリ、長さ120ミリという小型サイズとなっています。この限られたスペースで永久磁石同期モーターが最大出力27KW、トルク200Nmの大きなパワーを発揮し、その連続出力は20KW、回転数は最大7,500rpmです。

モータージェネレーターの他に、プジョー3008 HYbrid4のリヤにはもうひとつ別のボッシュ製PM(永久磁石)同期モーターがあります。エンジンルームに据えられたSMG138/80(直径138ミリ、長さ80ミリ)はスタート/ストップシステムの高電圧スタータージェネレーターとしての役割を担いますが、リヤ駆動装置(高電圧バッテリーが空になった場合)、電気回路、エアコンにもエネルギーを供給します。

そのため、SMG138/80はロバストなベルトを介してディーゼルエンジンにより駆動されます。また、走行中はSMG138/80がほぼすべての走行状況下で発電しているため、高電圧バッテリーをバッファー/エネルギー蓄積装置として低コストでコンパクトに設計できるという利点もあります。なお、SMG 138/80の連続出力は最大1万5,000rpmで7KW、ピーク出力は8KWとなっています。

電気モーターの心臓部にあたるのが、いわゆるハイブリッド・パワー・コントロールユニット(HPCU)です。このパワーエレクトロニクスはモータージェネレーターとハイブリッド・マネージメント用の制御ソフトウェアを動かすだけでなく、パルスインバーターとしても機能し、SMG138/80が発電する交流電流を直流電流に変換してバッテリーに送ります。さらに、低圧電気回路と電気モーター側高圧電気回路との間の直流コンバーターとしての役割も担います。約12リッターというわずかな容積の取付けスペースで最大340Aの電流、最大300Vの電圧を処理しなければならず、このコンポーネントに対する要求は大変厳しいものとなっています。

ボッシュ・ダブルインバーターのワールドプレミア

同時に2つのモータージェネレーターと高電圧バッテリーとをつなぐ接続部として機能するダブルインバーターはこれまでボッシュにはなかったのですが、開発者は従来の単純なインバーターと同じ容積に2つの機能を収めることに成功しました。「ボッシュの従来型のインバーターでは解決の糸口さえ見つからなかったでしょう。新しいダブルインバーターはまったく違う次元で問題を解決したのです」。コンポーネントの複雑さと統合レベルの高さについて、ボッシュの開発部長兼ハイブリッド車&電気自動車顧客プロジェクト責任者を務めるMatthias Küsellはこう説明します。それにもかかわらず、電気コンポーネントを十分に冷却しながら最小の間隔を保ち、スリムな製造工程を実現するという離れ業をボッシュの開発者は成し遂げました。作動中の2つのモータージェネレーターの制御を保証し、発電される高圧電流を管理することができるのは、ボッシュのダブルインバーターだけです。

このようにして、ボッシュはわずか2年のプロジェクト期間でアクスルスプリットハイブリッド用の4つの主要部品を量産レベルで完成させました。

その際、開発者はモータージェネレーター、直流コンバーター、インバーターの開発・製造に関して数十年にわたる豊かな経験に基づき、力を集結してPSAの要求を満たし、厳しい納期を守りました。
「車両用のハードウェアとソフトウェアのほかに、私たちは新しい製品を正確に試験・測定することのできるテストベンチとテストソフトウェアも開発しました」(Küsell)。

その苦労は報われました。プジョー3008 HYbrid4は世界初のディーゼルハイブリッド車として、またアクスルスプリットコンセプトのワールドプレミアで、気候と環境を保全する未来の車への道を示してくれたのです。その革新的な駆動コンセプトは、ドライビングプレジャーを提供し、環境責任を果たし、経済性を満たしているだけでなく、電気モードでの市街地走行、心躍るオフロードツアー、快適な休暇旅行を少ない給油回数で実現しています。

広報担当窓口:
Udo Rügheimer
Tel: +49 711 811-6283

ボッシュ・グループ概要 The Bosch Group at a Glance

自動車機器テクノロジーセクターはボッシュ・グループ最大の事業セクターです。2010年の売上高は 281 億ユーロで総売上高の約59%を占めています。自動車機器テクノロジーにより、ボッシュ・グループはリーディング・サプライヤーのひとつになっています。全世界の約167,000人の自動車機器テクノロジーセクターの従業員が、内燃機関用噴射技術、パワーワトレイン周辺機器、 代替駆動コンセプト、アクティブ/パッシブセーフティシステム、ドライバーアシスタンス/コンフォート機能、車載情報通信システム、オートモーティブアフターマーケット向けのサービスや技術という7つの事業分野で働いています。ボッシュ・グループは、電気駆動マネジメントや横滑り防止装置ESC、ディーゼルシステム用コモンレールなどの重要な自動車技術の革新にも対応しています。

ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディング・カンパニーです。自動車機器テクノロジー、産業機器テクノロジー、消費財・建築関連テクノロジーの3つのセクターから成るボッシュの2010年度の売上高は約473億ユーロ、従業員数は28万人以上です。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHおよびその 子会社 300社超と、世界の60カ国以上にあるドイツ国外の現地法人で構成されています。販売、サービス代理店のネットワークを加えると、ボッシュは世界の約 150カ国で事業展開しています。この開発、製造、販売、サービスのグローバル・ネットワークが、私たちのさらなる成長の基盤です。ボッシュは2010年、研究 開発費として約40億ユーロを投資し、全世界で3,800件以上もの国際特許の基礎特許(第一国出願)を出願しています。
ボッシュはすべての製品とサービスにおいて革新的で有益なソリューションを提供することによって、人々の生活の質(Quality of Life)を向上させ、循環型の持続的環境社会(Sustainable society)の創出に寄与していきます。

さらに詳しい情報は
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英文)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英文)および
www.125.bosch.com ボッシュ創業125周年記念サイト
を参照してください。


このプレスリリースは2011年9月13日に Robert Bosch GmbH より発行されました。原文をご覧ください。>