経営情報

ボッシュ・グループ 年次記者会見2018

ボッシュ株式会社
代表取締役社長、クラウス・メーダー
取締役副社長、森川 典子によるスピーチ
2018年6月6日


本稿は実際の内容と異なる場合があります。

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  • 2018/06/06
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スピーチ

ご来場の皆さま

本年もボッシュ・グループの年次記者会見にお越しいただき、ありがとうございます。2017年7月に私が代表取締役社長に就任以降初めての年次記者会見です。現在私たちを取り巻くビジネス環境は、大きな変革期を迎えています。
コネクティビティが様々な業界に変化をもたらそうとしており、特にモビリティの分野では、コネクティビティの他に、自動化、電動化、モビリティ・サービスのトレンドがここ数年で大きく前進しました。ボッシュは、こうしたトレンドの前進を後押しするテクノロジーが日本の皆様の生活に貢献するよう努めております。
本日は、こうしたボッシュ・グループの日本における活動の成果を紹介させていただきます。具体的な活動のハイライトについては後ほどお話しいたしますが、その前に弊社の取締役副社長の森川より2017年の業績と2018年の見通しについてご説明いたします。

2017年、全世界におけるボッシュ・グループの売上は過去最高の781億ユーロ
ボッシュ株式会社で管理部門を統括しております取締役副社長の森川典子でございます。私からも本日ご足労をいただきましたことに御礼を申し上げます。日本での業績のハイライトを紹介する前に、先日発表されたボッシュ・グループの全世界での業績を簡単に紹介いたします。ボッシュ・グループの2017年の売上高は過去最高の781億ユーロを記録し、前年の731億ユーロから6.8%増加しました。これは予測を上回る成長率で、ボッシュは目標としている成長軌道をしっかりと維持しています。この業績改善にはすべての事業セクターが貢献しましたが、特にモビリティ ソリューションズ事業の売上増加が顕著で、売上高は前年比7.8%増加の474億ユーロに達しました。同年の世界の自動車生産台数の伸びは2.4%だったため、弊社モビリティ ソリューションズ事業の成長率はその3倍に相当します。2017年の地域別業績では、北米を除くすべての地域でプラス成長を達成しました。特に目覚ましい発展を遂げているのはアジア太平洋地域で、この地域におけるボッシュ・グループの売上高は前年から14%増加し236億ユーロに達しました。売上高以外にも、2017年は営業利益率が著しく改善しました。特に支払金利前税引前利益(EBIT)については、前年と同一条件で見た場合、前年比6.8%増加し53億ユーロとなりました。また、前年は69億ユーロだった研究開発費は、2017年に約73億ユーロに増加しました。その先行投資の主な対象分野となっているのは、ドライバー アシスタンス システム、特に自動運転機能、ディスプレイ分野、インフォテインメントシステム、センサー技術です。これと並行し、私たちはより効率的な内燃機関やeモビリティを実現する最先端のパワートレイン技術の開発にも力を注いでいます。

では、今後の展望についてですが、アメリカと中国の経済摩擦など地政学的要因に由来する一連の経済的リスクは想定されるものの、私たちは2018年の売上高も増加するものと予測しています。本日ここでご説明いたしましたのは、簡単な事業報告です。より詳細な業績報告については弊社のプレスページにて資料をご確認ください。

2017年、日本国内におけるボッシュ・グループの売上高は前年比10%増
全世界での業績は過去最高を記録し、予測以上の成長を遂げることができましたが、2017年は日本のボッシュ・グループにとっても大きな躍進の年でした。2017年の日本における第三者連結売上高は、前年比約10%増加の約2,950億円でした。これは昨年の日本国内の自動車生産台数の増加率5%を大きく上回る結果となりました。パワートレイン関連や世界的に高まる自動車安全の需要に応えた先進安全運転支援分野を含むセーフティーシステム向け製品の取引拡大が売り上げ増加に貢献しました。モビリティ ソリューションズ以外の事業では、医療品向け検査・包装機器の売上が増加したほか、アジアの景気回復を受け、油圧や電動駆動の産業機器向け製品の売上が回復したことが要因として挙げられます。
2018年の売上高は、モビリティ ソリューションズ事業の堅調な拡大が見込まれ、3%から5%程度増加すると予想しています。第一四半期の売上高は前年同期比で6%増加し、2018年のさらなる売上増加へ向けて順調な滑り出しとなりました。

日本の自動車メーカー*1への売上高は約11%増加
このようにボッシュは、日本国内で大きな成長を実現することができたのですが、日本のボッシュ・グループの活動は日本国内にとどまりません。日本のボッシュ・グループは、全世界で日本の自動車メーカーのビジネスをサポートする役割を担っています。ボッシュの全世界における日系自動車メーカーへの売上は、2013年からこれまで前年比、年平均2桁の割合で順調に増加してきました。2017年もまた前年比約11%という力強い成長を記録し、日系自動車メーカーの世界市場での生産台数の増加率3%を大きく上回る結果となりました。また、前述のパワートレインや安全運転支援向けの製品に加え、カーナビゲーション製品や世界的に対応が急務となっているサイバーセキュリティー対策となるゲートウェイコンピューターの分野でも、日系自動車メーカーとの取引が拡大しました。それでは、メーダーよりボッシュの成長軌道を裏付ける具体的な事業のハイライトについて説明させていただきます。
*1 日系自動車メーカーには、二輪車メーカー、農建機メーカーを含む

自動化:ボッシュ ロード シグニチャーとVMPSによる自車位置推定技術
まず、弊社最大のビジネスセクターであるモビリティ ソリューションズ事業における業績のハイライトを紹介させていただきます。現在、自動運転、コネクテッドカー、電気自動車に関する報道を見ない日はないほど、これらのトレンドに大きな注目が集まっていますが、ボッシュは2013年のフランクフルトモーターショーにおいて、すでに自動化、ネットワーク化、電動化の3つの柱への注力を発表していました。日本においても、それぞれの分野で一定のマイルストーンを達成することができました。自動運転の分野では、日本特有の交通事情に対応した自動運転システムを開発するために2015年から公道試験を行っており、2017年末から日本政府が推進する自動運転の開発プログラムSIP-adusに参画しています。自動運転を実現させるためには、クリアすべき重要なステップがいくつかあります。車体周囲の360°センシングや高い処理能力を持つ車載コンピューターの実現などがあり、ボッシュはそれぞれの分野で活発な研究開発を行い、横断的な知見を蓄積しています。自車位置の推定も重要なステップのひとつであり、本日は日本国内における自車位置推定の研究開発についてご紹介します。自動運転車両の自車位置推定において、ボッシュは「ボッシュ ロード シグニチャー」という車載レーダーとカメラを使用した高精度マップのローカリゼーションレイヤー*2の開発に取り組んでいます。欧州、中国での主要マッププロバイダーとの協業に続き、日本ではインクリメントP社と協力して実証実験を行いました。この実証実験では、ボッシュのローカリゼーションレイヤーをインクリメントP社がダイナミックマップ基盤株式会社のデータを取り込んだ高精度マップに統合させ自動運転用マップを作成し、公道での自動運転を成功させました。ボッシュはあらゆる環境、交通シーンにおいて確実に動作する自動運転システムを実現するために、ボッシュ ロード シグニチャーに加え、衛星測位システムを使用した自車位置推定技術の開発にも取り組んでいます。Vehicle Motion and Position Sensor(以下VMPS)と呼ばれるこのシステムでは、レーダーやカメラで検知する対象物が少ない環境でも自車位置を推定することができます。VMPSが有効な環境をひとつご紹介しましょう。日本は国土のうち半分が豪雪地帯の世界でも有数の雪国です。大量の降雪や積雪といったレーダーやカメラでは周辺状況の検知が難しい環境においても、衛星測位を使用したVMPSでは自車位置を推定することが可能です。先ほど自動運転におけるボッシュの知見の広さについて触れましたが、自車位置推定技術はボッシュが今注力している分野のひとつです。
*2 自車位置推定のために使われる地図の校正要素

自動化:CDRが日本市場で本格導入
自動緊急ブレーキやレーンキープアシストなどの先進安全システムや自動運転システムを搭載した車両では、コンピューターで制御されたシステムが意図した通りに作動しているかを理解する必要があります。Event Data Recorder(以下EDR)は、事故発生時の車両の状態を記録するもので、速度、ブレーキ操作、ステアリング操舵角などのデータを記録します。EDRには、事故発生時の車両の状況を知るための重要なデータが保存されており、いわば航空機のフライトデータレコーダーのような存在です。日本では自動運転車両へのEDRなど記録装置搭載の義務化と、それにともないデータ読み出しツールを活用するための環境整備が検討されています。昨今の報道によりますと、3月に開催された未来投資会議では、2020年をめどに記録装置搭載の義務化を含む制度整備のための大綱がまとめられました。そして、このEDRからデータを取り出すためのツールが、ボッシュのCrash Data Retrieval(以下CDR)です。ボッシュは、EDRのデータ取得において17年の実績を持つリーディングカンパニーであり、ボッシュのCDRは17メーカー、51ブランドのEDRに対応している世界No.1*3のツールです。これまで日本ではハードウェアのみ販売していましたが、2017年末よりデータ解析トレーニングの提供も可能になりました。日本でのトレーニング体制を強化したことにより、自動車メーカー各社、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社など大手損保各社、科学警察研究所や警視庁などの警察組織でCDRを使用いただいております。CDRによる事故データの分析は自動運転車両だけでなく、CDRに対応している全ての車両に対して、事故原因を分析する有効なアプローチとなります。
*3 対応メーカー数、車両数において世界No.1(2017年時点、当社調べ)

ネットワーク化:日本国内での後付けeCall販売で富士通株式会社と提携
モビリティの自動化は、より安全な交通を目指すための1つのアプローチですが、もう1つの重要なアプローチがネットワーク化です。2016年の年次記者会見で、後付けできるeCall(自動緊急通報)用アダプターをご紹介したことを覚えている方もいるかと思います。今年1月にラスベガスで開催されたCESでは、eCallに加え運転行動の分析ができる新しいデバイス「テレマティクスeCallプラグ (以下TEP)」を発表しました。そして日本国内では、富士通株式会社とともにTEPを販売することで合意に至りました。日本国内におけるITソリューション展開に長年の経験を持つ富士通株式会社との提携により、安全と利便性をもたらすTEPを日本のお客様に幅広く提供できることを大変喜ばしく思います。TEPは、自動車のシガーソケットに差し込むだけで、プラグに搭載されている加速度センサーと一体型のマイクロコントローラーが衝突の衝撃を検知するだけでなく、加速度、ブレーキ、ステアリング操作などの運転行動データを収集します。ちなみに、TEPはUSBソケットを備えているため、TEPを使用している間もスマートフォンの充電が可能です。TEPは衝突を検知すると、プラグとBluetoothで接続しているドライバーのスマートフォン経由でGPSの情報などを含めた自動通報が発せられます。eCallにより、救急隊員が事故現場に到着するまでの時間が、市街地では約40%、郊外では約半分に短縮するという試算がドイツで出されています。TEPでは、eCallと同様の原理で運転行動データの収集も可能なため、運転行動に連動したテレマティクス自動車保険の提供や既存のドライバー向けサービスの向上に活用することができます。

ネットワーク化:コネクテッド モビリティ サービス事業部の新設
このようにネットワーク化は、より安全な道路交通に貢献しますが、それだけではありません。ネットワーク化により私たちのモビリティ(移動体験)は、より便利で自由なものになります。ボッシュは、社会や人々の生活に役立つコネクテッド モビリティを実現させたいと考えています。そしてこの目標は私達の既存の事業領域を超えます。ボッシュは2018年2月に「コネクテッド モビリティ サービス事業部」を新設しました。これは、ボッシュがサービスプロバイダーになろうとする確固たる決意を表すもので、新しい事業部のソリューションにより2桁成長を目指しています。この計画の一端に担うのがアメリカのスタートアップ「SPLT」の買収です。SPLTは企業や通勤者にライドシェアのためのプラットフォームを開発している企業で、アプリを通じて同じ場所に通勤・通学する従業員や学生にライドシェアのマッチングの機会を提供します。ライドシェア事業への参入に加え、コネクテッドパーキング、予防診断、EV向けの充電アシスタントサービスなどボッシュの持つ全てのコネクテッドサービスを新しい事業部に集約させました。日本ではコネクテッドサービスのための専門の組織はまだ設立されていませんが、各事業部の担当チームがサービスの開発に取り組んでいます。ネットワーク化はボッシュのモビリティ関連事業にとって不可欠な要素ですが、これはモビリティに限ったことではありません。後ほどご紹介する製造現場や新しいスマート農業向けソリューションでもネットワーク化がすでに事業の核となっています。

パワートレインと電動化:eモビリティと内燃機関の両事業を拡大
自動化とネットワーク化がどれほど利便性をもたらしても、自動車が清浄な大気環境の保全に貢献できなくては意味がありません。ボッシュは、最新の内燃機関とeモビリティの両方を用いて大気環境の改善に取り組んでいます。
ボッシュはこれまで、eモビリティに多大な投資をしてきました。そして、今その最初の成果が現れつつあります。今日ボッシュの部品を搭載した電動化車両がすでに80万台も世界各国で走っており、現在ボッシュは30以上のeモビリティの顧客プロジェクトを手掛けています。昨年には、eモビリティ向けの一体化電動車軸eAxleと48Vバッテリーの量産を発表しました。どちらも2019年前後に量産が始まる予定です。

今後、都市部やインフラの整った市場でモビリティが電動化していくかと問われれば、その通りでしょう。しかし、今後長期に渡って内燃機関とモーターが共存し続けることも忘れてはいけません。2025 年には約 2,000 万台のハイブリッド車および電気自動車が生産されるとボッシュは予測しています。しかし、同じく2025年の段階でおよそ 8,500 万台のガソリンまたはディーゼルを燃料とする新車が登録される見通しです。

ボッシュでは、エンジニアたちが環境保護のために最適な技術を使って最新の内燃機関とeモビリティの開発に取り組んでいます。将来的には、すべての電動化車両が何がしかのボッシュの部品を搭載しているようになるでしょう。それと同時に、ボッシュはディーゼル技術の将来にも取り組んでいます。ボッシュは、ディーゼルの技術的改良によりNOx(窒素酸化物)排出量を大幅に減らすことに成功しました。この技術を搭載したテスト車両では、1km走行あたりのNOx排出量が平均で13mgまで抑えられました。これは、2020年にヨーロッパで導入される規制値を大きく下回ります。私たちはディーゼルエンジンがパワートレインの選択肢として、今後も重要な役割を担うと信じています。eモビリティがマスマーケットになるまで、高効率な内燃機関は必要です。

内燃機関の重要性についてお話ししましたが、これはASEANでも顕著な傾向です。ASEANにおける2025年の生産台数のじつに9割近くが内燃機関を搭載いていると予測され、この数値は全世界と比較してより高い割合です。このASEAN市場は、今もっとも成長著しい市場のひとつです。実際に、タイで2016年に生産された車両は200万台近くにのぼり、イギリスやイタリアを大幅に上回りました。ASEANでは、日系自動車メーカーが9割近くのシェアを持っているため、ASEANで日本のお客様をサポートすることは我々日本のボッシュの重要な役割です。
ボッシュでは、こうしたASEANにおける需要の高まりに対応するため、2017年末タイに燃料噴射製品などを製造するヘマラート工場を新たに開設しました。ヘマラート工場は研究開発機能も備えているため、製造に加え研究開発の面でもタイ現地でお客様により迅速で密接なサポートが提供できるようになりました。また、ベトナムのドンナイ工場では2011年から無段変速機用のプッシュベルトを製造していますが、今後6,000万ユーロを投じて生産能力を拡大させる予定です。このように、ASEAN現地での製造・研究開発を推進することで、日系自動車メーカーのサポート体制をさらに強化させてまいります。

二輪車向け先進安全システム:レーダーを使用したライダー アシスタンス システム
モビリティ事業最後のトピックは、二輪車向けの先進安全システムです。四輪車向けの安全運転支援システムは交通安全に貢献してきましたが、二輪車をライダーにとってより安全なものにするために、さらに改善の余地がありました。ボッシュは二輪車の安全性をさらに向上させるため、アダプティブ クルーズ コントロール(ACC)、衝突予知警報、死角検知を含むライダー アシスタンス システムを開発しました。これらのシステムを支えているのは、レーダーセンサー、ブレーキシステム、エンジン制御システムとHMI(ヒューマン マシン インタフェース)を組み合わせた技術です。ボッシュの事故調査報告によると、レーダーベースのアシスタンスシステムを装備すれば、二輪車事故の7件に1件を防ぐことができたとされています。レーダーが二輪車の感覚器官としての役割を担うことで、新しい二輪車向け安全支援機能は二輪車の周囲の状況を正確に把握することが可能となります。安全性だけでなく、ライダーの走行快適性も高めることで、ライディングの楽しさと利便性の向上にもつながります。この新しいライダー アシスタンス システムは2020年から量産が開始し、Ducati、KTMなどの二輪車メーカーの車両に採用される予定です。この新たなアシスタンス システムは、二輪車産業の世界的な中心である日本に本部を置くボッシュの二輪車事業をさらに拡大させることになるでしょう。ボッシュの二輪事業は、2015年にビジネスユニットが新設されて以来二年連続で売上を20%以上伸ばしています。ボッシュは、2020年までに二輪車向けテクノロジーで10億ユーロの売上高達成を目指しています。

コネクテッド インダストリー:PPMが社内外の製造現場で採用
日本のモビリティ ソリューションズの業績についてこれまで紹介させていただきましたが、私たちはモビリティ以外の分野でも活発にネットワーク化を推進しています。最初の例として、最近栃木工場に取り入れられたコネクテッド・インダストリーのアプリケーション「Production Performance Manager(以下PPM)」をご紹介します。このアプリケーションは、製造機器をリアルタイムでモニタリングし、予知保全を可能にするもので、栃木工場では自動車用横滑り防止装置ESPの加工機の故障を予知するために使用されています。PPMによる予知保全が可能になったことで、適切なメンテナンスの計画が立てられるようになり、弊社の試算によると突発的なラインの停止に伴う年間あたり約580万円の損害を防ぐことができます。このPPMにはユニークな点が3つあります。まず1つ目は、測定したデータを装置側で加工・分析するエッジコンピューティングを採用している点です。取得したデータは、エッジコンピューティングにより装置側で予知保全に必要な情報に加工できるようになります。2つ目は、ボッシュの製造現場で実際に使用され、そのノウハウが反映されている点です。ボッシュは、コネクテッド・インダストリーにおいて、リーディング ユーザー/リーディング プロバイダーという2つの役割を戦略に掲げています。つまり、自社で使用され、その効果が実証されたアプリケーションを外販する、という戦略です。このデュアル・ロール戦略がPPMの3つ目の強みにつながります。ボッシュは、この予知保全のソリューションを自社で開発し、自社工場で使用してきました。そのため、データの収集と解析だけでなく、解析結果の活用までサポートする体制を整えています。PPMはボッシュ・グループのソフトウェア システムハウスとして、ソフトウェアとIoTソリューションの設計、開発、運用を受け持つボッシュ ソフトウェア イノベーションズによりグループ内だけでなく外部にも販売されており、日本国内のお客様にもご使用いただいております。

スマート農業:2019年よりハウス栽培のイチゴときゅうりの病害予測に対応
本日ご紹介する最後のトピックは、昨年の年次記者会見で発表したハウス栽培農作物向けの病害予測サービス「Plantect」です。Plantectは、これまで予測が難しかった病害の感染リスクにセンサーとAIを使って対応することで約92%という高い病害予測を実現したサービスです。発表当初から、農家の皆様には高いご関心をお寄せいただきました。昨年発表したばかりのこの新しいサービスは、発売から1年弱の間に大きな発展を遂げることができました。2017年8月の販売開始から、累計約2,000台のセンサー等デバイスを出荷しました。将来的には、2020年をめどに日本国内でハウス栽培を行う農家の10%程度をPlantectによりサポートしたいと考えており、現時点ではこの計画に向け販売計画は順調に推移しています。現在、Plantectはトマトによく出現する灰色カビ病の予測に対応していますが、2018年5月に葉カビ病の予測サービスも開始しました。さらに2019年には、現在対応しているトマトに加え、イチゴときゅうりの病害予測サービスの提供を開始する予定です。対応作物を増やすことは、市場シェアを拡大させるうえで重要なマイルストーンのため、来年新たに2つの作物への対応が可能になることで、Plantectの事業拡大に大きく貢献すると期待しています。ボッシュはIoTサービスを開発する上で必要になる3つのS、センサー、ソフトウェア、サービス全ての分野で活発に活動をしている世界でも数少ない企業です。Plantectはボッシュが持つこれらの強みにAIを組み合わせることで実現したサービスで、ボッシュの事業領域を拡大させることにつながりました。Plantectは、IoTを使った事業領域の拡大以外にもボッシュにとって大きな意味を持つサービスです。ボッシュは、「Invented for life」をコーポレートスローガンに掲げており、その企業活動の最大の目的はテクノロジーによって人々の生活の質(QOL: Quality of life)を向上させることです。Plantectはこのスローガンを体現したサービスで、精度の高い病害予測により農家の皆様のQOL向上に貢献します。このようなサービスが日本から生まれ、1年弱の間に大きな進展を遂げたことを大変喜ばしく思います。

まとめ
今回の記者会見では、ボッシュの日本国内における数ある活動のうち、いくつかのハイライトを紹介させていただきました。コネクティビティやAIなどデジタル化による待ったなしの変革が今まさに訪れているところです。ボッシュは、テクノロジーの劇的な進化を社会に役立てるために必要とされる専門知識、長年の経験、そして強い熱意があります。私たちは今後も、ボッシュの先進技術を日本でも実用化させ、日本の皆様のQOLを高めることに貢献していく所存です。

ご清聴ありがとうございました。



C/CCR-JP-20180606-03 | 2018/06/06

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