モビリティ ソリューションズ

ボッシュが切り開く
交通事故・ストレス・排出ガスのないモビリティへの道のり


ロバート・ボッシュGmbH 取締役会メンバー
モビリティ ソリューションズ事業部門長
ロルフ・ブーランダーによるスピーチ
於:東京モーターショー
2017年10月26日


本稿は実際の内容と異なる場合があります。

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  • 2017/10/26
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プレスリリース

ご来場の皆さま

現在、自動車業界は大きな変革期を迎えています。テクノロジーの進化が、私たちの想像以上に早く進み、自動車を含む「モビリティ(移動)」の在り方に革新をもたらそうとしています。ご来場の皆様の中には、前回2015年の東京モーターショーで私たちが申し上げたことを覚えている方もいらっしゃると思います。モビリティの未来は、「自動化」、「ネットワーク化」、「電動化」であるという内容です。この2年の間で、3つのトレンドが大きく前進しました。しかし、変革はまだ始まったばかりです。

ボッシュは、これら3つのアプローチにより、Accident-free(交通事故のない)、Stress-free(ストレスのない)、Emissions-free(排出ガスのない)モビリティをすぐにではないですが、実現させるつもりです。これは簡単なことではありません。私たちが現在考えるモビリティの概念を根底から変えてしまうでしょう。しかし、ボッシュにおいては単なる魅力的なビジョンではありません。私たちは、未来のモビリティは、現在モビリティが抱える問題を解決する具体的なアクションによって実現することを、よく心得ています。ボッシュは、未来のモビリティへと続く道を切り開くソリューションを持っています。そして、この戦略は前回の東京モーターショーから変わっていません。私たちが前回皆さまにお約束したことをどのように実現しているか、本日改めて新たな例を交えてご紹介します。

ビジョン #1 自動運転によるAccident-free(交通事故のない)モビリティの実現
ボッシュが自動化に取り組む目標は明確です。それは、交通事故を最小限に抑えることです。東京では、100,000人の道路利用者のうち3~5人が交通事故により命を落としています。この数字は減少させなくてはなりません。システムによって制御される自動運転車は、人間より素早く反応することができるだけでなく、人間よりも用心深く運転できる可能性があります。自動運転の実現により、より多くの命を守ることができるでしょう。しかし、自動運転を実現するためには、クリアすべき重要なステップがいくつかあります。

自動運転のための高精度マップ
そのうちのひとつが高精度マップです。自動走行する車両は、自車の正確な位置情報を常に把握している必要があります。現在ボッシュは、ヨーロッパと中国で主要なマッププロバイダーと高精度マップの開発に取り組んでいます。

私たちはさらに、車線内の自車位置を数センチ単位の精度で把握できるようになるBosch Radar Road Signatureの開発に取り組んでいます。これは、車両のレーダーから得たデータをボッシュのクラウド上で加工し、マップを作成するパートナー企業のクラウドと連携して自動運転に使用できる非常に高精度なマップを作成するものです。

そして、本日ここ日本でも高精度マップ開発のためのマッププロバイダーとの提携を発表できることを大変喜ばしく思います。ボッシュは、インクリメントP社と協力し、日本でBosch Radar Road Signatureを使った自動運転用の高精度マップの開発に取り組んでまいります。ヨーロッパ、中国に加え、日本における提携がボッシュの高精度マップ開発のグローバル展開をさらに拡大させることになります。

ビジョン #2 ネットワーク化によるStress-free(ストレスのない)モビリティの実現
自動運転に加え、ネットワーク化されたモビリティは未来のモビリティを実現するもう一つのアプローチです。ネットワーク化は、現代の人々が抱える大きな問題、道路交通におけるストレスを改善します。これを実現するためには、何百万というデバイスをネットに接続させ、新たなサービスを作らなくてはいけません。ボッシュは、ここ最近Bosch IoT Cloudという自社クラウドとBosch Automotive Cloud Suiteと呼ばれるコネクテッドサービスを開発するためのソフトウェアプラットフォームを立ち上げました。これにより、ボッシュはコネクテッドサービスをワンストップで提供するための体制を整えました。これらは、2018年より外部向けに提供を開始しますが、ボッシュでは、すでにコネクテッドサービスを開発するために活用しています。こちらにあるジャガー F-PACEは、ボッシュの様々なコネクテッドサービスをお見せするためのデモンストレーション車両で、これから実際にいくつかのサービスをご紹介いたします。

車載ソフトウェアの無線アップデート
これからご紹介するソリューションのドライバーへのメリットは非常に明確です。そして、このソリューションは、今後クルマに標準的に搭載されるようになるでしょう。スマートフォンでは、ソフトウェアやアプリの更新が毎日のように行われていますが、ボッシュは同じことをクルマでも実現しようとしています。いわゆるOTA(over-the-air)アップデート、無線ネットワーク経由のソフトウェア更新です。OTAが実現すると、クルマのオーナーは自宅にいながらにして、さらにクルマのライフタイムを通じて、コネクテッドパーキングや車線維持機能など様々な新しい機能を追加できるようになります。

クルマの安全性を高めるeCall(自動緊急通報)
2つ目の例としてご紹介したいのが、ネットワーク化がまさに人命救助につながるサービスです。eCall(自動緊急通報)は、深刻な衝突事故が発生したとき、みなさんを守るためのサービスです。

eCallに対応している車両には通信ユニットが搭載されており、エアバッグやシートベルトテンショナーが作動すると、この通信ユニットからボッシュのコールセンターに通報されます。また、車内の通報ボタンを押すことで、手動でも通報することが可能です。コールセンターが通報を受けると、コールセンターのオペレーターにはお客様の車から大きく分けて3つの情報を受信します。1つ目は、乗車人数です。シートベルトの装着やシートにかかっている重量等で判別しています。2つ目は、事故発生場所の地図とロケーションコード(座標)です。救急車を正確に要請するために最も重要な情報です。また事故現場を管轄する消防署のデータと連携し、迅速に通報するための機能が組み込まれています。3つ目は、車両の情報です。車のモデルや色、ガソリンやディーゼル、ハイブリッド等のエンジンの種類です。

これらの情報を元に、助けを必要としている、或いは意識のないお客様のために救急車を迅速に要請します。お客様が事故から生還し、大切な人々の元へ帰るためには、正確で迅速な対応が要求されますので、これらの情報が欠かせません。

ボッシュは、世界41か国でこのサービスを提供するマーケットリーダーです。日本では、2018年から自動車アセスメント(JNCAP)の評価項目に加えられることが予定されています。ボッシュは、すでに2017年の夏からメルセデスベンツが日本国内で販売する車両に対してeCallの提供を開始しています。

ビジョン #3 Emissions-free(排出ガスのない)へとつながる様々なアプローチ
すでに自動運転とネットワーク化についてお話ししましたが、私たちの命の源であるきれいな空気がなくては、自動化とネットワーク化を実現しても何の意味もありません。これが、ボッシュがEmissions-freeなモビリティを目指す理由です。もし、都市部のモビリティが今後急速に電動化していくかと問われれば、その通りでしょう。しかし、ここで付け加えたいのは、今後長期に渡って内燃機関とモーターが共存し続けるということです。2025 年には約 2,000 万台のハイブリッド車および電気自動車が生産されるとボッシュは予測しています。しかし、同じく2025年の段階でおよそ 8,500 万台のガソリンまたはディーゼルを燃料とする新車が登録される見通しです。つまり、電気自動車だけでは、非常に野心的なCO2目標を達成することができないということです。ボッシュは、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、eモビリティのいずれにおいても、パワートレインのリーディングカンパニー、そして自動車メーカーにとってトップパートナーであり続けるために、戦略的な製品ポートフォリオを整えています。それではここで、eモビリティの製品ポートフォリオにおいて、今後重要な役割を果たす画期的なコンポーネント「eAxle」をご紹介します。

eモビリティの航続距離伸長、開発工数の削減、低コスト化に貢献するeAxle
eAxleは、既存の自動車メーカーにとっても、新規参入の企業にとっても、eモビリティの開発期間を削減することができる、いわば“スタートアップ”のようなパワートレインです。モーター、パワーエレクトロニクス、トランスミッションを1つのユニットに統合させたことで、eモビリティを実現するためのコンパクトなパワートレインを実現しました。eAxleは、小型電動車両からハイブリッドのSUVまで様々な車種に使用可能です。これにより、コンポーネント自体の複雑さが減少するだけでなく、eAxleはボッシュから自動車メーカーの生産ラインに直接送ることができるため開発期間も削減することができます。eAxleの試作品はすでに複数のお客様のもとで評価していただいており、量産開始は2019年頃を予定しています。これは、ボッシュがeモビリティの分野で収めつつある成果を表す一例です。実際、すでに世界中で50万台を超えるボッシュ製のコンポーネントを搭載した電気自動車やハイブリッド車が走行しています。

ボッシュのプレミアム電動アシスト自転車用ユニットを搭載した人気輸入ブランドのモデルが日本市場でも販売開始
さて、ここでボッシュのポートフォリオの紹介を締めくくるにふさわしい小型電動モビリティを紹介したいと思います。ボッシュは、欧州で8年ほど前からプレミアム電動アシスト自転車用のユニットを提供しており、そのセグメントではグローバルマーケットリーダーとしてのポジションを築いています。ボッシュのユニットは、高い機能性と車体の意匠を邪魔しない優れたデザイン性を両立することにより、ユーザーはモーターの快適なアシストを受けながら、スタイリッシュにサイクリングを楽しむことができます。そして2018年より、ボッシュのユニット「Active Line Plus」を搭載した電動アシスト自転車の新しいモデルが、ビアンキ(Bianch)、コラテック(corratec)、ターン(Tern)、トレック(Trek)、といった人気輸入ブランドの電動アシスト自転車が、ここ日本でも販売されます。

事業の概況
これまでの実績と未来への戦略的な投資に支えられ、ボッシュのモビリティ ソリューションズ部門の売上は堅調な成長軌道を描いています。モビリティ ソリューションズ部門の2016年の売上は全世界で約439億ユーロを計上し、2017年の成長率は前年比7%と世界自動車生産の3倍となる見通しです。日本での売上高も、2017年の日本国内の自動車生産台数を上回る高い成長率が予測されています。

まとめ
ボッシュが考えるモビリティのあるべき姿、その実現にボッシュがどのように取り組んでいるかお分かりいただけたかと思います。安全・快適で環境に優しいモビリティの実現に取り組むわたしたちのモチベーションは、コーポレートスローガンでもある「Invented for life」です。技術によって人々の生活の質(QOL: Quality of life)を向上させることがボッシュの企業活動の最大の目的であり、それは創業当時から今も変わることなく創業者ロバート・ボッシュのDNAとして受け継がれています。ボッシュは、現在訪れている技術の劇的な進化を社会に役立てるために必要とされる専門知識、長年の経験、そして強い熱意があります。今後も自動車業界のリーディングカンパニーであり続けるため、私たちはこれまでのビジネスモデルに固執せず、常にボッシュの企業としてあるべき姿を変化させていきます。

ご清聴ありがとうございました。


PI171026JP | 2017/10/26

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