ベルリン/シュトゥットガルト(ドイツ) – ボッシュは「コネクテッド・マニュファクチャリング(ネットワーク化された製造)」を推進しており、世界ですでに100を超えるプロジェクトが順調に進んでいます。これにより、特に機械設備の稼働率が増大し、生産性と競争力が向上するなど、多くの改善を実現しています。ここではその一部をご紹介します。

ひとつの生産ラインで200種類の油圧モジュールを製造
ホンブルク(ドイツ)にあるボッシュのマルチ製品組立ラインでは、2,000種類以上のコンポーネントから200種類の油圧モジュールを生産することができます。この拠点はネットワーク化が進んでおり、各コンポーネントが自動的に適切なタイミングでオーダーされます。これらのモジュールは、トラックの積載面を傾けたり、トラクターのプラウを昇降するための油圧機器を駆動し、作業を制御するための装置になります。生産ラインの9つのステーションは、スマートなネットワークにより連結されています。ワークピースにはRFIDチップが取り付けられ、どのように完成品を組み立てる必要があるのか、またどのようなステップが必要なのかをステーションで把握できるため、小さなバッチサイズであっても効率的に生産できます。こうした柔軟性が特に重要なのは、モジュールによって受注数が異なるためです。さらに、ボッシュでは異なる種類のモジュールをマルチ製品ラインで受注と同時に製造することができ、これにより機械設備の作業停止期間が短縮し、生産性も向上します。また、油圧コンポーネントの組立てに必要な作業図面が自動的に呼び出され、写真や動画としてディスプレイに表示されます。ディスプレイに表示される情報は各従業員のトレーニングレベルに応じてカスタマイズされ、それぞれの母国語で表示できるため、従業員の作業を最適な形でサポートすることができます。ボッシュが、インダストリー4.0にとって重要な複数の要素をすでに実践に移すことに成功していることを示す例として、分散知能、迅速なネットワーク化、リアルタイムでのコンテクスト化、自律行動などが挙げられます。詳細:http://bit.ly/1QqPUiB (ドイツ語)

インダストリー4.0によりABS、ESCブレーキシステムの生産性が向上
ボッシュにおける成功例:ボッシュは、世界中の自社の製造ネットワークを通じてインダストリー4.0ソリューションを実践し、ABSとESCブレーキシステムの生産性を1年足らずで約25%向上させました。この成果が高く評価され、活動をリードしたブライヒャッハ工場は2015年に、栄誉あるインダストリー4.0アワードを受賞しました。これほど生産性が向上した理由のひとつは、ボッシュが工場の生産ラインに沿って設置した無数のセンサーからデータを収集していることにあります。これらのセンサーは、シリンダーの動き、グリッパーのサイクル時間や製造工程での温度と圧力を測定しています。こうした多くの情報は、明確な構造で、膨大なデータベースにインプットされます。さらに、ブライヒャッハ工場はRFID(無線自動識別)技術を取り入れ、内部での製品の流れをデジタルマップ化しています。実在の工場をコンピュータで生成した仮想表現、いわば「デジタルツイン(Digital Twin)」を作り上げることで、バリューストリーム全体を通じて透明性を確保し、この透明性によってさらに多くのインダストリー4.0ソリューションの実現が可能になっています。

こうしたソリューションのひとつが、機械設備の保守にも活かされています。ここでは、ソフトウェアが機械設備の性能を解析し、あるべき状態から逸脱した場合それを特定して、保守の必要性を適切な時期に伝えます。システムは修理方法についても指示を出し、従業員が行う不具合の検知と対処をサポートします。たとえば、従業員は各自のタブレットに部品交換方法の動画を見ることができるほか、問題をすぐに解決できない場合、ワイヤレスのビデオ通話を使ってエキスパートと話し合い、問題を解決するために遠隔操作でサポートを受けることができます。こうした措置により、予期せぬダウンタイムを減少し、生産性を向上させ、競争力をいっそう高めることも可能になります。

データマイニングにより油圧バルブの試験にかかる時間を短縮
ホンブルク(ドイツ)にあるボッシュの工場は、工場設備の生産工程データを評価することで、油圧バルブの検査時間を18%短縮することに成功しました。現代の製造では高度な最適化が頻繁に行われていることを踏まえると、これほど著しい短縮は非常に大きな前進となります。年間製造個数を4万個とした場合、1年間で最大14日間を短縮できる計算になるからです。この省力化に大きく貢献したのは、完成したバルブ3万個の生産データの解析でした。それまでの数工程の検査結果が良ければ、その後の検査工程を省略しても問題がないことが分かったのです。つまり、既往の検査工程の結果を解析すれば、その後の検査工程の結果を的確に予測できるということです。ここで紹介した例は比較的単純で、実際にはこれよりもはるかに複雑な状況が一般的ですが、こうした相関性が分かれば、時間とコストを節約できるようになります。部品生産量が数百万個のオーダーに達するケースでは、たとえ部品1個あたりに節約できた時間が数秒でしかなかったとしても、それが積み重なり数日となり、節約できたコストは数セントが数百万ユーロになります。新しい相関性を追求する(データマイニングと呼ばれるプロセス)ためには、企業は長期にわたり自社が生成するデータを収集し、適切に評価しなくてはなりませんが、ボッシュは長年これに取り組んでいます。
詳細:http://bit.ly/1Gs46E0 (ドイツ語/英語)

工作機械の予測保守
ボッシュがシュトゥットガルトのフォイヤバッハ工場(ドイツ)とイフラバ工場(チェコ)で生産している製品のひとつに、燃料噴射システム用の高圧ポンプがあります。このアルミニウムハウジングの製造工程の一部に、精密な穿孔やその他部品のフライス加工があります。この工程では大型の工作機械を用いており、その電動駆動装置は「スピンドル」と呼ばれています。ひとつのスピンドルの重量は約50~70 kgで、回転速度は3~4万rpmに達します。スピンドルの作動時の振動はセンサーによって測定され、ソフトウェアがデータを保存・評価します。その振動値が設定された限度値を上回ったことが検知された場合、担当のサービス技術者に知らされます。それをもとに、スピンドルを交換するかどうか、またその時期を決定することができるため、保守計画を立てやすくなり、機械の稼働率と生産性が向上します。こうしたスピンドルなどの機械部品の継続的なモニタリングは「コンディションモニタリング(状態監視)」とも呼ばれ、このように計画してサービスを行うことを「予測保守」と呼んでいます。

品質を保証する超音波グローブ
ロイトリンゲン工場は、他の事業分野以上にeモビリティに力を入れています。パワーエレクトロニクス関連の製造には、多くの手作業が欠かせません。これらの作業に携わる従業員をサポートするために、ボッシュは従業員の手の動きを記録するシステムを導入しました。このシステムは、従業員が着用する特殊なグローブをベースにしています。グローブの位置特定に超音波技術を利用し、従業員の作業が適切化、またどの作業段階を実施しているかをいつでも把握することができます。こうした作業プロセス全体をステップ バイ ステップで完了するまで画面に表示できるため、品質の確保につながります。

無線信号により製品の流れの透明性を確保
世界中の250を超えるボッシュの工場では、部品と完成品を社内で運搬する樹脂製ボックスにRFID(無線自動識別)タグを取り付けています。さらに、製造ショップに通じるすべてのドアにRFIDリーダーを設置し、運搬カートが他のショップに移動すると、物理的に接触しなくても自動的にリーダーがタグを記録するようにしました。これをもとに工場内での製品の流れを示すデジタルマップが作成され、いつ頃部品が生産ラインに到着するのか、いつどれくらいの量の完成品を梱包する必要があるのか、特定の部品がどこにあるのか、在庫水準はどれくらいなのかをいつでも把握することができます。その他にも、どれくらいの量の梱包用の箱が必要なのかを把握し、必要に応じて再発注できるようになります。このRFID技術を導入すると、製品の流れの透明性を確保できるだけでなく、手作業の手間を省き、在庫水準を低く保つことができると同時に、レスポンススピードと生産性が向上します。ボッシュはこのようにして、より無駄の少ない物流管理プロセスを実現しています。このRFID技術を活用することで、ボッシュはホンブルク工場内の物流の生産性を約10%向上し、製品の在庫を約3分の1削減することに成功しました。

中国:RFID技術により棚卸時間を97%短縮
中国の蘇州にあるボッシュの工場では、毎年行う機械の棚卸は大変な労力を要する作業でした。第1工場には4つの製造エリアがあり、各エリアに最大2,500台の機械、テストベンチ、測定機器が置かれています。ABSの製造用だけでも、棚卸は場合によっては最大1カ月を要し、各従業員が紙で出力されたリストをもち、棚卸を手作業で記録することもありました。しかし、現在はネットワーク化が進み、棚卸はわずか4時間で終わるようになりました。すべての機械/設備アイテムにRFID(無線自動識別)トランスポンダーを装着し、物理的に接触せずに物を特定できるようになったからです。これにより、従業員はノートPCとアンテナを装備したRFIDトロリーを押して製造ショップ内を歩くだけで済むようになりました。移動するにつれて、トロリーはRFID技術を駆使し、自動的に機械と装置を特定できるため、棚卸にかかる時間が97%、つまり440時間削減しました。

群知能を備えたトランスポーター
ボッシュのニュルンベルク工場のエンジニアは、群知能を装備した自動ナビゲーション式無人運搬システム「AutoBod」を開発し、その試験をクリアしました。二輪タイプの「AutoBod」はさらに4つの補助輪を装備しており、事前オーダーされた生産材料を自動的にタイミングよくピックアップし、これらの材料を生産ラインに運びます。システムはレーザーセンサーを用いて、初回走行中に作成したマップに従ってAutoBodをナビゲートし、障害物を認識した場合にはそれを回避させ、さらに障害物に関する情報を他のAutoBodにも無線で送ります。こうした集団的行動の基礎となっているのは、各Autobodの位置、電気駆動装置の充電レベルと保守状態に関するデータです。これらをもとに、ピックアップ地点に最も近く、他の作業をしていない、バッテリーが十分充電されているAutoBodに指令が送られます。こうした知性を備えたAutoBodは、プログラミングされたルートから逸脱できない他の無人運搬システムとは一線を画しています。従来の無人運搬システムとは異なり、このAutoBodのために工場内に大がかりなインフラを設置する必要はありません。手間はAutoBodを配備するだけなので、運搬にかかる時間と労力を節減できるだけでなく、省スペースで済み、棚卸を著しく省力化できます。

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このプレスリリースは2016年3月10日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
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