タニア・リュッカート
ロバート・ボッシュGmbH取締役会メンバー
ポール・トーマス
ボッシュ北米法人社長 兼 ボッシュ モビリティ北中南米地域プレジデント

2026年1月5日
CES®にて


タニア・リュッカート:
皆様、おはようございます!CES2026、ボッシュのプレスカンファレンスに、ようこそお越しくださいました。

ポール・トーマス:
皆様、おはようございます。ようこそお越しくださいました。現地でそしてライブストリームでご参加いただき、ありがとうございます。

タニア・リュッカート:
自動車機器、産業機器、電動工具、家電製品、マイクロチップ。ボッシュが多角的企業であることは、みなさんご存じでしょう。しかしボッシュは、幅広い専門知識を有しているだけでなく、多くの企業が課題として認識しているギャップを埋めることができます。それは、現実世界とデジタル世界とのギャップです。

多くの企業はどちらか片方を専門としています。モノとソフトウェアの両方で同程度の能力を有する企業は、あまりないでしょう。しかし、ボッシュはそうした稀な企業のひとつで、いずれにも精通しているのです。

ポール・トーマス:
創業以来、ボッシュは革新的で高品質なハードウェアの代名詞となってきました。デジタル時代が幕を開けても、ボッシュはこれまでと同じように、最も先進的で有益なソリューションを市場に提供することを追求してきました。どのような能力が求められているのかを理解し、それを社内で築き上げてきました。

タニア・リュッカート:
こうした考え方により、ソフトウェアはすでに数十年前からボッシュの中心的な強みとなっています。ソフトウェアにより、ボッシュは多様なハードウェア事業の領域で、デジタルの先駆者としての地位を確立し、IoT(モノのインターネット)やインダストリー4.0の発展を推進してきました。そして、今やボッシュが未来のソフトウェア ドリブン モビリティ時代を形作るにあたり、ソフトウェアは重要な役割を果たす力を与えてくれます。そして、これが企業全体の成長を後押ししています。私たちはソフトウェアとサービス領域で、2030年代の初めまでに60億ユーロを超える売上高の達成を目指しています。

またボッシュはAI活用の最前線に立ち、AI関連の特許の申請件数において欧州有数の企業となっており、その数はすでに2,000件を超え、今なお増え続けています。ボッシュは、2027年末までに合計25億ユーロ以上をAIに投資する予定です。ボッシュはこれまでに、全従業員の約4分の1に相当する10万人以上の従業員にAIトレーニングを実施してきました。

何よりも、ハードウェアとソフトウェア両方の強みを備えているので、どちらについても優れたものを提供することができます。これこそが、最終的にボッシュが他社と一線を画す理由となっています。ハードウェアが優位的なのは、それをレベルアップさせるための自社開発のソフトウェアとAIの専門知識を活用できるからです。そして同時に、私たちのソフトウェアが優位なのは、ソフトウェアを実行するハードウェアを深く理解しているからです。こうして生まれるソリューションは、革新的でインテリジェントなものとなり、多くの具体的なメリットをユーザーにもたらします。言い換えれば、真に人間を中心に据えたテクノロジーです。

ここで、ハードウェアとソフトウェアのギャップに精通していることが、ボッシュのソリューションにどのような強みをもたらすのか、 具体的にお話しましょう。

ポール・トーマス:
まず、ボッシュのソリューションに画期的な機能を組み込めるようになり、これまで誰も実現できなかった能力を引き出せるようになります。

一例を挙げると、ボッシュのブースで実際にご覧いただけるスマートフォンベースのソリューション、Origifyです。偽造品は大きな問題となっており、その数は増加しています。昨年、偽造品は世界貿易の最大3%を占め、市場価値は数兆規模に達すると推定されています。この問題に対処する効果的な方法が早急に求められており、Origifyはまさにボッシュが実に革新的な方法で開発したものです。簡単に説明すると、表面パターン認識に基づいた技術です。他のソリューションでは、ラベルや、チップ、コードなどの追加装置に依存しているのに対し、Origifyではモノに固有の物理的属性を利用し、改ざん防止仕様のデジタルIDを作成します。これをボッシュのシステムに登録すると、新しいDetectorアプリを使って、ライブ動画を経由し、本物かどうかを迅速かつ確実に確かめることが可能です。スニーカー、自動車の部品、さらには絵画作品が本物かどうか、が数秒以内で判明します。この革新的なテクノロジーは、偽造産業に大打撃を与える可能性があります。これは、物理的なものとデジタルなものの両方に関するボッシュの深い専門知識から生まれたものです。

タニア・リュッカート:
もちろん多くの人々は、より実用的なものに対して日々関心を抱いています。洗濯、家事、料理などです。家庭では長年にわたり、ボッシュの家電製品が品質、革新性、精密技術という点でベンチマークを打ち立ててきました。今やボッシュは、ソフトウェアとAIを駆使し、新しいレベルの利便性と知性を備えた家電製品を実現するに至っています。結局のところ、テクノロジーが人間に役立つべきで、その逆ではないと私たちは固く信じています。使う人のスキルレベルに関係なく、テクノロジーはストレスを取り除き、少ない労力で多くのことを達成する役に立つべきなのです。

たとえば、キッチンでは…

そしてもうひとつサプライズがあります…

特別ゲスト:マルセル・ヴィニヨン氏(『トップシェフ オールスターズ』出演、Food Network スターシェフ)登場

ポール・トーマス:
今日のゲストをご紹介しましょう。拍手でお迎えください。マルセル・ヴィニヨンさんです!

タニア・リュッカート:
こんにちは。ようこそお越しくださいました。しかし、正直言いますと、料理について話しているうちに、お腹が空いてきました。今朝、朝食を抜いたせいかもしれません…

マルセル・ヴィニヨン氏:
いえ、ご心配なく。料理については、少し自信がありますので、おまかせください。朝からステーキでも、かまいませんか?

タニア・リュッカート:
はい。私も時差ぼけでドイツでは夕食の時間なので、ちょうどいいですね。

ポール・トーマス:
ステーキなら、いつでも食べたいですよ!

マルセル・ヴィニヨン氏:
ちょうど、ここに脂の乗ったリブアイが数本あります。これを調理してみましょう。ステーキの焼き加減は、どうしますか?

タニア・リュッカート:
ミディアムレアでお願いします。

ポール・トーマス:
いいですね、私もです。

マルセル・ヴィニヨン氏:
すばらしい。

それでは、ステーキを調理するにあたって、動画でご覧になったクールな新しいテクノロジーを使ってみましょう。生成AIとボッシュの優れたセンサーが融合した、最先端の技術です。

ポール・トーマス:
ベースとなっているのは、800シリーズのIHクッキングヒーターにすでに組み込まれている、AutoChef機能です。

マルセル・ヴィニヨン氏:
そのとおりです。ベースとなっているのは、AutoChefです。フライパンの温度を継続制御し、最高の仕上がりになるように調整する、センサーベースのテクノロジーです。現在、AutoChefは新しいボッシュのCook AIによってレベルアップしています。この機能はまだ最終試験中ですが、今日はどのように機能するのか、また家庭で料理するときにどれほど役に立つのか、少しだけお見せしましょう。

タニア・リュッカート:
AIが人々の生活をより便利にしているのを見るのは、私たちにとって大きな喜びです。どのように機能するのか、もう少し教えていただけますか?

マルセル・ヴィニヨン氏:
もちろんです。ボッシュのCook AIは、家電製品において独自のテクノロジーやプロセスと組み合わせた、生成AIを活用しています。基本的には、材料の写真を撮ってから、どのように調理したいのか希望を伝えます。この場合なら、ステーキの焼き加減を指定します。アルゴリズムによって最適な加熱の度合いと時間を判断し、クッキングヒーターと通信しながら、正確にリアルタイムで指示を出すのです。基本的に、もう勘を働かせる必要はありません。このBluetoothの肉温度計がステーキの温度を測定します。ボッシュのCook AIとAutoChefが連携して、できあがりまでガイドしてくれます。とても簡単です!

ポール・トーマス:
すばらしいと思います。しかし正直に言って、あなたほどの腕前のシェフにも、本当に役立つのですか?

マルセル・ヴィニヨン氏:
実を言うと、私は科学とテクノロジーが大好きなのです。そして、最新のイノベーションが私の腕を次のレベルに引き上げてくれるのを見るのは、本当にワクワクするのです。私がボッシュを好きな理由は、まさにそれです。数年後に皆が使うことになるものを、先取りして体験できる気がするからです。皆さんは未来を実現しているわけで、そうした役割を担えるというのは、すばらしいことですね。

しかし正直な話、私だって時々は家で夕飯を作る必要があるわけです。そんなとき、5歳になる子どものことで、変なタイミングで気が散ったとしても手助けがあるのはありがたいものなのですよ...

タニア・リュッカート:
なるほど、よくわかります。たしかに、私の子どもが小さかったときにこれがあったら、とても助かったことでしょう!

マルセル・ヴィニヨン氏:
わかります! ところで皆様にお伝えしたいのですが、今週ボッシュのブースにお立ち寄りいただければ、私や「トップシェフ」(アメリカのリアリティ料理番組)に出演した仲間たちに会えますよ。私の仲間で「Food Network」(食・料理専門チャンネル)のスターであるBryan Voltaggio氏や、長年の友人でFOXの料理番組「Next-Level Chef」の共同司会者であるNyesha Arrington氏などです。「ブースでの戦い」をテーマにした楽しいイベントや、エキサイティングな料理チャレンジも行います。もし運がよければ、味見もできるかもしれません…

終わったようですね。仕上がりを見てみましょう…

タニア・リュッカート:
おお、完璧ですね! 本当に画期的だと思います。友人や家族のために、誰でもすばらしい料理が作れるのですから。これこそまさに、人間を中心に据えたテクノロジーですね!

ポール・トーマス:
ええ。最終的には、それが私たちの目標です。私たちは、デジタル機能を強化した製品のシームレスな機能によって、人々に力を与え、可能性を広げたいと考えているのです。よく私たちが言うように、「ボッシュを知れば知るほど、自分がボッシュの一員だと感じる」のです。

マルセル・ヴィニヨン氏:
この場合なら、「ボッシュのように料理する」ですね!

タニア・リュッカート:
そうですね。マルセルさん、ありがとうございました! 拍手をお願いします!

第1に、ボッシュはソフトウェアとハードウェアの専門知識を組み合わせることで、画期的な機能やユニークな能力を実現しています。第2に、ボッシュはソフトウェアのコンピテンスを活用して、ハードウェアで革新的なことができるようにしています。ハードウェアの進化を後押ししているのです。

昔は、「最新の」製品が欲しい場合は、旧製品を新モデルに買い換える必要がありました。現在では、適切な機能と適切なソフトウェアを用いることで、ハードウェアは購入後も進化を続け、新機能を獲得し続けることができます。

包括的なネットワーク化のおかげで、OTAアップデートによって、ボッシュの家電製品の多くがまったく新しい機能を獲得できるようになっています。たとえば最近、ボッシュは、これまで備わっていなかった「エアフライ」機能や「エアスーヴィッド」機能を、ネットワーク化されたオーブンの製品群に追加しました。しかも、オーナーに追加費用は一切かからないのです!

ポール・トーマス:
すごいですね。ボッシュは自社のハードウェアの進化を推進しているだけではありません。モビリティ分野では、ボッシュのビークルモーションマネジメントにより、多くの自動車が購入後も長期にわたって新しい特徴、機能、およびカスタマイズオプションを獲得することが可能となっています。このハードウェアに依存しない先駆的なソフトウェアソリューションにより、ブレーキ、ステアリング、パワートレイン、サスペンションなどのシステムの多様な機能を管理・調整することができます。こうした変数は、すべて基本的にはボタンを押すだけで微調整することができます。各種の走行モードを選択すると、ドライバーのニーズや運転状況に合わせて、車両の特性をインテリジェントに調整できます。

また、ビークルモーションマネジメント自体も進化しています。たとえば、ボッシュは最近、車両の動きを6自由度すべてにおいて制御する機能を追加しました。この6自由度すべての制御は、車両に事前に組み込まれたパッケージの一部として、または対応車両向けのOTAアップデートとして提供可能で、カーブ走行時の車両のロールの低減に大きな役割を果たします。これにより、乗り物酔いの大幅な軽減も期待できます。調査によると、成人の最大3分の1が乗り物酔いを経験し、特に乗客の場合は乗り物酔いをしやすいことが示されています。私たちの多くが将来の自動運転車両の乗客となる見込みですので、これによって世界中の数億人もの人々のウェルビーイングに寄与する可能性があり、私たちの道のりにおける自動運転モビリティへの現実的な障害を取り除くのに貢献する可能性があります。ちょっとしたアルゴリズムとしては、なかなかの成果だと思いませんか?

これは、ボッシュがハードウェアとソフトウェアの強みを生かして人々の生活に貢献していることを示しています。そこで、3つ目のポイントに移ります。ボッシュは、2つの分野にまたがる専門知識を備えているからこそ、原則として、個別のコンポーネントや断片的なソリューションをはるかに超えるものを提供しています。多様な事業分野で、私たちはオールインワンシステム、インテリジェントなプラットフォーム、さらにはエコシステム全体を専門としています。このことは、お客様に多くのメリットをもたらしています。

タニア・リュッカート:
ボッシュのシステムに関する専門知識は、特に自動車において顕著で価値があります。ソフトウェアによって、より高いインテリジェンス、効率性、安全性、パーソナライゼーションが実現するか、聞いたことがあるでしょう。これは、まさにパラダイムシフトです。2020年代の終わりまでに、世界の新車の80%以上がソフトウェア ディファインド ビークルとなり、市場規模は1兆ドルを超えると見込まれます。この移行にあたって、ボッシュは重要な役割を果たしています。ボッシュは、ソフトウェアの専門知識と自動車技術の全ての分野にわたる深い知識とを組み合わせることで、大きな利点を自動車メーカーにもたらすことができます。とりわけ自動車メーカーは、開発期間を短縮しながら、互換性の問題に悩まされずに、すぐに展開できるカスタマイズ可能なシステムを入手できるようになります。

ソフトウェア ドリブン モビリティに関しては、ボッシュは基礎から開発を促進しています。ボッシュが子会社のイータス(ETAS GmbH)と推進している取り組みに、Eclipse Safe Open Vehicle Core(略してS-CORE)プロジェクトがあります。これは、オープンソースベースで、高性能ミドルウェアプラットフォームを構築することを目指しています。ミドルウェアというのは、基本的にはソフトウェア ディファインド ビークルの中枢神経のようなもので、車両の複雑で多様なハードウェアとソフトウェアコンポーネント間のやり取りを担います。ボッシュは、世界中の自動車メーカーと協力しながら、現在のOEM特有のソリューションを超えて、誰もが利用できる単一の標準を構築することを目指しています。最終的には、開発のスピードアップ、コスト削減、セキュリティ強化、産業全体の技術革新の促進につながり、より多くの人々がソフトウェア ディファインド ビークルのメリットを享受できるようになります。

ポール・トーマス:
システムに関する私たちの専門知識は、特にソリューションレベルで顕著です。私たちは、電子制御によるバイワイヤシステムといった革新的なハードウェアに加え、それらの動作や相互連携を制御するソフトウェアを提供するリーディングプレイヤーです。まもなく、市場初登場となるボッシュの真のブレーキバイワイヤシステムが発売され、世界有数の自動車メーカーで生産が開始されます。バイワイヤシステムは、将来の自動運転やソフトウェア ディファインド ビークルにとって重要なテクノロジーです。ボッシュは頼りになるパートナーとしての地位を急速に確立しており、ボッシュのステアバイワイヤおよびブレーキバイワイヤシステムの世界累計売上高は、2032年までに70億ユーロを超えると見込んでいます。

未来の自動車に関しては、もちろんAIについても語らざるをえません。ボッシュはすでにAIを活用し、走行中の安全性と利便性を高めています。私たちは、支援運転および自動運転向けのAIベースのソリューションによる売上高が、2035年までに100億ユーロを大きく超えることを目指しています。ボッシュのブースでは、たとえばAIを活用したコックピットのデモンストレーションをご覧いただけます。聞くことも見ることもできる、まさに先駆的なシステムです。これは、2種類の言語モデルによって可能になりました。1つはテキストベースの大規模言語モデルで、これにより、まるで隣に座っている人に話しかけるように、車両に話しかけることができます。もう1つは視覚言語モデルで、これにより、車内と車外のカメラやセンサーを通じて見たものをコックピットが理解できるようになります。この両方を組み合わせることで、真に新しいレベルの機能が実現します。たとえば、目的地に到着すると、自動的に駐車場を探したり、走行中にオンライン会議の議事録を作成したりすることが可能です。

タニア・リュッカート:
以上のように、物理的なものとデジタルなもののギャップを埋めるボッシュの能力は、幅広い機能、性能、システムとなって結実しています。これにより、私たちはパートナーとして優先的に選定されており、たとえば産業分野では、ユーザーとしてもプロバイダーとしても長年にわたる経験を有しています。実際、ここCESで、エージェント型AIを駆使した産業生産性のさらなる飛躍の実現に向けた取り組みを模索するため、包括的な覚書を締結します。この画期的なコラボレーションについてさらに詳しくお話しするために、Microsoft社の製造およびモビリティ担当コーポレートバイスプレジデントのダイアン・ロドリゲスさんをお迎えしたいと思います。

特別ゲスト:Microsoft社、製造およびモビリティ担当コーポレートバイスプレジデントのダイアン・ロドリゲス氏登場

ダイアン・ロドリゲス氏:
こんにちは。よろしくお願いいたします。

タニア・リュッカート:
こんにちは。ようこそお越しくださいました。まず、このプロジェクトについて少しお話しいただきたいのですが。

ダイアン・ロドリゲス氏:
もちろん!では、少し背景をご説明したいと思います。世界は変化しており、このAIの時代において事業を行うための要件も変化しています。企業各社は、新しい次元の複雑性と急速な技術進化の波を乗り越えようとしています。工場では、多様なバリューストリームを連携させることが課題となっており、新しい働き方とともに進化していかなければなりません。

しかし、なかなか実行するのは難しく、多くの工場はレガシーシステムで稼働しており、意図的かつ慎重に進化させる必要があります。同時に、データ量は増え続けていますが、それを解釈して意思決定につなげることは、さらに困難となっています。ここで、私たちの出番となります。ボッシュとMicrosoft社は協力し、エージェント型AIを駆使して工場の変革に貢献したいと考えています。この強力なテクノロジーは、膨大なデータを理解し、自律的に意思決定し、タスクを実行して、生産、保守、サプライチェーンを最適化します。これは、いわば工場でのプロセスにもう一層の知性を追加するようなものです。

ポール・トーマス:
実際、これに関して行っていることを、私たちは「Manufacturing Co-Intelligence」と呼んでいます。その基礎にあるのは、ボッシュの深い産業分野における知識です。ボッシュでは、数十年にわたる製造の専門知識に加え、自社のAI対応工場での10億を超える製品と7億を超えるデジタルツインから得たライフサイクルデータの洞察も提供しています。

タニア・リュッカート:
そのとおりです。MicrosoftのITインフラとソフトウェアの専門知識を組み合わせることで、お客様を支援するオープンで拡張性の高い安全なエコシステムを構築したいと考えています。私たちのコラボレーションは、単なるデータを超えて、現実世界での意味を理解することを目ざしています。これは、メーカー各社が将来の課題に対応できるように進化するのに役立つことでしょう。私たちは、メーカー各社が最高の品質と柔軟性を確保しながら、より賢明な選択ができて効率を高められるようなツールを提供したいと考えています。また、私たちは製造をさらに人間を中心据えたものにしたいと思っています。

ダイアン・ロドリゲス氏:
そうです。私たちのビジョンの中心にあるのは、働く人々に力を与え、負担を軽減する工場です。私たちの目標は、シンプルなソリューションです。現在、例えば生産ラインで機械が故障するなど何か問題が発生した場合、皆で力を合わせる必要があります。メンテナンスの技術者はできるだけ早く問題を解決し、生産を再開できるよう、夜間、週末、休日に呼び出されることがよくあります。ストレスがかかるだけでなく、時間的なプレッシャーの中で大型機械を修理するのは危険と隣あわせでもあります。全てのプロセスをモニターするエージェント型AIを活用すれば、小さなエラーでも特定し、致命的な障害が発生するはるか前に解決策を講じることができます。こうして、誰にとっても安全でストレスが少なく、生産性の高い職場が実現します。

ポール・トーマス:
もちろん、この生産性の高さは節約にもつながります。ボッシュ社内での業務や、試験的に導入しているお客様の業務では、システム統合コストが最大70%削減され、また予測機能を持つ保証ソリューションによって最大3分の1の節約が可能になっています。

タニア・リュッカート:
ボッシュのエージェント型AIの手法は、セマンティックレベルでも高い信頼性を発揮します。ドメイン知識が統合されたボッシュのAIエージェントは、隔離されたAIシステムよりも最大3倍の頻度で正確に質問に答えます。また、事実調査、データ統合、文書化などに必要な手作業を最大半分に削減し、時間を節約します。

ダイアン・ロドリゲス氏:
そうです。効果は甚大ですね。私たちは、ボッシュの深い産業知識とMircosoftの最先端テクノロジーの強力な融合により、製造環境とそこで働く人々の生活を変革したいと願っています。両社が力を合わせることで、人と機械がインテリジェントかつ強力的に連携する、新しい未来の発展に貢献していくのです。私たちはこのビジョンを、誇りをもって「Manufacturing Co-Intelligence」と呼んでいます!

タニア・リュッカート:
そうですね。ありがとうございました。私たちの協働がどう結実するのか、今後が楽しみです。

ダイアン・ロドリゲス氏:
お招きいただき、ありがとうございました。

ポール・トーマス:
Microsoft社との協力は、ここ米国でボッシュが成長、投資、協働を推進し続けていることを示す良い例です。しかし、こうした例は他にもたくさんあります。米国はボッシュにとって重要な成長市場の1つだからです。

たとえば最近、ボッシュはKodiak AI社とエキサイティングな取り決めを結びました。同社はAIを活用した自動化トラック輸送テクノロジーの最前線に立つ成長著しい企業で、すでに大型トラックのカテゴリーとしてクラス8の無人のトラックを商業的に展開しています。この協力の一環として、ボッシュは大規模な完全自動化トラック輸送を実現するために必要なハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアを組み合わせた、生産準備の整った冗長プラットフォームの開発を支援することになります。このプラットフォームには、トラック周囲の状況を認識するためのカメラやレーダーなどのセンサーや、この重要な車両セグメントの安全性を高める高度なステアリングテクノロジーも含まれます。このコラボレーションは私たち双方にメリットがあり、ボッシュにとっては、現実世界の自動化車両の要件に対する理解を深めると同時に、幅広い自動化モビリティエコシステム向けの製品ポートフォリオを強化する良い機会となります。

投資に関しては、カリフォルニア州ローズビルのSiCウエハ製造工場も順調に進んでいます。過去2年半で、計画していた19億ドルの投資の大部分をすでに実行しており、今年後半の製造開始に向けて順調に準備を進めています。ここ米国でシリコンカーバイドチップを生産するということは、半導体製品ポートフォリオを強化し、ハイブリッド車など、エネルギーやモビリティの未来に欠かせないこのテクノロジーを現地の顧客が利用できるように支援するという、ボッシュの戦略的計画の重要な一部となっています。

フットボール関連のニュースとしては、昨年、ボッシュ初のビッグゲームの広告をご覧になったかと思います。すばらしい友人たちの協力を得て、私たちはボッシュ製品がいかに人々の生活を改善できるかを米国で示しました。しかし、ご覧にならなかったとしても、ご心配はいりません。2月8日のビッグゲームでも、再びボッシュは勝利のスポット広告を流し、どのように「ボッシュを知れば知るほど、自分がボッシュの一員だと感じる」のかを示す予定です。ぜひ、ご視聴ください!

タニア・リュッカート:
わくわくしますね! 今後の展開が楽しみです。

ボッシュにおいて、たえず技術革新の原動力となってきたのはシンプルな目標でした。それは、テクノロジーを通じて生活をよりよいものにする、という目標です。そのためには、人々を私たちの努力の中心に据え、人々の変化するニーズに応えることに注力する必要があります。しかし、人間なしでは人間を中心に据えたテクノロジーを開発することはできません。そこで、人々と対話し続けることが重要となります。まさにそのために実施しているのが、5年前から世界7か国で毎年行っている調査「Bosch Tech Compass」です。

Tech Compassによって、たとえば多くの人がある種の「進歩疲れ」を感じていることがわかりました。実際、回答者の57%はテクノロジーの発展による影響をより深く理解できるようになるまで、いわば「一時停止ボタン」を押したいと感じています。他方、AIに関しては、これほどプラスの反応があったのは初めてのことでした。回答者の大多数は、AIが他のどのテクノロジーよりも社会に大きくプラスの影響を与えるだろうと考えています。

さらに良いニュースがあります。それは、テクノロジー全般に対する楽観論が、ここ数年で最高に高まっていることです。技術進歩によって世界がより良くなると考えている人の割合は、世界で71%に達しています。もちろん、私たちボッシュもこの信念を心から共有しています。私たちは、人間を中心に据えたテクノロジーをつくることに注力しているからです。ソフトウェアとハードウェアのギャップをシームレスに埋めることで、人々をサポートし、人々の可能性を広げるテクノロジーを提供します。まさに「Invented for life」を体現するテクノロジーです。

ご清聴ありがとうございました。ぜひ、ボッシュのブースにお越しいただき、ご自身の目でお確かめください。

ポール・トーマス:
皆様、ご清聴ありがとうございました。それでは、セントラルホールのボッシュのブースでお会いしましょう。


このプレスリリースは2026年01月05日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
原文をご覧ください。