シュトゥットガルトおよびバンベルク(ドイツ) – 水素技術の開発を推進するボッシュは、3月にHybrion PEM電解スタック(PEM =プロトン交換膜)を正式発表した後、バンベルクの拠点にある水電解装置で2基のスタックを稼働させました。総出力2.5メガワットのこの装置は、再生可能電力で水を水素と酸素に分解し、欧州の再生可能水素の要件を満たしています。同時に、バンベルクでの水電解装置の運転開始は、新たな章の始まりを告げるものです。この水電解装置は、水素の生産、貯蔵、使用に関するさまざまな方法を実証するために構築された水素エコシステム全体の一部です。「水素は、ドイツと欧州が社会として達成しようとしている、クライメートニュートラルな世界において中心的な役割を果たすものであり、理想的なエネルギー源です。水素はほぼどこででも、クライメートニュートラルな方法で生産、貯蔵、輸送が可能です。「ボッシュにとって、水素は引き続き戦略的に重要な事業です。ボッシュの水電解装置の正式な稼働開始と水素エコシステムの始動は、私たちにとって重要なマイルストーンです」とロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバー兼モビリティ事業セクター統括部門長であるマルクス・ハインは述べています。

ドイツのゴスラーに拠点を置くFEST社が建設した水電解装置の心臓部には、バンベルクで製造されたボッシュの電解スタックHybrionが2基、設置されています。各スタックの出力は1.25メガワットで、水と電気から1時間あたり約23kgの水素を生成します。フル稼働時には、この水電解装置は1日あたり1トン以上の水素を生成可能です。これは、ボッシュの燃料電池パワーモジュール(FCPM)を搭載した40トンの電気トラックが、最大1万4,000km走行するのに十分な水素です。

バンベルクの水素設備では、ボッシュの燃料電池スタックを搭載したこのようなFCPMが「ライフタイムコンテナ」内で連続運転し、その耐久性がテストされています。FCPMを駆動する水素は、水電解装置からパイプラインネットワークを経由してコンテナに供給されます。ここでは、前段のPEM電解スタックで実行されていた水素生成プロセスが逆向きに作動します。水素と酸素がFCPMの燃料電池スタックに供給され、そこで反応して水と電気エネルギーを生成します。 FCPMによって生成された電気は水電解装置に戻され、そこで水電解装置のテストと現地での水素製造の両方に使用されます。FCPMの耐久性と信頼性を確保するために、ライフタイムコンテナ内での24時間体制のテストでは、幅広い使用シナリオを再現します。FCPMの大規模生産は、2023年半ばにボッシュのシュトゥットガルト=フォイヤバッハ工場で開始されました。この技術は最近、権威あるドイツ大統領未来賞にノミネートされました。パワーソリューション事業部長のトーマス・パウアーは、次のように述べました。「ボッシュは水素技術を大規模に展開できます。私たちは早い段階でこの分野に参入し、先行投資を行ってきました。現在では市場投入可能な技術ソリューションを提供しており、燃料電池パワーモジュールもそのひとつです。ドイツ未来賞にノミネートされたという事実は、このボッシュのテクノロジーが最先端であることの証です。そして、それは燃料電池と電気分解のどちらにも当てはまります」

バンベルクには、同工場で製造されるHybrion PEM電解スタック用の第2テストステーションも設置されています。ボッシュは、スタックを顧客に納品する前に、この施設で実際の動作条件下において確実に性能と効率を達成できることを確認します。たとえば、さまざまな負荷プロファイルを再現して、各スタックの電気的変動に対する反応をテストします。さらに、すべてのHybrionスタックは納品前に活性化されるため、顧客の施設ですぐに使用できるようになります。水素環境のもうひとつの特徴は、高さ21メートルの水素タンクです。このタンクでは、電気分解によって得られた水素を最大50バールで貯蔵できます。

ボッシュはすでに2025年に電気分解テクノロジーにおける最初のマイルストーンを達成しています。春の市場投入に続き、Kyros Hydrogen Solutions、Neumann & Esser、Pietro Fiorentiniおよびその子会社Hyterなどの企業を含む、さまざまな顧客やパートナーへの納品を開始しています。

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このプレスリリースは2025年11月05日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
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