往来が盛んな大都市において運送や日々の通勤で活躍する電動の小型車両は、アジアの大都市圏のモビリティを支えているだけでなく、一般的な交通手段のひとつとなっています。この数十年で電動スクーターはアジアの都市生活に広く浸透しました。1998年の販売台数は約5万8,000台でしたが、現在はその数が毎年約3,000万台を上回るまで発展し、中国だけでも約2億台の電動スクーターが使用されています。

数多くの乗用車やバスが行き交う、非常に混雑した都市での移動には、こうした電動スクーターが大きな威力を発揮します。もちろん、他の国で大きな通りを頻繁に行き交っているのがこうした電動の小型車両ばかりではありません。街中で電気自動車のSUVを見かけることが急激に増えてきたほか、特に中国では、欧州で販売されているロングホイールベースの車両の人気が高まってきており、インドでも二輪車から大型セダンにシフトする傾向が見られます。

確かに世界各地でこうした傾向は見られるものの、都市部で必要とされるeモビリティが単により大きな車内空間とより長い航続距離を求めているとは考えていません。都市をクルマで移動する距離はさほど長くないため、そのどちらも必要不可欠な条件ではないからです。また、小型の車両は混雑した道路でも小回りがきき、小さなスペースへの駐車も簡単です。

都市で暮らす人々の実用主義にも新たな傾向が見え始めました。クルマはステータスのシンボルではなく、モビリティの基本的な目的に立ち返り、ある地点からある地点へできる限り早く確実に到着できるものであるべき、という考え方です。ブーランダーが先ほど述べたように、特に大都市圏で暮らす人々は、ストレスを感じず、排気ガスも出ない、シンプルでリーズナブルな移動手段を求めるようになってきました。

問題は、電動スクーターなどの小型車両に依存せざる得ない基本的なeモビリティが、中国、台湾、ベトナムなどの国以外でも通用するどうかですが、ボッシュは、電動の小型車両が世界中に明るい未来をもたらしてくれると考えています。ボッシュが特にこのセグメントで都市のeモビリティ化が進むと考えているのは、スクーターや「Smart」とほぼ同じサイズの小型四輪車を含め、約1億台の軽量電気自動車が2020年までに世界中で生産されると見込んでいるからです(出典:ボッシュ「Future Mobility Trends」)。

本日は、新たなアーバンモビリティにつながる2つのプロトタイプをご紹介します。その2つとは、コンパクトな4シーターの「eGo」と、旧東ドイツ国民の足として活躍していたスクーター「Schwalbe(シュヴァルベ)」(ドイツ語でツバメの意)を大きくモデルチェンジした電動スクーターです。そのどちらにも、ボッシュのソリューションが動力源として採用されています。ボッシュが開発したのは、特にアーバンモビリティに対応した、エンジン、コントロールユニット、バッテリー、バッテリーチャージャー、ディスプレイやアプリを統合した、二輪、三輪、四輪の各車両向けのシステムです。

  • パワフルな48Vドライブユニット:バッテリーから引き出したエネルギーを最大ブーストに変換
  • コントロールユニット:「パワートレインの脳」となり、完璧な操舵を実現
  • 充電式のリチウムイオンバッテリー:高いエネルギー密度を保証
  • バッテリーチャージャー:一般の家庭用コンセントで高速充電可能
  • ディスプレイ:システムに関するあらゆる情報をはっきり表示+さまざまな走行モードを選択可能
  • クルマとドライバー間の通信:Bluetoothインターフェースやアプリを経由
これらの小型車両には、排出ガスが少なく、騒音が小さいというメリットもあります。こうした複数のメリットから分かるように、この新開発のシステムは、都市の効率的な移動を目指しただけのものではないのです。また、優れた発進加速性能も、ユーザーを魅了する要素であると考えています。そう遠くないうちに、ボッシュの財務部門の責任者たちもこのシステムがもたらす利益に喜んでくれるでしょう。私たちは、この48Vシステムが年間100%を超える内部成長につながると期待しているからです。

このシステムはすべて既成の自動車用コンポーネントで構成されているため、メーカーは生産試験をクリアした部品をそのまま用い、製品を速やかに市場投入することができます。つまり、ボッシュが開発したシステムを使用すれば、大手OEMだけでなく、スタートアップ企業も、車両を非常に短い期間(12~18カ月)で市場投入できることになります。また、このシステムは拡張しやすいため、車両クラスや希望の出力レベルに応じてシステムのコンポーネントをさまざまに組み合わせることができます。たとえば2つ目のバッテリーパックを追加すれば、車両の航続距離を2倍に引き上げることも可能になります。メーカーはもちろん、都市部を電動車両で移動したい人は誰でも、このシステムを通じて複雑さとコストを抑えることができます。

最後に、小型車両セグメントを通じてeモビリティがいっそう進展するとボッシュは信じており、モジュラー式48Vシステムなど、このセグメントに最適なパワートレインをそのためにボッシュはご提供していることをお伝えしたいと思います。


このプレスリリースは2017年07月04日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
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