シュトゥットガルト(ドイツ) – ボッシュとダイムラーは、シュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館の駐車場に設置した自動バレーパーキングについて、バーデン・ヴュルテンベルク州の関係当局から承認を受けることができ、自動運転に向けた1つのマイルストーンを達成することになりました。この自動バレーパーキングサービスはスマートフォンのアプリからアクセスするだけで利用でき、また安全を監視するためのドライバーは不要になります。これにより、世界初となるSAEレベル41のドライバーレス完全自動駐車機能の日常利用が正式に承認されることになりました。

「関係当局のこの決定により、自動バレーパーキングのような革新技術をドイツで初めて利用できるようになりました」とボッシュ取締役会メンバーのマルクス・ハインは述べ、さらにこう続けました。「ドライバーレスの運転と駐車は、未来のモビリティの重要な構成要素です。自動バレーパーキングは、私たちがこの開発路線に沿ってどれだけ歩みを進めたかを如実に示したものだと言えます」

「バーデン・ヴュルテンベルク州の関係当局からこの承認を受けたことで、世界中の駐車場の駐車サービスについて今後承認を受けるための重要な前例となるでしょう」と述べるのは、ダイムラー で運転テクノロジーと自動運転の責任者を務めるMichael Hafner氏です。「自動運転のパイオニアである私たちのプロジェクトは、自動バレーパーキングが今後量産体制に移行する道筋をつけることになりました」

動作の安全性が重要:両社が同じ目標に向かって前進
ボッシュとダイムラーがドライバーレス駐車サービスプロジェクトの立ち上げ当初から最も重視しているのが、安全性です。ドライバーレス自動運転機能の正式な承認手続きに入る前から、シュトゥットガルトの行政当局とバーデン・ヴュルテンベルク州交通省 はドイツの技術検査協会であるラインラントTÜVのスペシャリストたちとともに、自動バレーパーキングの動作安全性を評価するためにプロジェクトを最初から監督していました。

その結果、このパイロットプロジェクト以外にも適用できる適切な試験と承認基準を含めた包括的な安全性コンセプトが生まれることになりました。このコンセプトで開発者が定義したのは、無人運転車両が歩行者や他の車両をどのように検出し、障害物に遭遇した時に確実に停止するのかということです。また、すべてのシステムコンポーネント間の安全な通信を確立し、駐車動作が確実に行われるための措置も講じました。

ドライバーレスパーキングを支える技術
自動バレーパーキングでは、駐車場の所定の位置まで乗り入れたら、ドライバーはそこで降車し、スマートフォンの画面をタップするだけで車両が駐車スペースに自分で入っていくので、ドライバーが運転する必要はありません。ドライバーが本来の目的のために駐車場を出ると、すぐに車両は割り当てられたスペースに移動して駐車します。帰る時も、所定の位置にドライバーが来れば、車両がその位置まで自動的に戻ってきます。このプロセスは、ボッシュが提供したインテリジェントな駐車場インフラと、 メルセデス・ベンツが提供した車両技術の相互作用によって実現しています。駐車場内に設置されたボッシュのセンサーが、ドライバーの代わりに駐車スペースまでの経路や周囲の状況を監視し、車両の誘導に必要な情報を提供する役目を果たします。そして、車両側に組み込まれたテクノロジーが、インフラからの指示を運転操作に変換しています。このようにして、車両はスロープを上ったり下ったりしながら駐車場の中を行き来し、インフラのセンサーが障害物を検知した場合には、車両はただちに停止します。

プロジェクトのマイルストーン
ボッシュとダイムラーは、2015年に全自動ドライバーレスパーキングの開発をスタートさせ、2017年夏には、シュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館の駐車場にこのパイロットソリューションを設置し、重要なマイルストーンを達成しました。ここで初めて一般に公開されたのが、実際の条件下でドライバー付き、ドライバーレスのどちらにも対応した自動バレーパーキングです。この初公開を経て、集中的なテストおよびスタートアップ段階に進みました。2018年初めから、来館者はシステムを理解した安全スタッフのサポートを受けながら、駐車サービスを実際に利用し、経験を共有しています。このパイロットプロジェクトには、車両のライティングコンセプトのテストも含まれていました。ターコイズ(青緑)のライトは、車両が自動運転モードであることを示し、車両が動作中であることを歩行者や他の道路利用者に伝える役割を担っています。これらのテストで得られた知見は、最近発行されたSAE規格3134に反映されています。ボッシュとダイムラーにとっては、関係当局から最終承認を得ることが、次の重要なマイルストーンの1つとなります。その承認を得ることができれば、まもなくメルセデス・ベンツ博物館の駐車場で日常的に稼働する画期的なバレーパーキングサービスを、セーフティドライバーのサポートを受けることなく実際にご体験いただけるようになります。

1 SAEレベル4:地理的に限られたエリアでのドライバーレス運転、SAE(Society of Automotive Engineers)がJ3016で発表した定義による

詳細情報:
Bosch and Daimler demonstrate driverless parking in real-life conditions

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フランクフルトのIAA 2019でボッシュを体験:モビリティについて考え直し、モビリティをできる限り安全で持続可能性があり、魅力的なものにすること。これがボッシュの掲げている目標です。グローバル規模で革新的なテクノロジーとサービスを提供するボッシュは、技術レベルでは、パーソナライズ化、自動化、ネットワーク化、電動化を通じて、こうした目標を達成したいと考えています。IAA 2019では、ボッシュは、運転をより安全で効率的なものにする、また要求に応じてモビリティを利用できるようにする、そして車両をパーソナルアシスタントに変えるための最新のソリューションを紹介する予定です。

ボッシュ役員の記者会見:2019年9月10日(火)12:55~13:10(現地時間)
ボッシュ取締役会会長フォルクマル・デナーモビリティ ソリューションズ事業セクター責任者シュテファン・ハルトゥングが出席、ボッシュのブース:ホール8のC02

IAA 2019におけるボッシュのハイライトをwww.bosch-iaa.deとTwitterで紹介:#BoschIAA


このプレスリリースは2019年07月23日に Robert Bosch GmbH より発行されました。
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