シュトゥットガルト、モンハイム(ドイツ) – 世界の人口増に伴い、1人当たりの可耕地面積は減少しつつあります。国際連合食糧農業機関(FAO)の予測では、世界人口を養うためには、2050年までに食料生産量を50%増やす必要があるとされています。この方程式を将来も成り立たせるために、農業には作物の保護と技術革新が欠かせません。また、どちらも可能な限り環境に優しいものである必要があります。これを実現するために、ボッシュとバイエルが協力し、3年間の研究パートナーシップの一環として、農薬をより効率的に使用するスマートな散布技術を開発しています。「スマート散布は持続可能なかたちで畑を除草できるため、収穫量を確保しながら環境を保護することができます」と、ボッシュの取締役会メンバーであるマルクス・ハインは述べています。この研究コンセプトは、今年ハノーバーで開催される農業技術展「アグリテクニカ (Agritechnica)」で発表される予定です。

散布と節減
畑では、トウモロコシや小麦などの作物が水、栄養、日当たりの良い場所をめぐって雑草と競り合っているため、状況によって収穫量が低下します。現在のところ、こうした好ましくない雑草を効率的に除去する唯一の手段は除草剤の大規模使用となっていますが、雑草は必ずしも畑全体に均一に生えているわけではありません。このため、作物や耕土にも除草剤がかかることになり、環境に悪影響を与える可能性もあります。「そこで私たちは力を合わせ、さまざまな技術と専門知識を組み合わせることで、新しい境地を開拓したいと考えています。私たちが目指しているのは、本当に必要な場所にだけ除草剤が使用されるようにすることです」と、バイエルのデジタル農業責任者を務めるTobias Menneは話します。特に困難なのは、生え始めの段階で雑草を見分けることです。新しいスマート散布技術は、カメラセンサーを使って作物と雑草を見分け、特殊な技術によって雑草に的を絞って農薬を散布し、環境に与える影響を低減することができます。「このスマート散布により、私たちは畑を一段とインテリジェントなものにしようとしています」と、ボッシュの商用車およびオフロード車部門を率いるJohannes-Jörg Rügerは述べています。スマート散布と市場に出回っている従来のシステムとで大きく異なるのは、従来のシステムは緑色のものを検知するだけで、作物と雑草を区別できないことです。

目印をつける
スマート散布の仕組みは、次のようになります。まず農家が畑に出る前に、デジタルの「フィールドマネージャー」が畑の状態を評価し、雑草を処理する最適な時期を推奨します。雑草はワンステップで正確に特定され、農薬は散布車が畑を横切る時に単一のプロセスで散布されます。この時、散布車の幅全体にわたって取り付けられた複数のカメラが連続写真を撮影し、さまざまな雑草を特定して最適な処理が決定されます。そして、散布車が畑を横切っている間に、適切な散布パラメータを用いて、必要な量と配合で除草剤が散布されます。その際、問題となる雑草が標的にされるため、雑草のないエリアに散布されることはありません。 しかも、これらはすべて数ミリ秒内という一瞬の速さで行われます。

「スマート散布は、雑草との戦いにおいて飛躍的な進歩となります」と話すのは、バイエルのデジタル農業部門を率いるBjörn Kiepeです。「この方式は、最新の雑草識別技術と、状況に応じて異なる活性物質を適用する能力を組み合わせています。このプロセスは非常に正確で、空間分解能は1mをはるかに下回っていますので、農家は持続可能な作物保護を一段と実践しやすくなるはずです」。ここで最も重要になるのが、システムが前処理やさまざまな活性物質の相互作用、さらに雑草に耐性を生じさせないよう可能な限り高効率な除草剤の使用を考慮に入れることです。

ボッシュが近年力を入れているのは、極めて有効なセンサー技術、インテリジェントな分析手順や選択的散布システムといった研究分野で、バイエルもこの研究において、地理情報システム(GIS)の分野で培った経験を活かしています。これには総合的な作物保護、配合技術や散布技術など、農業関連の意思決定の基盤となるアルゴリズムの開発が含まれています。

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このプレスリリースは2017年09月14日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
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