シュトゥットガルト(ドイツ) – グローバル規模で革新的なテクノロジーとサービスを提供するボッシュ・グループにとって、2025年は非常に厳しい事業年度となりました。暫定決算報告1によると、2025年度の売上高は前年から微増し910億ユーロ(2024年:903億ユーロ)、為替調整後は4.2%増となりました。事業からの支払金利税金控除前利益率は約2%で、予想を下回る結果となりました(2024年:3.5%)。ロバート・ボッシュGmbH取締役会会長のシュテファン・ハルトゥングは暫定決算報告に際し、「経済の実情が私たちの業績に反映されており、2025年度はボッシュにとって困難で、時に痛みを伴う年でした。厳しい環境下においても私たちは組織的に成長戦略に取り組み続けており、そのためには競争力の強化も不可欠です。私たちはいま、将来に向けた道筋を策定しています」と述べました。ハルトゥングによると、ボッシュは今後もグローバルな事業展開、強固なブランド力、そして技術的専門性を活用していく方針です。一方、ボッシュは厳しい経済情勢のもとで競争がますます激化していくと予想し、各市場における大幅な改善は2027年まで期待できないとの見通しを示しました。
2025年度における成長鈍化の主な要因は、低迷する世界経済と厳しさを増す市場環境でした。売上高の減少による利益率の低下に加え、関税の引き上げや、必要な構造調整およびそれに関連する人事措置に伴う多額の引当金が、業績に悪影響を与えました。この再編は、ボッシュが経済的に健全で、財政的な独立を保ち、長期的に安定した状態を維持することが目的です。これを達成するには、ボッシュは年間6〜8%の売上成長と、少なくとも7%の利益率を実現する必要があります。ボッシュは現在の状況を踏まえ、当初2026年に目標としていた7%の利益率の達成は、早くても2027年になると想定しています。
競争力:コストギャップの縮小と、投資能力の強化
ボッシュは昨年、長期戦略である「戦略2030」を計画通り推進してきました。この戦略では、目標利益率を達成することに加え、世界の中核市場において、トップ3プロバイダーのひとつになることを掲げています。このため、特に競争力のあるコスト水準と需要に応じた生産能力が現在必要とされています。「私たちは材料コストの削減に注力し、生産性向上のためにAIをこれまで以上に活用して、これまで以上にすべての投資について慎重に検討を重ねています」とハルトゥングは説明しました。「しかし、長期的な競争力と投資能力を確保するためには、人件費の削減や組織の合理化をさらに進める必要があります」。とりわけ、電動化への構造転換と、世界の自動車業界における極めて高い価格と競争圧力により、モビリティ事業セクターだけで、目標利益率に関して、年間約25億ユーロのコストギャップが生じています。このためボッシュは昨年、追加で約1万3,000人の人員削減が必要であると発表しました。ハルトゥングは、取締役会ではこのような決定の影響を認識しており、従業員の懸念を真剣に受け止めていることを強調しました。「しかし、たとえ財団が所有する企業であっても、事業存続を確保する必要があり、事業の実情を無視することはできません」。ボッシュは従業員代表と緊密な協議を行い、仮に初期段階で多額のコストが発生したとしても、可能な限り社会的に受け入れられる形でこれらの避けられない措置を実施する方針であることを、ハルトゥングは続けて述べました。
「戦略2030」:技術革新と買収によりビジネスチャンスを創出
厳しい事業環境にもかかわらず、ボッシュは多くの市場セグメントにおいて事業の大きな可能性を見出しています。「ソフトウェア ドリブン モビリティという重要分野における市場の勢いは、はじめは限定的であるものの、特に今後10年間で大幅に加速すると予想しています」とハルトゥングは述べています。さらに、ブレーキ、ステアリング、パワートレイン、シャシーを統合制御するビークルモーションマネジメント ソフトウェアは、すでに市場で非常に高い評価を得ていると付け加えました。ボッシュは昨年、自動運転向けソリューションや、それに必要なセンサー技術、そしてセントラルコンピューターで総額100億ユーロ相当を受注し、世界的な競争において確固たる地位を築いています。さらに最近買収したHVACソリューション事業の統合も、堅調な成長見通しを確かなものにしています。ボッシュホームコンフォートは中期的な売上高をほぼ倍増させ、80億ユーロとすることを目標としており、現在では住宅および小規模商業施設の暖房・換気・冷房市場における世界最大級のサプライヤーとなっています。電動工具事業部は、製品開発プロセスを加速させ、その結果、市場投入までの時間を平均2ヶ月短縮しました。電動工具事業部はイノベーション推進の一環として、2027年までに約2,000の新製品を発売する予定です。ボッシュはまた、全事業部でAIの活用を体系的に拡大しています。先日、米国で開催されたCESでは、AI制御の車両コックピットを実現する、AI搭載の高性能コンピューターを発表しました。また、ボッシュではすでに社内全体でAIが活用されている中、2027年末までに総額25億ユーロをAIに投資する計画です。
事業拠点としての欧州:技術に対する懐疑心が発展の妨げ
地域競争力に関しては、ボッシュは欧州には大きな可能性があるものの、それには政策立案者と社会が持つ技術進歩への懐疑的な見方の克服が必要だと考えています。ハルトゥングは、主要先進国の人々が新しいテクノロジーについてどう感じているかについて調査したBosch Tech Compassの結果に関して懸念を示しました。調査結果によると、技術の進歩がプラスの影響をもたらすと考える人の割合は、ドイツで3分の2未満、フランスではさらに低く、「これは非常に憂慮すべきこと」とハルトゥングは述べています。「グローバルな競争の中で国や社会が生き残る唯一の道は、少なくとも技術的進歩を推し進める意志があることです」。これを実現するためには、企業、社会、政策立案者が、より大きな勇気と決断力を持って、水素やAIといった新たなテクノロジー分野に積極的に取り組む必要があります。ボッシュは世界有数の革新的な企業として、ここで果たすべき役割があります。ボッシュは、欧州でも数多く特許を出願している企業のひとつで、2018年以降、AI分野だけで2,000件を超える特許を出願しています。ハルトゥングは、保護貿易政策に関して欧州での対応の必要性を指摘し、対象を絞った現地調達規則の導入を議会に呼びかけています。これにより、今日の明らかに歪んだ競争が再び公平になる可能性があります。
2025年の業績状況:世界経済による事業セクターの売上高の鈍化
ボッシュが注力するさまざまな市場における困難な状況が、各事業セクターの売上高の動向に影響を及ぼしました。「ボッシュもまた、2025年の世界経済の低迷の影響を明確に感じました」とロバート・ボッシュGmbH 取締役会メンバー兼財務担当取締役であるマルクス・フォーシュナーは話します。「しかしながら、かなりの不確実性と貿易障壁にもかかわらず、ほとんどの市場で持ちこたえることができました」。モビリティ事業セクターの売上高は560億ユーロで、前年比0.3%の微増、為替調整後では3.1%増となりました。産業機器テクノロジー事業セクターでは、機械製造や建設セクターの厳しい状況にもかかわらず、売上高は65億ユーロを達成しました。前年比0.9%微増と前年度の水準を維持することができ、為替調整後では3.2%増でした。消費財事業セクターの売上高は1.9%減少し、199億ユーロでした。ただし為替調整後は4%増加しました。消費者の購買意欲が依然として低いことが影響しました。エネルギー・ビルディングテクノロジー事業セクターは、84億ユーロの売上高を達成しました。建設活動は低迷したにも関わらず、売上高は前年比12.3%増、為替調整後では15.3%増となりました。ビルディングテクノロジー事業部における製品事業が売却されましたが、HVACソリューション事業の買収がそれを上回りました。
2025年の業績状況:地域別売上高における顕著な為替の影響
厳しい状況は地域売上高にも影響しました。「世界各地の状況は依然として緊迫していました。業績は欧州が引き続き最も低調でしたが、北中南米地域およびアジア太平洋地域では比較的堅調でした」と、フォーシュナーは説明します。欧州では売上高442億ユーロとわずかに減少し、名目ベースでは0.6%減、為替調整後では1.5%増となりました。北中南米地域では売上高が185億ユーロと3.6%増、為替調整後で9.2%増でした。アジア太平洋地域では、売上高は283億ユーロに達し、名目ベースで1.2%増、為替調整後で5.6 %増となりました。
2025年の従業員数の推移:従業員数は1%減
2025年12月31日時点で、ボッシュ・グループの従業員数は全世界で約41万2,400人、前年比で約5,400人(約1%)減となりました。ホームコンフォートにおける買収に伴う従業員数の増加はありましたが、必要な人員削減とビルディングテクノロジー部門の売却により、従業員数は減少しました。従業員が最も減少したのはドイツで、約6,500人(5%弱)減の約12万3,100人になりました。
2026年の展望:競争と価格圧力は引き続き上昇
ボッシュは、今事業年度における状況の緩和は見込んでおらず、2026年の世界経済成長率は2.3%になるとみています。「世界経済の成長がやや失速してきている兆候が数多く見られます」とフォーシュナーは説明しています。「競争と価格圧力はさらに高まる傾向にあり、関税引き上げの影響が初めて全面的に現れるでしょう」。ボッシュでは、「戦略2030」の実施に向けて導入した対策で大きな進展を遂げると期待しています。「コストと競争環境が改善されれば、利益率に好影響が表れ始めるでしょう」とフォーシュナーは述べています。「しかし、景気の低迷と厳しい環境を考慮すると、目標とする7%の利益率を達成できるのは、早くても2027年になる見込みです」。また、世界的な競争においてボッシュが地位を維持し、将来の重要分野に大きな先行投資を継続するには、支出と構造に関する取り組みが不可欠であることを強調しました。ボッシュはこのように会社の将来の発展に向けた重要な基盤を築いています。
1. 四捨五入した数値。後日発表される年次報告書の数値とは異なる場合があります。
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このプレスリリースは2026年01月30日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
原文をご覧ください。
2025年度暫定決算:ボッシュ、困難な2025年度において、将来に向けた道筋を定める
「戦略2030」:競争力を確保し、好機を捉える
2026/01/30
世界のボッシュ・グループ概要
ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2025年の従業員数は約41万2,000人(2025年12月31日現在)、暫定決算報告での売上高は910億ユーロ(約15.4兆円*)を計上しています。ボッシュは事業を通じて、自動化、電動化、デジタライゼーション、ネットワーク化、持続可能性の取り組みといった普遍的なトレンド形成に、自社のテクノロジーを活用することをめざしています。こうした観点から、ボッシュは地域や業界の壁を超えた幅広い事業展開により、革新性と堅牢性を高めています。ボッシュはセンサー技術、ソフトウェア、サービスにおける実績ある専門知識を活かし、さまざまな分野にまたがるソリューションをワンストップでお客様に提供しています。また、ネットワーク化とAIに関する専門知識を応用して、ユーザーフレンドリーで持続可能な製品を開発・製造しています。ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」なテクノロジーによって、人々の生活の質の向上と天然資源の保護に貢献したいと考えています。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社490社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含むグローバルな製造・エンジニアリング・販売ネットワークは世界中のほぼすべての国々を網羅しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界136の拠点で約8万2,000人の従業員が研究開発に携わっています。
ボッシュの起源は、1886年にロバート・ボッシュ(1861~1942年)がシュトゥットガルトに設立した「精密機械と電気技術作業場」に遡ります。ロバート・ボッシュGmbHの独自の株主構造は、ボッシュ・グループの企業としての自立性を保証するものであり、ボッシュは長期的な視野に立った経営を行い、将来の成長を確保する重要な先行投資を積極的に行うことができます。ロバート・ボッシュGmbHの株式資本の94%は慈善団体であるロバート・ボッシュ財団が保有しており、残りの株式はロバート・ボッシュGmbHおよび創業家であるボッシュ家が所有する法人が保有しています。議決権の大半はロバート・ボッシュ工業信託合資会社が保有し、株主の事業機能を担っています。
*2025年の為替平均レート、1ユーロ=168.9731円で計算
さらに詳しい情報は 以下を参照してください。
www.bosch.com ボッシュ・グローバル・ウェブサイト(英語)
www.bosch-press.com ボッシュ・メディア・サービス(英語)
www.bosch.co.jp ボッシュ・ジャパン 公式ウェブサイト(日本語)
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https://www.facebook.com/bosch.co.jp ボッシュ・ジャパン 公式フェイスブック (日本語)
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ボッシュ・グループは、グローバル規模で革新のテクノロジーとサービスを提供するリーディングカンパニーです。2025年の従業員数は約41万2,000人(2025年12月31日現在)、暫定決算報告での売上高は910億ユーロ(約15.4兆円*)を計上しています。ボッシュは事業を通じて、自動化、電動化、デジタライゼーション、ネットワーク化、持続可能性の取り組みといった普遍的なトレンド形成に、自社のテクノロジーを活用することをめざしています。こうした観点から、ボッシュは地域や業界の壁を超えた幅広い事業展開により、革新性と堅牢性を高めています。ボッシュはセンサー技術、ソフトウェア、サービスにおける実績ある専門知識を活かし、さまざまな分野にまたがるソリューションをワンストップでお客様に提供しています。また、ネットワーク化とAIに関する専門知識を応用して、ユーザーフレンドリーで持続可能な製品を開発・製造しています。ボッシュはコーポレートスローガンである「Invented for life」なテクノロジーによって、人々の生活の質の向上と天然資源の保護に貢献したいと考えています。ボッシュ・グループは、ロバート・ボッシュGmbHとその子会社490社、世界約60カ国にあるドイツ国外の現地法人で構成されており、販売/サービスパートナーを含むグローバルな製造・エンジニアリング・販売ネットワークは世界中のほぼすべての国々を網羅しています。ボッシュの未来の成長のための基盤は技術革新力であり、世界136の拠点で約8万2,000人の従業員が研究開発に携わっています。
ボッシュの起源は、1886年にロバート・ボッシュ(1861~1942年)がシュトゥットガルトに設立した「精密機械と電気技術作業場」に遡ります。ロバート・ボッシュGmbHの独自の株主構造は、ボッシュ・グループの企業としての自立性を保証するものであり、ボッシュは長期的な視野に立った経営を行い、将来の成長を確保する重要な先行投資を積極的に行うことができます。ロバート・ボッシュGmbHの株式資本の94%は慈善団体であるロバート・ボッシュ財団が保有しており、残りの株式はロバート・ボッシュGmbHおよび創業家であるボッシュ家が所有する法人が保有しています。議決権の大半はロバート・ボッシュ工業信託合資会社が保有し、株主の事業機能を担っています。
*2025年の為替平均レート、1ユーロ=168.9731円で計算
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